路側放送とリピータ(2/7)
◆ 高速道路のトンネルの多くはラジオが聴けるようになっている。通常時は単なるレピータとして動作しているように見えるのだが、実はRF系のリピータではなくいったん検波した後の再送信方式になっている。これによって緊急割り込み放送を送信することが出来る。緊急放送はトンネル内での事故などを告知する。
◆ トンネル内だけではない路側放送としてハイウエイラジオがある。1620KHzが現在は使われているが、過去には1629KHzでの放送もあった。これは工事情報や渋滞情報の放送をしている。
◆ トンネル内の放送に関してNEXCO西は今後中止していくとした。理由としては社内でラジオを聴く人が少ないからと言う事で、ラジオを聴きたい人はラジコアプリなどを使えと言っている。設備に金がかかるとか、設備の更新時期が来たとか、AMラジオ放送が今後減少するなどが理由ではないかと思う。しかしそうは言えないので、放送受信の多様化と無理やしこじつけたのだろう。
◆ 1620KHzのハイウエイラジオも今後消える運命ではないだろうか。国際的AM放送周波数の割り当ては1611KHzが上限ではなかったかな。このため輸入車ではハイウエイラジオが入らないものがある。
◆ 最初にSLを買ったときは並行輸入物だったので、日本仕様のラジオではなかった。AMは問題なかったがFMの周波数帯が日本と異なっていたのでFMラジオを聴くことが出来なかった。中を開けてみたらEP-ROMが入っていたので、その中実を読み出して解析、いや解析と言うほど大げさなものではなかったのだが、一部プログラムを書き換えて日本の放送が受信出来るようにした。完全とは言えなかったがチューニングは出来たので、主要放送局をメモリに入れておいた。
◆ とんでもない周波数まで受信出来るようにするのはハードウエアの都合もあるのだが、多少の周波数レンジの変更はソフトウエアで可能だ。なので輸入車でも日本仕様のAMラジオ周波数帯に設定しているものもあるのだが、最近は1620KHzまでチューニング出来ない車が増えている。
◆ 欧州でもAMラジオの停波が一部行われていて、AMラジオ自体の重要性が減少している。ただし国土が広かったり山間部などではFM放送やインターネット接続が出来ない場所もあり、AMラジオ全廃というのは難しいのではないだろうか。日本では2028年に停波が行われる予定で、今後はFM放送に一本化されていく。ただし今のところはHNKは残すみたいな話なので、災害情報などは受信出来る可能性が高い。
◆ とは言っても実質的にNHKだけとなれば、AMラジオ自体がなくなってしまう可能性がある。あるいは短波放送ラジオのように、選局ボタンのないものとか。いずれにしても需要が減れば価格が上がるので、局数の少なくなったAM周波数帯を必要とする人がどれだけいるかが問題だ。
◆ AMラジオは簡単な回路構成で受信出来るものではあるのだが、だったらFMだってワンチップじゃないかと言われると確かにそうなのだ。周波数伝播の関係でFMラジオの使うVHF帯は遠方まで届かない(普通は電離層反射が起こらない)などがあり、放送局数や中継局をどうするかは問題だ。この辺りで受信出来るFMローカル局も、少し場所が変わると周波数が変わってしまって聞けなくなる。むしろFM横浜の方が良く入ったりする。FM放送局のアンテナ高を上げ、出力を上げれば見通し距離は届くのだが、設備費用がかさむ。