住み替えまでの道(1)
★ 今住んでいるところ
今住んでいる住宅は1992年に購入したものだ。
当時はバブル崩壊で住宅価格が急激に下がり始めた頃で、30坪ほどの土地と家で6千万円くらいが相場だった。
これでもピーク時に比較すると1千万円以上は安かった訳で、迷ったあげくに購入した。
ちなみに当時の貸付金利は7.8%だったから、30年ローンを組むと返済額の合計は借入額の3倍近くにまで膨れ上がった。
当時私は独身だったので、家の広さにはこだわらなかったし車も一台置ければ十分だった。
そして1999年、景気は更に悪化し続けて住宅価格はピーク時の半分以下になった。
と言っても住み替える場合には(今住んでいる)住宅の売却価格も安いわけだから、新規購入者のようなお得感はない。
結婚もして子供もできると今の家では狭くなってくる。
今の家は1FがDK7.5+L7+風呂/トイレで2Fが6+4.5+4.5なのだ。
車も一台しか置けないので妻用車は駐車場を借りている始末。
場所的には横浜駅から8Km程西に行ったところで、駅からは徒歩18分(毎分80m歩けたとする表示で)だから、駅から歩けば健康にはきわめてよろしい。
駅からは少々遠いが、学校も病院もスーパも公園も近くにはあり、住んでみれば余り不便を感じない。
最近になって家の南側の古家屋が取り壊されて駐車場になった。
推定150坪の駐車場なので開放感はバツグンである。
新規物件を購入するときに今の家を残すか売るかは迷ったが、持っていても今後値上がりする可能性は少ないし売れば資金的に楽になる。
ここの家は築10年になるのだが、幸いにして売値はそこそこの値段に設定できた。
勿論売れなければ値下げすることになるが、少し離れた場所の建て売りと同じ位の値段で売れそうなのは有り難い。
★ 物件を探す
家の買い換えを考え始めたのは1年ほど前からだ。
チビも成長してくるといずれは子供部屋も必要になるだろう。
車も2台以上を敷地内に置きたい。
住み替えるにしても今より不便な場所はイヤだし、出来るならもう少し駅に近いところが良い。
かといって駅に近すぎる場所は住むには不適当である。
だから今住んでいる付近から少し駅に近づいたが所が良いのだが、この辺りは売り地が殆ど出ない。
大抵は建て売りが作られて売られるが、建て売りだと間取りが気に入らない。
それに建て売りだと30坪前後が多く、車2台はとても無理(少し離れた場所だと容積率が緩和されて3階建てが建つから1F部分を駐車場に取れる)だ。
そんなときに今住んでいる場所から駅の方向に数百メートル行ったところに売り地(ただし建築条件付き)が出た。
横浜は山が多いのだが、そこは旧分譲地内なので平坦である。
地価は坪95万円を超える。
この辺りの平地としては妥当だとも言えるがやはり高い。
建築条件付きだからハウスメーカは選択できない。
とりあえず、この44坪の土地にどれほどの家が建てられるのか見に行ったのが事の始まりだった。
★ 物件を見る
この場所は某電気会社の寮だった場所である。
不景気のためか寮が取り壊されて3分割されて売り地となったのだ。
某電気会社は倒産したわけではないので登記簿は綺麗なものである。
当該地は道路が西になるし分譲地内だから住宅がぎっしりって感じ。
ただし37坪以下には分筆出来ないようなので、一定以下の規模の住宅は建てられない。
建坪率は50%で容積率が80%、だから必然的にギッシリ詰めれば車が4台ほど置けるスペースが空く。
(接道面9m弱)土地や家を買うときは勢いが必要だ。
同じものは二度と無いし、どこを選んだとしても不満はあるだろう。
駅から遠い山の上を選べば安いし景色はバツグンである。
でも生活には不便だ。
角地で南道路なら開放感はあるが、この辺りでそんな土地はまず(売り地として)出てこないだろう。
今住んでいるところから駅と逆方向に数百メートル行ったところに、角地で50坪程度の売り地が出ていた。
山の上なので景色はバツグン、富士山も見える。
道路は南と東になり、西側は崖なので3面が解放されている感じだ。
ここは坪単価が80万円くらいで手頃と言えばそうなのだが、何せ崖の上である。
バス停に行くにしても駅に行く(徒歩25分以上)にしても買い物に行くにしても急な坂道が待っている。
西面は垂直に造成されていて、下の家との高低差は8m程度ある。
大雨で崩れることはないだろうが地震が来たらちょっと恐い。
駅からも遠い。
結局崖は崖でしかないと言うことか。
崖の場合には立て替えや建て増しの時にも制限を受ける場合がある。
(買った部分)毎週末に入って来る不動産広告を見て思うことは「出物など無い」って事だ。
条件の良い土地は広告が出る前に売れてしまうし、或いは不動産屋が買って建て売りにしてしまう。
不動産屋に良いところがあったら知らせてくれるように頼んではみたが、それでもなかなか気に入った場所は見つからなかった。
実は今住んでいるところの向かい側に100坪ほどの古屋付き物件が売りに出た。
価格は6千万で地価からすれば格安なのだが、東側が山で造成も必要なことから建て直すとなるとかなりの金額が必要になるだろう。
(横浜は斜面造成基準が厳しい)その為かこの土地は売れず、結局は不動産屋が買って造成後半分に分けて分譲した。
造成は地下水のために深い穴を掘って石を入れて埋め直したり、よう壁を作ったり、接道面が3m程しかないので私道を一部作ったりの工事だった。
このように安い土地は安いなりなのである。
平坦地で日当たりが良くて駅に近くて..と条件を付けると坪当たり100万円では買えなくなる。
ちなみに坪100万円を出せば東京23区の西の方(練馬あたり)でも土地が買える値段である。
傾斜地だと地下車庫も造りやすくなるが、車庫と家屋が平面でつながっていないのは不便な面も多い。
地下車庫の上を庭にする場合には、排水と防水工事も必要になる。
また大型(間口の広い)の地下車庫はコストも高いし、実は容積率の計算対象にもなるのだ。
★ 値切りと契約
この44坪の土地、ちょっと割高感は否めないが他に気に入った物件があるわけでもない。
今住んでいる場所から離れれば選択肢は増えるが、スーパもディスカウント店もコンビニも銀行も郵便局も病院にも不便を感じないし、チビの友達も多いこの土地から離れるのはちょっと考えてしまう。
住んでいる場所を変えるには下調べも必要だ。
そばに川があれば氾濫するかも知れないし、浸水するかも知れない。
崖があれば崩れるかも知れない。
広い道路があれば暴走族騒音に悩まされるかも。
駅までの道のりや車で出かけるときの混雑具合、住宅街の中が抜け道に使われていないかとか、学校や学区がどうなっているかなど結構面倒である。
だったらこの土地を値切って買おう!と思ったのだが、これが渋くて参った。
どうせ売れ残れば値下げするわけだし、今後地価が上がることは無いだろう。
だったら少し待って、値が下がったら買おう..と思っているところに限ってすぐ売れてしまったりする。
不動産屋によると「地価は変えられないので、売れ残った場合には建築費の安いハウスメーカに変えて建築条件付きで売り出し、それでも売れなければ建て売りにして売る」そうだ。
値切りに関しては「手付けを多めに払う」事で、やっと100万円下げて貰った。
その代わり手付けは3百万円払った。
契約自体は仲介が中規模の不動産屋だったのと、家を買うのがはじめてではなかったので迷うところはない。
住所と名前を書くところが多いので「ハンコ持ってくれば良かったな」と後悔した程度だ。
外構工事を含めた総予算を当初は6.5千万くらいに見積もっていた。
しかし最終的には1千万円以上オーバしてしまった。
土地や家本体以外のカーポートとかカーゲートとかエアコンとか床暖房とか..そう言う費用がバカに出来ない。
家本体も標準プランより拡張しているし、各部にワガママを入れたので仕方ないか。
しかしこれ以外にも引っ越し費用やカーテン、照明器具、買い足す家具などの予算が必要になる。
★ 建築条件付きって何だ?
建築条件付きの土地というものがある。
これは土地だけ買うことは出来なくて、業者指定の工務店なりハウスメーカで家を建てなければいけないと言うことである。
家自体は自由設計というか注文建築は出来るのだが、ハウスメーカは指定されている。
容積率からして35坪ほどの家になるわけで、自由にレイアウトできるほどは広くない。
低層住宅専用地域なので3階建ても無理だし北側斜面で(屋根の高さを)切り取られる場所も出る。
で、色々考えてみると1FはK+LDで約19畳が取れて、玄関/玄関ホール/風呂/洗面所がそれぞれ1坪、そのほかに4.5畳の和室(物置になるに違いない)が取れた。
2Fは8畳+6畳+6畳+4畳+3畳の収納と2畳の収納とトイレが全てである。
やはり35坪程度だと色々制約が厳しい。
利点は鉄骨構造なので壁などが自由に作れる点だ。
しかしこれでも家代は2.5千万円を超えている。
例え広い土地があって広い家を建てようにもフトコロ事情が許してくれそうにない。
家代の中には床暖房や天井埋め込みの照明器具などは含まれてはいるが、外構工事にも200万前後の予算が必要だろう。
★ 家と構造
指定されたハウスメーカは鉄骨構造住宅メーカである。
鉄骨構造住宅は最近増えていて、
機械設計で強度計算が楽だとか柱の数を少なくできるとか、高耐久住宅を造りやすいと
か、高級木造住宅より安く作れるとか、そんな理由がある。
(高耐久住宅+バリアフリー設計で公庫融資額が増額できる)
鉄骨パネル構造の家では、木造と違って柱の数をかなり減らすことが出来る。
例えば1
に付いている構造材としての柱は数本で、あとは鉄骨パネルであるから内部の仕切などは自由に出来る。
フレーム構造ではあるが、外壁(と言うか鉄骨パネル)が強度を持ったパネルであることを考えるとモノコックみたいな考え方なのだろうか。
柱と梁の直角接合で強度を持たせるラーメン構造は、接合部強度を出すのが困難な木造では実現が難しい。
2Fの床下の構造(防振材の厚さは数cm)組立工数の低減と強度設計の容易さから、鉄骨構造住宅と共に増えているのが2×4(6)工法である。
これも鉄骨住宅同じプレハブ構造なのだが、鉄骨の代わりに木材が使われている点が大きく異なる。
いずれにしても工場で組み立てられたパネルや構造材を組み立てて行くだけなので、作業者による品質ばらつきが少ないとか工期が短縮できるなどのメリットがある。
2×4(6)に似た工法で木質パネル構造というものもある。
一般的にこれらは開口部を大きく取りにくいことと湿気に弱いところがある反面、耐震性や耐熱性に優れると言われている。
高気密住宅や四角くない家などは2×4(6)の得意とするところだ。
パネル工法はパネル自体が構造材となっているので、広い部屋や大きな開口部は取りにくい。
鉄骨構造は間取り自由度は高い(ただし総2階で四角い家)が振動を伝えやすい特性があり、その為に上の写真のように防振材が床下に敷かれているわけだ。
鉄骨構造でも軽量鉄骨や重量鉄骨、鉄骨パネル工法などがありそれぞれ特徴がある。
ラーメン構造は柱の接合部が変形しないことで力を分散する方法で、鉄骨構造のメリットを生かしたものといえる。
鉄骨構造は昔は高いイメージ(材料が高かったらしい)だったが量産効果によって、破材を継ぎ合わせた建て売り住宅より金はかかるが、高級木造住宅より材料費は安いレベルになった。
ちなみに建て売りの場合は建物の坪単価が30万円かかっていると高い方だそうである。
逆に高級注文木造住宅では坪100万円以上する場合もある。
太い木材は高価なのだ。
特に仕切(柱)の無い広い部屋を取ろうとすると、太い材木の梁と柱が必要になり価格はすごく上がってしまう。
最近では梁に鉄骨を使うハイブリッドもあるそうだ。
(ここで言う坪単価は建物単体価格ではなく、最低限の設備を含んだ家としての価格である)これらの工場組立型の工法は、クレーンなどが入れる場所でないと建築が出来ない場合がある。
道路が狭い場合は注意が必要だ。
木軸組工法では設計や現場の人間の技術が出来上がりの品質を決めるところが多々ある。
材料の品質から建築技術まで細部に渡って十分検討されていれば良い家が建つわけだ。
逆に手を抜こうと思えばいくらでも手抜きが出来る。
工場組立型のプレハブ構造では現場作業者のレベルが問われにくい反面、どうしても割高になってしまったり色々な制約を受けるのは仕方ないことだろう。
ちなみに今建てようとしている住宅の坪単価は70万円を少し超える程度にまで上昇した。
元々は60万円コースだったのだが、後から工事できない壁や床暖房や組込み照明や作りつけの収納などを追加した結果がこれである。
木造住宅との違いは基礎部にも現れる。
木造住宅だと鉄筋コンクリートの基礎を柱の位置に合わせて作るが、鉄骨構造だと(極端に言うと)外壁面の下だけって感じだ。
あとは重量鉄骨でフレーム組が行われているだけ(床を支える鉄骨は必要)である。
基礎部はコンクリート仕上げなので、床面までの隙間は物置に使える。
(笑)基礎部の高さが75cmあって、コンクリート面から床までが60cm強である。
ちなみに一般にベタ基礎と言われるのは基礎部全体が鉄筋コンクリート構造のものだそうだ。
鉄骨構造の場合には基礎部分の重量鉄骨を支持する部分は当然ながら鉄筋コンクリートで作られ、更に地盤によってはコンクリート製の杭を打ち込むらしいがそれ以外の部分は(いわゆるベタ基礎より)強度を落としたコンクリート基礎らしい。
★ 間取り設計
注文建築をする場合は、各自のこだわりが設計に盛り込まれることになる。
広い和室が欲しいとか屋根裏部屋を作りたいとか、リビングは吹き抜けにしたいとか。
私の場合にはリビングを広く取りたかったので、これを1Fで最大限に取った。
もちろん駐車スペースを減らせばもっと大きな1F面積が得られたのだが、そう言うわけにも行かない。
玄関までのアプローチを無くせばギッシリ詰めて4台の車が置ける接道面があり、玄関までの所を駐車スペースに割かないとして、車一台あたり3mの幅を見ると2台しか止められない。
だから1F面積は今以上に広くは取れないわけだ。
玄関周りも広めに取った。
いや、大型住宅にお住まいの方から見れば決して広いわけではないが、玄関自体が1坪、ホールが変形2.5畳分程度だろうか。
その代わり1Fの和室は4.5畳とした。
ここは物置くらいの役目にしかならないはずだから。
2Fは寝室に8畳、子供部屋6畳×2、書斎と称する物置部屋に4畳、他に収納部屋が2畳と3
畳とトイレが全てである。
車置き場は意外に場所を食う。
長さ方向は6m程度は必要だし、幅方向も1台あたり3m無いと不便である。
カーポートは柱が無ければ立たないし、ゲートを付けるにも場所が必要である。
せめて土地があと10坪広かったら、と思うが土地の値段を考えると贅沢は言えない。
家らしい家を建てて2〜3台の車を置ける土地面積というと、やはり70坪くらいは必要なのではないだろうか。
つまり今回購入した土地を2区画分買わなければいけないと言うことだ。
ま、1.5億円くらい予算が取れるならこれも可能だろうが、2世帯住宅や親子ローンか、或いは財産を相続でもしない限り不可能だろう。
ちなみにウチの実家はサラリーマン家庭なのと両親共に元気なので相続は起きそうにない。
★ ハウスメーカと打ち合わせ
間取りが決まると色合わせの作業が待っている。
壁の色、床の色、照明器具の場所、風呂やトイレの色からタイルや屋根の色まで1日がかりで決めていく。
これらの仕様はA2版の用紙数枚ほどに記入され、図面と共に控えが渡される。
ハウスメーカは施工後のトラブル防止のため、仕様や図面の確認は徹底している。
余談になるがハウスメーカは強度や耐久性などにかなり余裕を見た設計を行うそうである。
メーカによって異なるが50%〜150%増しで設計するらしい。
だから10年保証などと言うことが可能になるのかも。
もっとも10年程度で不具合が出ることは(普通は)無いと思うが。
とにかく引き渡し後のトラブル防止のため、色々手続きは厄介だ。
仕様変更が起きるとその都度仕様書?と図面が書き直される。
工務店経由の住宅建設では「その場で相談」って事もあるわけだが、ハウスメーカがらみではレスポンスが悪い。
と言うか、「その場で相談」を無くすための仕様確認な訳だが..仕様が出来ると見積もりが出る。
標準モノから削除した部分は安くなり、追加した部分はそれが請求される。
これも工務店+大工の場合には仕様追加がサービスされたりする場合もあるのだが、ハウスメーカの場合は難しいようだ。
例えばキッチンだが、メーカを変えたり色や仕様を変えると差額が出る。
一つ一つは大した額ではないのだが、それが全体となると数十万円になることも。
照明器具もハウスメーカで付けて貰う埋め込み灯などは定価の75%にしかならない。
自分で買えば定価の半額近くなのに..
★ 仕様を決める
自由設計ってヤツはこんなに決めることが多いのか。
■床
床はフローリング主体だが、木の模様?や色が選べる。
実際その家に住んでしまえば何色でも気にならないものだが、選ぶ段階だと迷ってしまう。
明るい色の方が部屋が明るく見えるが、暗い色の床の方が人気があるそうだ。
そこで1
は明るめの色に、2Fは少し暗めの色にすることにした。
1F/2Fで色を変える場合には、階段は1Fの床色に合わせる。
なお床暖房を行う場合には耐熱性の床材が必要なのでご注意を。
床にも接着剤が使われるので「健康仕様」と呼ばれるものを選ぼう。
■壁
壁は石膏ボードに壁紙が貼られる仕様だ。
最近の傾向として壁から天井までつなぎ目無しで壁紙を貼ってしまう。
もちろん壁と天井の間に木などを入れることも可能だ。
これも含めて壁紙の仕様(防水や防カビ)や色を決める。
何せ壁紙の種類が多いし、実際に部屋が出来ているわけではないので無難な色を選ぶことになる。
壁紙の寿命は5〜10年である。
リフォームの時に張り替えを行うわけで、壁紙選びに失敗したとしてもリフォーム時に直せばいい。
一般的にデコボコの多い壁紙の方が仕上がりがキレイ、と言うかごまかしが利く。
平坦な壁紙は掃除は楽だが経年変化による浮き上がりなどが目立つ。
防かび防水タイプや吸排湿タイプなどもあり、場所によって変えていくのが予算の節約になる。
壁紙は接着剤などのニオイの元なので、いわゆる「健康仕様」と呼ばれるものを選ぼう。
石膏ボードは釘が立たない。
釘打ちが必要な場所やタンスの倒れ止めなどを予定している所には補強剤を入れて貰おう。
もっとも大地震の際には壁ごと抜けてくると思うけどね。
■トイレ
便器の色や形を決める。
白やグレーが無難だが、緑や青やピンクも選べる。
便器の色に合わせて壁紙の色も決めよう。
トイレの中に収納があると便利である。
壁の厚みを利用した収納ボックス(壁の厚みは15cm程度)もあるので作りつけよう。
掃除用具やトイレットペーパなどのストックを入れておくために、ウチでは少し大きめの収納を付けることにした。
2Fのトイレは壁中収納のみだが、1Fは階段下を利用して収納を付けた次第だ。
シャワートイレも選択できて、実は後付けするより高いのだが見栄えは良い。
照明器具や窓の位置も考えなくてはいけない。
■風呂
いわゆる1坪タイプが主流である。
バスタブなどの色も数種類ある。
窓やバスタブの向き、給湯器の容量などを決める必要がある。
面積を節約するなら3/4坪タイプもある。
これに出窓を付けると1坪タイプに近い開放感が得られる。
浴槽の大きさは大きいに越したことはないが、これも浴室面積との相談である。
浴室や浴槽が大きければ冬場など浴室全体が暖まるまでに時間がかかるし水道代も増える。
洗面所も洗濯機や乾燥機を置くことを考えると1坪は欲しい。
1.5坪取れればいいが狭い住宅でこれは不可能だ。
ウチでは浴室も洗面所も1坪とした。
■照明器具
予め照明器具を取り付けておく必要のある、居間などのダウンライトや階段の照明器具などを決める。
玄関ホールや外灯も決めなければいけない。
ここで洒落た照明器具の値段に目が飛び出すこと必至である。
ぜひ眼帯を用意しよう(?)消費電力量を考えると電球型蛍光灯を使いたくなる。
最近の照明器具はこれが使えるようになっているものも多いが、点灯まで(照度が上がるまで)に時間がかかる点に注意が必要だ。
天井埋め込み型は発熱の関係で、指定以外の電球が使えないものもある。
調光機能を付けると電球型蛍光灯は使えない。
■屋根
屋根はスレートってヤツである。
色々な仕様や色があるが、黒は色あせが目立ちやすい。
古くなってくると白っぽくなるのだが、それが均一に白くならないので目立つのだ。
果たして黒以外の屋根材の耐久性がどうなのかは分からないが..私は黒に近い緑を選んだ。
果たして耐久性はどうなのだろうか?太陽熱温水器を設置したり太陽光発電を計画中なら(光熱費の元は取れないと思うけどね)屋根の補強が必要だ。
後工事だと金額が余計に必要なので、この点も考えておこう。
隣の家の塀や植木を破壊しないためにも雪止めは必要だ。
これは北側と東側(隣の家に近い)に付けることにした。
たいした値段ではない。
■外壁
サイディングと呼ばれるパネルである。
コンクリートだかモルタルだかのパネル表面に柄が印刷されて、それが木材のパネルに接着されている。
当然高価なものほど見栄えが良い。
安いものだとプラスチック然としている。
外壁は耐久性も大切だ。
モルタル塗りの壁なら10年以上はノーメンテナンスでも行けるが、サイディングは色あせなどが起こる場合が多いそうである。
ここではフッ素樹脂塗装の高耐久パネルを選んだ。
何種類かある中で質感の高いものを選んだつもりだが、果たして出来上がりはどんな風になるのか。
他にも乾式タイルなどが使える。
煉瓦や石造りをイメージさせるアレである。
この手は大きな家ほど見栄えがするというわけで、我が家にはミスマッチ。
■タイル
玄関やベランダ?部分の床はタイルになる。
これも山のような種類があるので選択に困る。
濃い色の方が見栄えが良いのは床材と同じなのだが、濃い色は砂埃などが目立つので掃除好きの方にしか勧められない。
薄い色は玄関が明るく見えるので良いが、これも好みである。
■電気配線
電気配線も決めなくてはいけない。
私は各部屋ごとに別配線(別ブレーカ)として、さらに各部屋ごとにクーラ配線を引いたのでブレーカの数はすごく多くなった。
他にもT
やBS/CSの配線、電話、LANなど必要なものは全て決めてしまう。
1.6mmの配線で供給できる電流は15A程度である。
指定しないと1.6mmの線にも関わらず20Aのブレーカが付いていたりすることもあるので注意。
ちなみにウチは各部屋+各部屋用のクーラ+食器洗浄機や電子レンジなどを全て別の専用配線で引いた。
LAN用はパイプを通して貰って、壁にはRJ48のモジュラを付けて貰うだけにした。
配線自体は後から自分で行う。
一応各部屋にLAN配線は付けたが、無線LANも価格が安くなっているので余り気にしなくても良いかも知れない。
逆に電話の配線は少なくしている。
今でもコードレス電話を使っているので部屋ごとの配線は不要なのだ。
■クーラなど
クーラなどの取付位置も考えておかなければいけない。
私はドアや窓の高さを2mとしたので、窓と天井の隙間(40cm程)にクーラを付けられなくなった。
窓の上にはカーテンレールもあるので、残るスペースは30cm以下になる。
リビングを冷やそうと思うと4KWのクーラでは足りないかも知れない。
そこで4KWのものに加えてキッチンを冷やせるように2.8KWのものも取り付ける予定である。
広い和室には床置き型のエアコンを設置する場合もあるだろう。
この場合は配管を床下から抜くので基礎部に貫通穴が必要になる。
基礎には鉄筋が入っているため後工事は厄介である。
■家具など
家具を作りつける場合は別として、その他の場合には買わなくてはいけない家具も増えるだろう。
逆に家具に合わせて壁寸法なども決めることが出来るのが(壁位置の自由な)鉄骨構造のメリットでもある。
家具や冷蔵庫などの寸法を調べて、それに合わせてキッチンの壁位置などを決めよう。
ピアノなどを置く場合には床補強が必要な場合もある。
補強までは必要なくても置く位置や向きに制限を受ける場合がある。
私の場合には水槽を置く関係でリビングの一部を耐荷重600Kg以上の棚を作ることにした。
もちろん温水を含む給排水設備も取り付けた。
水槽クーラなどを床下に置くための加工も行った。
デザインと価格で人気のある輸入家具だが、これらの寸法に合わせて壁などを設計するのも良いかも知れない。
★ 外構工事
家で予算を全部使ってしまうわけには行かない。
塀や門扉やカーポートも作らなければ
いけないのだ。
例えばフェンスにしてもアルミ鋳物タイプを使うと1mあたり(定価ベ
ースで)3万円以上の金額になる。
これに化粧ブロック工事も含めると16+m×9mの敷地
を「コ」の字型に囲っただけで100万円以上になる。
門扉にしても安くはないし、カーポートやカーゲート、車を置く部分のコンクリート打
ちを合わせれば200万円近くは見ておかねばなるまい。
ちなみに部材の定価と売価に
は倍以上の開きがある。
ちなみに車を置く部分をコンクリではなく石やタイルにすると、見栄えと引き替えに数
十万円の予算が必要になる。
外構に関しては未だ計画の域を出ていない。