EVへの課税(3/9)
◆ EVへの課税として走行距離課税論がある。欧州では走行距離に応じた課税を開始しているところもあり、イギリスでは1km換算で4円弱の税金を設定するのだとか。この1kmあたり4円前後は、現在の日本における自動車関連税額に近い。

◆ 日本でも同様の課税を行うとすると、自動車税も重量税も燃料関係税も廃止すれば、今と同じくらいの税額となる。勿論燃費の善し悪しもあるだろうし車重や排気量によっても税額は異なっている。しかし走行距離課税とすると(全額走行距離課税なら)そうした違いはなくなる。

◆ EVは車重があるのでそれに応じた重量税を設定する案もある。これはこれで良いのではないかと思うが、EV派は当然反対するだろう。現時点でEVは自動車税が最低額しかかかっておらず、重量税も免除されている。だから多少はお得に乗れるわけで、これが通常のガソリン車並みに戻ったらEV派は瞬時にして反EV派を名乗り始めるかも知れない。

◆ 燃料税課税の場合は走行距離に応じた金額となっている。それに対して自動車税や重量税は定額なので、EV重量税が定額で良いのかという議論もある。こうした事を考えると走行距離課税が適切かなとも思う。ただ日本でこれをやると自動車税や重量税の他に走行距離でも税金を取りますよとか、ガソリンの税率は変えませんよみたいな話になりかねない。

◆ EV重量税が新設されればICEの重量税より高額になるのだろうが、そうするとトヨタはハイブリッド電気自動車(HEV)を再びハイブリッド車(HV)に名前を変えたりして。元々HVとしていたが、トヨタは世界一のEV生産メーカだと、訳の分からない事を叫ぶためにHVをHEVにすり替えた。トヨタに言わせればバッテリーとモータが付いていれば、それは電気自動車だという。

◆ ちなみに諸外国では主要エネルギ源が何であるかによって分類していて、ハイブリッド車は充電ポートがなくガソリンのみなのでガソリン車の仲間、プラグインハイブリッド車は(短距離ではあるが)ガソリンなしでも走れるのでEVの仲間、みたいな感じだ。

◆ 日本の場合はエコカー減税だって自動車メーカの言うがままみたいな、相対燃費が良ければ実燃費が例え 6km/lでもエコカーになってしまう。エコカーはガソリン消費量が少ないのでその分が減税になるわけだから、あえて他の税金を下げなくても良いのに。エコカー減税による税収減は1兆円内外で、これの穴埋めに古い車の重課税が行われ始めたのが安倍政権時代である。

◆ EVに課税するとEV販売量は更に鈍化するだろうが、EVの普及にはインフラ整備も必要なのでその財源も欲しい。現状の配電に関する法律のままでは急速充電器のコストが上がりすぎたり管理者の問題が出てくる。これには法律の変更も必要だし、大電力送電網のコストは一般の電気料金に跳ね返ってきてしまう。受益者負担というのであれば一般家庭の電力料金に影響を及ぼさない柵を考えるべきだ。

◆ 充電電力問題は以前にも書いたが、簡単には解決出来ない。簡単に解決出来ないという事は解決するまでに時間と金がかかるという事だ。EVは充電電力をカウントしているので、電力量課税も出来ない事はない。こうすると現在のガソリン関連税と同じ扱いになる。これを毎日1回通信回線で報告し、クレジットカードから引き落とす仕組みなどは現実的なのではないだろうか。