マルチバンド(6/5)
◆ 各社LTEのマルチバンド化を進める。ドコモは2.1GHzに加えて1.5GHzと850MHz帯でもLTEサービスを行っている。この冬には1.7GHz帯対応機も出てくると思われ、広い帯域の確保出来る1.7GHz帯で高速性を謳うのかも知れない。
1.5GHz帯でのサービスは開始されているが東名阪のエリアでこれが使えるようになるのは来年の今頃だ。従って1.5GHz帯対応のスマートフォンを入手したとしても東名阪ではその恩恵はない。
◆ ドコモは850MHz,1.5GHz,1.7GHz,2.1GHzに加えて700MHz帯も使い始める。またダウンリンク専用としての周波数利用も考えていて、増大するトラフィックをどこに逃がすかと言う事になるのだ。勿論それも大切な事なのだがXiネットワーク自体が褒められたものではない。
23区内でもLTEが入らない所は沢山あるのが現状で、エリアが広いだ速度が速いだと言っているが全てのユーザにその恩恵があるわけではない。
どの周波数バンドを使っているかは内部情報を見れば分かると思う。もしかしたらこれを表示するウィジェットなどがあるかも知れない。
◆ N-07Dは850MHz帯のLTE非対応、SO-04Eは対応だが横浜周辺で違いを感じた事はない。東京近郊においての800MHz帯利用は余り行われていないのだろう。と言っても建物内などでXiが不安定になるのは良くある話であり、この辺の救済が行えればメリットはある。LTEの対応エリアは広がってはいるが、一方で速度が遅くなった場所もある。
東京西部のあるエリアは比較的LTE化が早く電界強度も高かった。速度にしても20Mbpsを下回る事が殆ど無い位で、いつも安定したLTE接続が出来ていた。だが最近は混雑が激しいのか10Mbps以下になる事も増えている。10Mbps出ていれば不便は感じないのだが、しかし速度低下は事実だ。
◆ セル内の効率化と言う事でマルチセクタがある。先日、某大学の先生と話す機会があったのだが、セクタ効率などを考えてもマルチセクタ化が好ましいと言っていた。確かにコストがかかるなどの問題があって設備投資しにくいのだが、限られた電波資源の有効活用は推進すべきだというのがご意見だった。MIMOに関しても触れられていて、スマートフォンの大型化はアンテナの相関性低下を実現出来るので良い事だと。しかし800MHz帯などでは少し厳しい事もあるという。基地局に関してもマルチバンドでMIMOとなればアンテナ本数が増えるので設備費用がかかる。
◆ ドコモはマルチバンドアンテナやマルチバンド/ワイドバンドPAを開発している。移動機に関してもアンテナは重要であり、しかしマルチバンドとなると色々難しい。移動機のアンテナは比較的広帯域に設計しなければならない。ボディエフェクトやハンドエフェクトによってアンテナの共振点がずれるからで、アンテナの受ける影響はアンテナ効率が高いほど大きくなる。
これは当たり前の話で、たとえばアンテナの代わりにダミーロードを接続しておけば、電波は出ない代わりに周りの影響も受けない。基地局のアンテナは設置場所が決まっているから良いのだが、移動機の場合はポケットの中だったり手で握られたりと変化が大きい。その為に、それらを想定した上でアンテナとしての動作や効率低下が許容出来るように設計しなければならない。
◆ 誘電体を使って波長短縮したアンテナも800MHz帯などでは使われるが、アンテナ効率は大きさに比例なので小型化はスペース節約以外にメリットがない。iPhoneでは筐体をアンテナとして使うが、アレを手で握って感度が落ちるのは当たり前だ。アンテナから輻射する或いは受信すべき電力の多くを人体が吸収してしまうからである。
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