FF Page BenzのKeyを直す
CLSのKeyが壊れた。
いや、正確には壊してしまったのだ。
何を隠そう誤って洗濯してしまったのである。
しかも全自動洗濯機で約1時間も。
このKeyは防水構造にはなっているのだが、さすがに1時間も洗濯されてはたまらない。
洗濯水が入ったのかどうかは不明ながら、結露が起きた事は確認している。
それでも数日間は正常に動作していたので、なかなか丈夫じゃないかと思っていた。
思ってたら… 壊れた。
トランクリッドを開けたり解錠は出来るが施錠が出来ない。
困った。
施錠はメカニカルキーでも出来るのだがおおいに面倒である。
って話ではなく、やはり壊れるのは困る。
とりあえずはスペアキーを使うにして、ではコイツをどうやって修理したものか。
当然内部にはバッテリが入っているわけで、水没による腐食の可能性が大きい。
というより、コイツはいったいどうやって開けたらいいのだろうか。
バッテリケースを抜いてみるが一体成形品のように見える。
ケースが縦や横に割れる構造ではないようだ。
じゃ、基板を引っ張り出せるのか?
ここにはなにやら白っぽい、ジュラコンのようなスペーサみたいなものが挟まっている。
コイツを引っ張って… 割れた…
割れても抜けてこないんだから無理か…
と思うが一応ラジペンで引っ張る。
そうしたら素直に抜けてきたじゃないか。
何だなんだ??
基板は普通のガラスエポキシ、両面実装、意外に部品が多い。
タクトスイッチの付いていない面にはNEC製のデバイスと水晶発振器、イモビライザみたいなものが乗っている。
これがNEC製デバイスとXtalらしきもののアップ。
ケータイカメラを顕微鏡にくっつけるという手法で撮っているのでおおいに蹴られている。
コイツがイモビなのか。
非接触IDみたいな感じなのかなぁ。
タクトスイッチ側はこんな感じ。
結構部品が多い。
日本製ではあり得ないほどの部品量だ。
無線系のICがこれ。
AMS A610XADとのマーキングがある。
発振周波数は315MHz帯だ。
腐食しているではないか。
スルーホールが緑青にまみれている。
とりあえず細い電線を突っ込んでスルーホールの掃除をしてみる。
タクトスイッチ側もこの通り腐食の痕がある。
というかスルーでつながっているのだから当たり前なんだけど。
これも国産品ならば防水コート位するでしょ、普通は。
発見した。
スルーホールが不良になっていたのではなく、パターンが切断していた。
おそらくはテストポイント用のパッド付近で腐食が起こり、パターンが薄くなって切れたか剥離したのだろう。
レジストはかかっていたがテストパッド周辺という事で金フラごと腐食したのか。
ここを細い線でジャンパする。
これによってKeyは正常に動作するようになった。
手元にコート剤がなかったので浸透性のシリコン系オイルを傷んだスルーホールに塗ってみた。
分解してみて解ったのだが、電池ホルダを取り出したそこに見える白いジュラコンチックなものには意味があったのだ。
私は不覚にも割ってしまったが、このパーツによって基板が抜けてこないように爪が引っかかっている。
が、その爪を押すにはフィルムのように薄くて丈夫な工具が必要かも。
パチッとはめるのは楽だが、爪を押す事は構造上結構難しい。
この白い部品の向かって左側、電池ユニットとの接触子がある側とキー本体(黒い部分)がラッチで止まっている。
理屈的にはこの白い部品とキー本体の間に薄い何かを突っ込めば爪が持ち上がって外れてくる。
だが、その何かを入れてくださいというような隙間がない。
上の写真で解るように私はこのほぼ中央から折ってしまった。
折る事でこのパーツがぐらぐら動くようになり、爪が外れたものと思われる。