西東京市に行く(1)

原付で行ってみたかった所、そこは現西東京市である。
私が生まれ育ったのは旧保谷市であり、その後横浜に移り住んで以降も仕事の関係で田無市（両市合併で現西東京市）にいた。

保谷市にいたのはもうずっと昔の話であり、今その場所がどうなっているのか見てみたかった。
しかしあのあたりは狭い道も多く、何年か前に車で行った事があったのだが近くにまでは入れなかった。
横浜からはおよそ片道60km、原付で行くには遠いが車で行くのも同じように遠い。
環七や環八を回るにしても渋滞が激しく、調布を通っていくとしても同様だからだ。

小春日和の、いや違うな、春なのだから小春日和とは言わないか。
ま、そんなある日西東京市に向かって原付を走らせたのである。

上麻生道路を北上すると国道246号の手前に地下鉄の駅が出来ている。
地下鉄、地下鉄なのだがこのあたりは地上区間なのか。
確かに地下に電車を走らせるより高架で露出させた方が目立つ。
不倫裁判で有名？になった中田元横浜市長が地元まで赤字を延ばした市営地下鉄グリーンラインだ。

246号線を越えると、この道も広くなったなという感じで百合ヶ丘方向へ。
あのあたりには知人がいたので土地勘がある。
バブルの頃、いや、もっと以前かな、ドラマの舞台となった事から人気の出たエリアながら駅から遠いこともあってその後廃れた。
今ではマンションは過疎化が進み、戸建ても空き地が増えた。
ツタの絡まる喫茶店はもう何年も客を招き入れていないかのごとく、朽ち果てている。

高級住宅街を維持するために土地の分割は許さないとする町内規約が流動性を阻害した。
大きな区画の邸宅が並び、アパートなどのない綺麗な町並みも数十年の時を経れば様子も変わってくる。
スーパーは撤退し、銀行は出張所に格下げされた。

続く…