ニュースの中身(2/11)
◆ 新聞各社の電子版も一般化してきている。紙の新聞が売れない現状では、米国などのように電子版が普及するのではないかとの見方もあるからだ。だが有料版契約者数はさほど伸びていないらしい。各社共に見出しの一部を無料で配信し、その後の詳細を見ようとするとカネがかかる仕組みになっている。日本経済新聞などは登録は必要なものの、月間規定本数までは有料版も無料で閲覧することが出来る。
◆ では有料版の中身がどのくらい見たいのかとなるのだが、一社独占のスクープでもない限りは各社それぞれ報道する。事実は一つなので社説などを除けばどの新聞社の情報を見ても(情報密度の差はあれど)同じような感じだ。
そうなると有料版が読まれる可能性が低くなってしまう。見出しを見て興味を惹かれる記事があっても有料版を購読せずに他社からの無料版が出てくるのを待つからだ。
◆ 休刊日のように各社が手を組んで?ニュースの見出しと本文を統一して有料版に移行すれば良いのだろうが、果たしてそれが出来るのかどうか。逆にこうしたカルテル作戦を採られるとニュースの独自性が失われてしまう。今も昔も記者たちは誰より早く誰より正確な情報を得ようと頑張っているはずで、その差が現れやすい電子新聞にこそ新聞各社の違いがあっても良いと思えるからだ。
◆ 電子新聞は安くはない。物理媒体の新聞が配達付きで月額3,925円なのに対して朝日新聞電子版は3,000円である。しかも配達付きではないので自分のパケット代を使って取りに行く必要がある。以前に新聞のコストや配達店の取り分を書いたことがあったが、もしも配達と同程度のコストが配信にかかっているとしたら、印刷と同程度のコストが電子レイアウトにかかっているとしたら凄い額である。
◆ 朝日新聞電子版は紙の新聞と同時に買う契約をすると4,000円になる。紙の新聞だけを買うと3,925円なので電子媒体で読むには月額75円を払うだけで良い。ので、計算が出来ない。一体どこに何の費用がどれだけかかっているのか。新聞記者の労力を過小評価するつもりは全くないのだが、紙の新聞で利益が出ていると考えれば電子新聞は月額千円以下が妥当だ。
と言うか、ケータイ用の有料ニュースって月額315円とかではなかったっけ。私が以前買っていた、重大(重要)ニュース特化のものは105円とか、その程度からあったと思う。
◆ 電子新聞ならば紙媒体とは違った構成も出来ると思う。記者が記事を書くには時間がかかるが現状の写真だけならすぐに伝送出来る。今や電子媒体を使ったメディアなどでも速報として写真だけを載せるような報道手法があるわけで、新聞も(現在より)積極的にそんな手法を取り入れていくとメリットが見えてくるかも知れない。TV局が動画をリアルタイムに配信しようとするのは大変だし、記録映像にしてもある程度のクオリティを確保しなければならない。しかし静止画ならばもっと即時性を出せるのではないだろうか。購読者が知りたいのは今どこで何が起こっているかだ。その事象が起きた理由や解説は後回しにするとしても、事象そのものの様子が即座に見られるメリットは大きい。
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