何故直せなかったのか?(1/17)
◆ 愛知県にあるミニ専門店を名乗る中古車チェーン店からミニを買ったYoutuber氏、購入3日後にはレッカーで販売店に運ばれる事になる。症状としてはアイドリングが不安定でエンストもあり、エンジンチェックランプ点灯もあるとの事。
◆ 当該ミニ専門店では2つのO2センサを交換してみる(約13万円)が、症状は改善されなかった。次にエンジンマウントが交換されるが、これはそもそも交換されている前提だったもの(約10万円)だ。アイドリング不安定の改善のためにイグニションプラグが(2万円)交換されるも効果無し。ミニでは故障の可能性のあるヒューエルタンクバルブ(蒸発ガス抑止装置から負圧側にガスを引き込む制御バルブかな)を交換(1.5万円)するも又々ハズレ。じゃあイグニションコイルも変えてみましょう(5.5万円)みたいな話になるも直らず。この時点で販売店ではどうしようもなくなった。
◆ 最後にディーラにチェックをお願いし(2.5万円/12ヶ月点検整備費用を含む)解決した。ミニ専門店を名乗るgood何とか(ユナイテッド何とか)も、ISTAによるチェックなどが出来るのであれば問題は解決出来たはずだ。少なくとも専門店を名乗るのであれば、その程度の知識は持っているのが当然だ。
◆ しかし現実には関係のないパーツを交換していた訳なので、故障診断すらマトモには行えていなかった事になる。パージバルブはエラーチェックで出てこないが、これはスパナなどでこんこん叩くと症状を再現出来る。単にバルブの動きが悪くなっているだけなので、衝撃を与えれば直ったりするのだ。
◆ O2センサは診断すれば不良が分かるし、ISTAでなくてもサードパーティの診断機でもO2センサの出力電圧を読む事は出来る。イグニションコイルやイグニションプラグも不良だと失火のエラーが出るので分かる筈だ。中古車屋ならば手持ちのコイルやプラグがあるだろうから、それと交換して様子を見る事も出来る。
◆ この販売店はオリジナルパーツだとかDME(ECU)書き換えによるチューニングもやっているよと書かれている。もしかして変なデータを書いてしまってどうしようもなくなったとか?ディーラではイニシャライズ(バージョンアップ)によって回復させている。
◆ 販売店とは数ヶ月?に渡る交渉があったようだが、整備にかかった費用は販売店が持つと言う事で決着したらしい。この販売店は「全国でも数少ないBMW MINI専門店です」と名乗っているわけで、それを信じて買ったらとんでもない事になったと言うわけだ。
◆ 中古車であれば故障のリスクは伴うわけなので、車を買ったら出来るだけ短期間に多くの距離を走るべきだという人もいる。住宅の引き渡しは暴風雨の日が良い(雨漏りや隙間風が分かるから)と言っているのと同じかも知れない。大きなトラブルがなければそれで良いが、始動不良だとかエンスト頻発では困る。オイル漏れや冷却水漏れも、エンジン回りを清掃した上でしばらく走り、再度エンジン回りをチェックすれば分かる。
◆ このYoutuber氏のように保証付きの車を買ったとすれば、完全な状態になるまで頑張って直してねと言うしかない。ちなみにこのYoutuber氏は1.5ヶ月も車を販売店に預けていたそうだが、私だったらディーラで診断して貰った方が早いんじゃないですかと言うと思う。