ガラス管式電球は減っていく(11/4)
◆ 日本では1940年代から使われ始めた蛍光灯だが、メーカ各社が製造を中止する動きだ。白熱電球然りではあるが、LED全盛となってガラス管式の電球は消えていく。LEDしか知らない世代からすると、ガラス管の電球なんて割れたらアブナイじゃないかなんて言いそうだ。

◆ 蛍光管は白熱電球に比較して発光効率が高いとか、色温度を自由に設計出来るなどで使用量が拡大した。電球型蛍光灯が開発されると、それまでの白熱電球がこれに置き換わっていく。ただし電球型蛍光灯は低温時の輝度が低いなどもあり、改善は繰り返されたものの点灯直後はどうしても暗いイメージだった。

◆ LED化によってそれらのデメリットはなくなり、大量生産により白熱電球並みのコストが実現している。疑似白色LEDは発光効率も高い(演色性は悪い)ので、省電力化にも貢献する。

◆ CMOSデバイスは低消費電力だが高速動作が出来ないもの、LEDは少ない電力で点灯させることが出来るが、照明用光源としては暗すぎるものだった。それが今ではGHz帯で動作するCMOSデバイスは当たり前となり、白熱電球よりも明るい光源として使えるLEDも当たり前になった。

◆ LEDも今は様々な色のものが出来るのだが、いわゆるRGB以外の中途半端な色は蛍光体をドライブすることで得ている。逆に言えば蛍光体の選び方で何色にでも発光させることが出来る。蛍光体には寿命があるので、その意味ではLED本来の長寿命とは行かなくなる(徐々に輝度が落ちる)が、それでも放電管(蛍光管)よりも寿命は長い。

◆ 放電管(蛍光管)も様々な色を作り出すことが出来るのだが、蛍光体の選び方や封入ガスの配合などが難しいのか?一般的な蛍光管よりもかなり高額なイメージだ。こうした光源は食材を美味しそうに見える効果があり、食肉用や鮮魚用など様々な蛍光灯や放電管が発売されている。

◆ LEDよりも発光効率の高い放電管はあるのだが、指向性などを考えると照明用としてはLEDが高効率となる。蛍光管は徐々に輝度が落ちるので交換の必要があるが、LED照明器具の寿命は長い。初期の頃はLEDの寿命よりもドライブ回路の寿命が短い問題があったのだが、電解コンデンサの不使用などで徐々に長寿命化された。

◆ ウチでは中華LED灯を使っているが、さすがにこれの寿命は短い。壊れたものを分解してみてみると、電解コンデンサの容量抜けで不点灯になるものが多かった。しかし電解コンデンサなどドライブ回路は無事で、直列接続されたLEDの1個が不良になっているものもあった。特別安い物でもないのに、熱設計などがいい加減というかちゃんと出来ていない。

◆ 蛍光灯の製造や輸出入は2027年で禁止されるんだったかな。環境問題と蛍光灯に使われる水銀の問題、更にはLEDで代替可能という事で全面禁止になる。蛍光灯は電子を水銀蒸気に当てて253.625nmの波長の発光(共鳴線)をさせ、それを蛍光体に当てて可視光を出している。

◆ 水銀そのものというか、水銀灯という放電管もある。水銀灯は紫外域から赤外域までいくつかの(連続的ではない)波長の光を放出させることが出来る。水銀ランプには低圧〜中圧〜高圧〜超高圧型があり、超高圧水銀ランプでは2MPa以上の水銀ガスを封入している。