バブル経済はどこも同じ(2/5)
◆ 中国における不動産バブルの崩壊は日本のバブル期と同じような経過をたどっている。銀行から金を借りて土地を買って建物を造るわけだが、建築計画が出来たところでその建物を分譲開始する。実際には未だ工事も始まっていないうちから分譲し、資金を回収する。

◆ 資金が回収出来たら次の物件の土地を探し、建築を開始する。これも同じように建物がないウチに分譲を開始して資金を回収する。最初に建築を開始した建物が完成すると(本来は分譲してしまっているのだが)どんなトリックを使うのかは分からないが、それを担保にして金を借りる。

◆ こうして莫大な資金量と現物がない状態での売買、権利関係が複雑なビルやマンションがあちこちに出来始める。中国ではこれに加えて手抜き工事が普通に行われる。手抜き工事に関しては日本も似たようなもので、高度成長期には散々行われてきた。中国が日本の真似をしていると言うよりも、成長期における成長の手法というか戦略は同じという事なのだろう。

◆ 不動産はその額や規模が大きいので問題視されるが、例えば中華EVに関しても同じような事が起きている。新興EVメーカは造れば売れるとあって低品質な製品を作って売ってしまう。低品質というと怒られそうではあるが、既存メーカにしてもこれは同様だ。作れば売れる時代だからどんどん作って売っていく。しかしEVバブルがはじけた後は大量の在庫に悩まされる。

◆ EVは発展途上であり古くなるのが早い。不動産も人気が失われれば一気に価値が消失する。テスラは度々値下げをするが、これはマンションの値下げに対して最初に高く買った人が反発するのと同じ結果を招く。

◆ 不動産とEVが同じとは言わないが、正常な需給バランスを超えて売れた分は正常ではなかったと言う事だ。中国経済の減速や不動産の後始末をどうしていくのか、日本でもバブルの後始末には(結局)巨額の税金を使う事になった。更にはその後の経済回復ペースが極度に鈍化したために、世界に後れを取るまでに衰退した。

◆ 中国の場合は一人っ子政策による急速な高齢化と人口の減少が待っている。中国では1970年前後にベビーブームがあったが、人口の爆発的増加による食糧難を心配した政府が一人っ子政策を打ち出した。これによって人口の増加が抑制されたのだが、人口ピラミッドの形状が変化し始める事になる。

◆ 現在の中国人口分布は30歳代と50歳代が多く60歳代が少ないのは、1958年から1961年頃まで続いた大躍進政策の失敗、史上最大の人為的飢饉と呼ばれる事象によって数千万人の命が失われた結果だ。この時期は出生率も(当然ながら)減少し、それが現在の60歳代の人口が少ない事につながっている。

◆ 50歳代と30歳代の人口が多いのはベビーブームの影響で、その後の人口が少ないのが一人っ子政策によるものだ。この50歳代が高齢化する頃になれば中国経済は更に足を引っ張られる事になるのだが、中国の事だから高齢者の人為的排除を行う可能性もある。これは日本でも同様で、一時期は東南アジア各国に高齢者を"輸出"する事を行っていた。

◆ 土地の面積は一定なので人口が増えれば地価が上がる。しかし一人っ子政策では夫婦の実家という2つの物件が、夫婦の新居という1つの物件に集約されるので土地が余る。これは今の日本でも同じ事が起きている。