タイヤチェンジャー(1)(12/2)
◆ スクータのタイヤは組んだことがあるが、ダンロップのタイヤを組もうとしたら固くて挫折、バイク屋に持っていって交換して貰ったことがあった。タイヤ交換工賃は2本で1万円だったかな、車のタイヤの交換工賃が千円くらいの時代なので、法外な価格だったが仕方がない。
◆ ミニのタイヤを交換したときのBlog記事で、タイヤチェンジャーが欲しいみたいな話を書いた。交換工賃という点で見たらタイヤ屋さんでやって貰った方がずっと安い。ここでは山道を走るのでタイヤの寿命は短いのだが、タイヤ4本交換&廃タイヤ処理やエアバルブ交換を入れても1.5万円以下だ。毎年交換したとしても10年で15万円(値上げがないと仮定すれば)である。
◆ 一方でタイヤチェンジャは中華ものの新品でも送料を入れたら15万円を超えるし、国内販売品の中古でもマトモなものは同様の価格だ。これにホイールバランサを買ったりしたら、とてもではないが元は取れない。
◆ なので自分で機械を買って、安くやろうみたいな考え方は成立しない。私の場合は自分でやってみたいとか、中古のタイヤチェンジャーを直して使ってみたいとか、そういう気持ちが強い。
◆ タイヤチェンジャーのメカニカルな部分は簡単なので、摺動部がすり減るとかガタが出るとかはあるにしても、見れば分かる程度の機構である。それなのに何故高いのかというとエアシリンダのコストと剛性を出すための構造がある。エアシリンダは結構高額な物なのだが、シリンダなのでシールの劣化などからエアが漏れたりする。
◆ シールが入手出来れば良いが、補修部品を販売していないメーカの場合はシリンダのオーバホールを依頼するしかなくなり、数万円の費用がかかる。シールの劣化だけならまだしもシリンダ自体の腐食もある。これはエアドライヤが不適切で湿気が入る場合があり、そうするとシリンダ内部が腐食する。
◆ シリンダ内部が腐食すると、そこに擦れてピストンのシールが壊れる。アマチュア的にはシリンダに肉盛り(デブコンなどを使って)してホーニングして直したり出来るが、本来であればシリンダを交換する必要がある。シリンダはサイズや出力によって価格は色々だが、数万円から十数万円だろう。これも部品が出ないメーカの物に関しては修理を依頼するしかない。
◆ そんな訳で壊れたら買い換える企業が多いので、壊れたタイヤチェンジャーの中古が売られる。ジャンク表記の物だと1万円から、整備済みの物だと数十万円で落札されている。ジャンクが安いのは上記の通りで、直すのに金がかかるからだ。
◆ 私としてはそんなジャンクを直してみたいという、ひねくれた楽しみ方に興味があったりする。タイヤなんか何度か交換すれば飽きてしまうに違いないが、壊れた機械を何とか直していくのは面白い…、と思う。直せないことはたぶん無くて、純正部品が入手出来なくても流用部品でなんとかなると思う。エアシリンダのサイズや規格が合わなくても、切った貼ったすれば動かすくらいは出来るだろう。
◆ じゃあ買って直してみれば良いじゃないかと言われそうだが、タイヤチェンジャーは重い。200kgから400kg程あるので、フォークリフトやクレーンがないと移動が出来ない。バラバラにすれば運べないことはないが、アームの部分だけで50kgあるよと言う話を聞くとクレーンが欲しくなる。