- 2009年4月11日 11:16
ソフトバンクは何故ハイリスク金融商品に手を出したのか。
まあvodafone買収当時は米国発の金融危機など想像できるはずもなく、その時点でハイリスクであったとは認識できなくても無理はない。
リスクはあるがその分のリターンもある。
そう考えて投資を行うのが普通であり、その利益によって実質的vodafone買収額を低く見せることが出来るのであればOKだ。
ただでさえ高値買いしていて、その他に750億円分も余計な支払いが待っていたとすればさすがの孫さんも痛かったに違いない。
しかし結果はデフォルトで全額損失になってしまった。
投資の結果に対してもしもの話をしても仕方がないが、750億円の予算があれば数千基地局をHSDPA化出来たに違いない。
もっともその金を設備投資に回せば、だが。
世の中のLTE化の流れに対してSBMはHSPA+で行くようなことも言っている。
クアルコム系の松本氏は何としてもクアルコムに利益を誘導したいだろう。
HSPA+ならば通信方式はW-CDMAのままであり移行に金がかからない説もあるが本当だろうか。
HSPA+はHSPAよりも多値変調を行うのでエリア設計を見直さない限りにおいてはセル半径が縮小する。
また通信設備も入れ替えないで行こうとすると、出力が小さくなってしまうのでこれもセル縮小になる。
マイクロセル化を推進しようとするならばこれは必ずしも不利な方向に働くわけではないが、しかし設備費用がゼロで出来る話ではない。
SBMの場合はHSDPA化出来ない古い設備が多いので、これをHSPA+対応局に変えていく手はある。
しかしそうすると(孫さんのことだから例によって償却期間を延長し)7年以上もその設備を使い続けるだろう。
7年先、その頃はおそらく4G全盛期になっているはずだ。
もしも数年先のLTEを見据えるならば二重投資は避けられず、SBMの財務を圧迫する。
そもそもHSDPA化も進んでいないのにHSPA+など導入できるはずがない。
それは事実だ。
HSDPAよりも更にセル半径が小さくなるHSPA+の導入には、HSDPAで余裕のあるネットワークが必須だからである。
しかし残念ながらSBMは余裕のあるネットワークを持っていない。
地上系をIPにするとか、言うことだけは大きいがこれを実現するためにはIPインタフェース地上系を仕様内に持ったLTEが近道だという皮肉さだ。
孫さんはネットワーク構築に関して直ぐにでも出来て大きなメリットがある風なことを言い続けてきたが、実際には何も出来なかった。
HSDPA化で見ればドコモの3年遅れに近い感じであり、基地局数も増やせていない。
こうした進化をやめた現状に、おそらく750億円は重くのしかかってくるだろう。
そして損失はこれだけではなく不正契約に関する多額の損失など、ARPUが低い中で何とかやりくりしようとするも厳しい状態が続く事になる。
コメント投稿には JavaScript が必要です。ブラウザのJavaScript 機能を有効にしてください。
サインインしなくてもコメントの投稿は出来ます。
サインインしている場合はお名前などを入力せずに、そのまま投稿できます。
登録は簡単&それによって何かが起きるわけではないのでお気軽にどうぞ。
登録ページ書き込み→確認メール送信→確認メールのURLクリックで承認、の手順です。
確認メールに書かれたURLにアクセスしないと登録は完了せず、正しいログイン状態に移行できません。
コメント投稿完了までには少し時間がかかります。
二重投稿にご注意下さい。