金は出さないが口は出す(11/27)
◆ 国や自治体が管理責任が問われる事が多く起きている。四日市市の地下駐車場問題もそうだし、群馬県の寺問題もある。群馬県の寺の境内の所有は寺なのだが、国の史跡に指定されたことで群馬県太田市は境内を市の公園と位置づけた。市の公園なので公園を案内するのも市の関係者だ。
◆ この池の石垣が3.11の地震で壊れたそうで、更には最近になって揚水ポンプも壊れた。そこに追い鬱をかけたのが今年の猛暑と小雨で、境内の池が干上がってしまった。太田市は池の修繕を行うのは持ち主であるとして、市は関係ないとした。寺の住職は市の公園なのだから市に管理義務があるという。
◆ 池の水が涸れたために草が生い茂り、それに関しても市は放置を決め込んだそうだ。しかし法的には市が草刈りを行わなければいけないことが分かり、草刈りを検討するとしたらしい。ちなみに草が生えて管理が必要だよと住職が市に言ってから、3ヶ月以上放置されていたそうだ。市によると国の史跡だから検討に時間を要したとのこと。市の公園に指定して市の管理下に置くが、金は出さないよと言う事か。
◆ 町内会や自治会問題がある。伊豆市は町内会や自治会単位でゴミ収集を行うとしていて、自治会のない地域のゴミは収集しない。これに関して法的根拠はあるのか問い合わせたところ「法的根拠はない」との回答だった。法的根拠がないのに何故自治会を必要とするのかに関しては「そう決まっているから」だそうだが、いつ誰が決めたのかは「お答え出来ない」そうだ。
◆ では自治会を個人で名乗れば良いのかという質問をしてみると、「自治会に関する規定があるのでそれに従って頂く」という。自分たちの都合によって法に基づかない決まりを作ったり、法律や条令を持ち出して遵守を押しつける。
◆ こうした町内会や自治会は解散が相次いでいる。町内会の仕事は自治体からの指令通りに動くことにある。自治体が言ってきたお知らせや伝達事項を各戸に伝達しなければならず、各戸の様子の報告などもある。道路のゴミ拾いも、ゴミ集積場の管理も、全て町内会任せだ。自治体は町内会を手下のように使うが、報酬は勿論ゼロだ。こうした事や町内会員の高齢化により、いつまでも市の手伝いは出来ないとなってきた。
◆ そもそもゴミの収集は有料化が進み、税金の二重取りのような事が起きている。それに加えてゴミ集積場の管理となれば、だったら自分たちでゴミを捨てに行くから税金を安くしろと言いたくもなる。実際民間のゴミ処理業者に任せた方がコストが安いそうだ。自治体によってはゴミ集積場を提供・管理している人や団体に対して年間数万円を払っている例もあるが、伊豆市は払っていないと思う。
◆ 町内会を解散したらゴミ収集はやらないぞと自治体は言う訳で、実際に町内会のないところはゴミ非収集エリアとしているそうだ。これに対して裁判で争った例がいくつかある。判決は概ね市にゴミの収集を行うように命じている。従ってゴミの収集を行わないことが違法とされるわけだが、自治体としては訴えられたらその時に考える、みたいな感じなのだろう。
◆ 町内会と住民の争いもある。何に使われているのか分からない町内会費を払いたくないという事で町内会を脱会したいというと、町内の道路の管理は町内会が行っているものだから、道路は使うなと言われたとか。実際には市道なのだが、清掃などの管理は実質的に町内会が行っているから、会費を払わないヤツは家から出るな的な紛争になる。