ガラスフィルム(2)

カッターナイフの刃を立てても、刃が滑るだけで傷など付かないだろう。
ガラスフィルムはLYCOMのもので9Hの硬度が謳われているのだから。

しかしそんな期待は一瞬で打ち砕かれる事になり、軽く当てたカッターの刃がガラスフィルムを切り裂いて行くではないか。
切り心地は雲母のような、何層かになっているような、そんな感じである。
力を入れて押し切っていく感じではなく、カッターナイフの刃を当てれば切れていくという感じ。
力を入れればすぐ貫通させる事が出来る。

ガラスフィルムを手で180度折り曲げてみたが割れる事はなかった。
表面硬度は普通のプラスチックフィルムよりは固いと思うが、その程度である。
このガラスフィルムは一部がへこんでいる。
おそらくポケットに入れてスクータで走っている時にカナブンか何か固い虫でも激突してきた痕だろう。
端の方は少しひび割れたように、顕微鏡で見るとガラスっぽく割れている。

素材的にはガラスの仲間だとは思うのだが、柔軟性などから言って軟質なガラス素材だと思う。
表面硬度が高くても圧力を加えれば切れるというか割れていくことはある。
しかしカッターナイフの刃を当てた感じでは固いものという感じはしない。
裏側は飛散防止フィルムになっていると思われ、確かに裏側の方が傷つきやすいのは事実だ。
裏側と表面をカッターナイフで傷つけてみると裏側の方が傷は付きやすかった。

ただし傷の付き方には差がある。
ガラス面は削れるように、切れるように傷が付くがプラスチック面は傷が付くというよりへこむのだ。
切れ味の悪いカッターではティッシュペーパーが切りにくいのと同じで、へこむが切れにくい。