電動(5/4)
◆ 今や軽自動車にもパワーウインドゥは普通に搭載されている。メカニカル開閉装置と価格がそう変わらずに大きな付加価値が得られるとなれば、メカニカルな機構を使う理由はない。もっとも過酷な使い方で壊れたとしても、簡単に修理や応急措置が出来るという面ではメカニカルな機構の方が良いとも言える。最近ではパワーウインドゥのみならず自動ドア搭載車もあるし、CLSはトランクリッドの開閉が自動だ。BENZの場合はパワーウインドゥもそうなのだが異物の挟み込み検出がかなり敏感に出来ている。それは時に何も噛み込んでいないのにパワーウインドゥが自動停止してガラスが少し下降する(挟み込みの場合を想定し、動作が止まるだけではなく少しガラスが下がって停止する)事も起きる。
トランクリッドも同様に、わずかでも何かが挟まっていると動作が止まる。ごく当たり前の動作なのだが動作が敏感なので度々その動作停止に遭遇するのだ。それは買い物袋の取っ手の紐が挟まっているとか、その程度でも。
◆ 一方で子供がパワーウインドゥに手や指を挟んで重大事故になるという事も発生している。実はこれは最近起き始めた事ではなく、以前にも雑記で取り上げている。ようするにカネにならない安全性は実装しないという日本メーカの考え方通り、規制でも出来ない限り放置というのが実態なのだ。
BENZのようにセンシティブにすれば動作不良のクレームが来るだろうし、かといって摺動抵抗を一定に管理するのも大変だ。光学センサなどを使えば確実だろうがこれもコストアップになる。ならばオプション設定でも良いのではないだろうか。
パワーウインドゥなどの挟み込み防止装置を。まあ後席シートベルトの3点化オプションも無いのだから多くを望むのは無理か。
◆ 事故は使う側の不注意でもあるのだが、安全装備というのはそうした部分を担保するものだと思う。
ワンボックス車などだと窓がはめ殺しみたいなものもあり、これなら指を挟む危険はない。しかし普通の乗用車だとはめ殺しという訳にも行かないだろう。車の利用形態の多様化は、それまで考えもしなかったような事故につながる場合もある。
これは家電製品でも同じ事で、あらゆる事を想定して取説に記載するなどの苦労がメーカにはある。
PCやケータイでも同じで、一般の人が広く使うようになれば様々な安全対策が必要になる。PCは知識を持った人が使うものだからと言うような言い訳は通用せず、サポート体制も修理体制も家電並みのものが求められる。
◆ 電動制御は人間の作業を軽減する。掃除機にしても洗濯機にしても同じだし、パワーウインドゥや自動ドアだって、エスカレータやエレベータも例外ではない。最初はそれがあるだけで有り難く思え、使う側も注意をしたはずだ。しかしやがて一般化すると、それがあるのが当たり前で安全に使えるのが当たり前になる。パワーウインドゥに何かを挟んだら動作が止まるのが当たり前で、そのまま動き続けてケガをするのは不良品だという事になる。ではいつの時点で安全性を重視した設計に変えなければならないのか。それは設計者や販売企業の考え方一つだと思う。余計な?機能を付ければコストアップになるし、省略しすぎれば安全性が担保できなくなる。
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