今年はクモが多い(11/20)
◆ 初秋の頃になると蜘蛛の巣が沢山張り巡らされる。勿論クモは夏場にも活動しているのだが、産卵準備なのか秋口になると蜘蛛の巣が増えるような感じがする。今年は夏が長かったこともあって虫たちの生態にも変化が見られるわけで、中でもクモの多さが目立っている。
◆ クモの巣は目立たないのだが、雨が降ると水滴が付着し輝いて見える。葉を落とし始めた木々を見ると、あちこちに巨大な蜘蛛の巣が張られているのが分かる。いつもこんなに蜘蛛の巣が多かったかなぁと思う位なので、たぶん今年は蜘蛛の巣が多いのだ。
◆ クモの多くはジョロウグモで、そのボディは黄色と黒のツートーンである。クモは害虫を捕獲してくれることで農家には有り難い存在だそうなのだが、私にとっては嫌な虫である。飛ばない虫なのでその点は良いのだが、とにかく蜘蛛の巣が邪魔だし絡みつくと気持ちが悪い。クモの糸は目立たないような材質というか構造なので、そこに引っかかるのは虫ばかりではなく人間もだ。
◆ クモの巣を取ってもそこにクモ本体がいる限り、程なくして又蜘蛛の巣が作られる。蜘蛛の巣を作りにくくするためのシリコンスプレーがあるが、効果は限定的だ。シリコンスプレーを蜘蛛の巣が張られる場所に噴射しておくと、クモの糸がその場所にくっつかなくなるので蜘蛛の巣が作られない。でも賢いクモはホームセンターでシリコンオフを買って来ると言うことではないが、シリコンスプレーの効き目はそう長くは保たない。
◆ ここ数年の気温の高さ、今年は特に夏が長かったのでクモの活動時期が初冬にまで及んだと言われる。クモによっては温暖な気候というか温暖な地域というか、暖かい場所を見つけてそのまま越冬が出来るそうだ。普通クモは寒さに耐えられずに死んでしまうので、秋口には産卵する。しかし気温の高い日が続くと捕食活動が出来るので越冬が出来る。
◆ 体温が下がると動けなくなる事や冬場は虫が少ないので食べ物がなくなってしまう。これに加えてクモの体温が0℃以下になると死んでしまう確率が高まるそうだ。逆に日中に温度が上がるなどするとクモが活動出来る状態になり、蜘蛛の巣に虫が引っかかってくれれば空腹をしのげる。暖かい冬は越冬する虫も数も増えるので、上手く食事にありつければジョロウグモも生きながらえることが出来る。
◆ そんなクモなのだが、今年はクモの卵を見つけたら遠くに捨てることにしている。大量のクモは大量の卵を産むので、来春には大量の子グモが生まれる。それはトカゲなどの餌になるとは思うのだが、又々クモの大発生も困るので山の中に放り投げたりしている。クモの卵は木の高い位置に産んであったり、建物の壁面などにくっつけられている。これは地上の動物が上がってこられない高さ、なのだろう。その卵を山に捨ててしまうので、卵が無事に冬を越せる確率は下がる。
◆ とは言っても山にいるクモの数に対する人間の影響度など微々たるもので、人間が住んでいる周辺のクモのコントロールさえも出来ないほどだ。これはクモだけの話ではなく、他の虫に関しても同様だ。昨年も今年も暑かったのでスズメバチを余り見かけないのは有り難かったというか、アイツに巣を作られると撤去にも手間がかかってしまう。クモに刺されてもたいしたことは無いが、スズメバチに刺されると大事なので嫌だ。