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高速化への道


  • Posted by: F&F
  • 2009年10月 6日 10:50

3.5Gや3.9Gが来年以降続々とスタートする。
高速化は結構なことではあるのだが、各社の通信量制限はこれと相反するのではないのか。
高速通信化の開始で通信量制限が緩和されることを強く望みたい。

既にEMはHSPA+などのサービスを開始しており2010年1月以降は新帯域をも利用して実質パフォーマンスアップを図るだろう。
次にはSBMが12月からの試験サービスと2010年4月からの商用による1.5GHz帯でのサービス開始を予定している。
SBMの場合は予定と実際の乖離が度々見られるので始まってみなければ分からない的な所はあるが期待したい。
2010年7月になるとドコモがLTEの試験サービスを開始、同年12月には商用サービスを予定している。

年が変わって2011年の1月にSBMのLTEが試験サービス開始、同年7月には商用サービス開始としているがLTEなのかHSPAなのかよく分からない。
2011年の11月になるとauがLTEの試験サービスを開始、翌年12月に商用サービス開始とかなり出遅れ感がある。
2012年のauによるLTE商用サービス開始時にはドコモも1.5GHz帯でのLTEによる商用サービスが開始される予定で、これは1.5GHz帯の空きを待つ必要性からの日程となっている。

auはそれ以前にマルチキャリアによるRev.Aの高速化を行うが、これはいわゆるDC-HSPAに相当するようなものだ。
DC-HSPAとは複数セルからの信号を受信して合成するもので帯域利用効率が上がるわけではない。
(多値変調による上昇分を除く)

HSPA+やDC-HSPAに関してSBMは松本氏とクアルコムの関係、さらにはEMが商用サービスを行っている関係からも実現の可能性は高いと思う。
特に汚れていない1.5GHzならばDC-HSPAの可能性も高くはなるが、基地局密度が低いとどうにもならない。
もう一つはセクタ分けの関係で、マイクロセルに向かうかマルチセクタに向かうかしないとパフォーマンスは出なくなる。
これは周波数帯域が有限なのだから仕方がないし、複数セルまでをも占有してしまおうとするのだから余計に効いてくる。

この点では帯域に余裕のあるEMが一歩リードしそうな雰囲気だ。
エリアカバー率も90%に達していると言うことであり、SBMのHSDPAエリアよりも広いと思われる。

HSPA系では現状の16QAM(4Bit同時伝送)から64QAM(6Bit同時伝送)にすることにより14.4Mbpsから21Mbpsへと速度を向上させる。
当然多値変調を求めれば要求S/N比も上がることになり、16QAMに比較すると64QAMでは6dB(4倍)以上の電界強度が必要とされる。
そう考えるとマイクロセル採用エリアでは64QAMは使えても、移動時やセルエッジなどで64QAMを使うことは相当難しいだろう。
従って64QAMで21Mbps、それを2MIMOで42Mbps、さらにDC-HSPAで84Mbpsというのはまさに計算だけの話になる。

HSDPAは14.4Mbpsまで使えるのになぜ各社はこれを使わないのか。
HSDPAの速度は利用コード数なので、速度を上げるとセル内利用者数が減る。
つまり、14.4Mbpsは実用的ではないと各社は判断したのではないだろうか。
速度が実用的でない割に消費電力は2倍となるとお得な感じはしないからだ。

では7.2MbpsのHSPA+版はというと約11Mbpsとなる。
MIMOは難しいとしてDC-HSPAでその2倍の22Mbps、このあたりが実用的な落としどころではないかと思う。
もちろんMIMOが出来ればそれでも良いがSBMの基地局はドコモと違い送信系が1つしかないのでさらなる設備投資を必要とする。
隣接基地局でMIMOを行うならばDCの方がパフォーマンスが出るし端末の消費電力的にも有利だ(ただし周波数利用効率は半分になってしまう)。

こう考えると、ドコモがHSPA系を持続させずにLTEに向かうのは必然だったのかも知れない。
つまり労多くして功少なしなのではないか。
EMの場合は豊富な帯域や新たなセル設計も相まってのHSPA系継続利用の方針なのかも知れない。

   

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