過去の雑記置き場


E-CELLプラス(11/1)
カーナビ(11/2)
iPhone(11/3)
蝋燭1(お話)(11/4)
蝋燭2(お話)(11/5)
蝋燭3(お話)(11/6)
蝋燭4(お話)(11/7)
蝋燭後記(11/8)
発言の微妙(11/9)
懐メロ(11/10)
Y150(11/11)
高速道路(11/12)
負の遺産(11/13)
訳あり商品の訳(11/14)
またまた空港問題(11/15)
100万台(11/16)
たき火(11/17)
無料化反対(11/18)
画像処理(11/19)
HMD(11/20)
スマートフォン(11/21)
ポイント交換(11/22)
眩しい(11/23)
JAL問題(8/16)
電池が熱い(11/25)
秋の夜長(11/26)
暖房機(11/27)
海外調達(11/28)
変化(11/29)
DCがお得(11/30)


VC

DCがお得(11/30)
◆ データセンタなどを中心に直流給電が広まっているという。理由はエネルギ効率で、UPSなどは所詮直流であるために常時インバータ方式などを含めて交流と直流を変換する度にロスが発生する。そのロスを最小限にするのがDC給電だ。電圧変換も最近はローカルにSWレギュレータを持っている場合が多く、あるいは機器のラックごとに必要な電圧にして給電するようなシステムが一般的だ。供給元の電圧は400Vなどの中圧が多く、これは電流と線材の太さのかねあいになるのだろう。通常の50Hzあるいは60Hzのトランスとなると相当大型なのだが、MHz帯を利用するスイッチング電源であればそれらも小型軽量化できる。電話局や携帯電話基地局は殆どが直流で動作している。電圧はそれぞれというか何というか1社だけ違うというかなのだが、バッテリから電力供給するための電源装置にはキロアンペア単位のメータがくっついていたりする。

◆ 電話設備自体はDCで動作するのだが、ACが必要なケースもある。携帯電話基地局などでは管理用信号伝達用のモデム装置など(回線故障の場合でも故障状況が報告できるように様々な経路が用意されている)は市販品なのでAC100Vで動作する。またエアコンなども3相200V仕様などが一般的なのでそれらの電力を作るためのインバータもある。
特にエアコンの駆動は大変で、年々増大する消費電力と熱によって真冬でも基地局内の冷房は全開で動いているような状態なのだ。なので内部で長時間の作業を行うときには周りのパネルを外して外気を取り入れた方が余程涼しい。最近では動作温度範囲を広げて雰囲気温度を30℃以上に設定できるようにしたシステムも増えているが、CDMA系の800MHz帯システムなどクーリングファンの電力だけで1kWはあるんじゃないのという感じで、それはもう凄い風と凄い騒音をまき散らしながら動いているのだ。

◆ LTEともなると更に電力効率が悪くなるので大変だ。WiMAXやXGPのBSがヒートシンク的ボディーをまとっているのはその為である。小型化しようとすれば強制空冷が必要になり、自然空冷で行こうとすると小さく出来ずに内部の温度設計なども複雑化する。それでも数年前はロジックボード関係の発熱が凄かったのに、最近ではPAの発熱が目立つ感じなのだからロジック部の低消費電力化は凄いと思う。電圧にしても従来は5Vがメインだったのに、最近の微細配線ロジックだと1.8V系だとかがメインでI/Oだけが3V系だったりする。当然電圧が下がると電流が増えるので電源バスなどは大変なのだが、小型のローカルレギュレータを基板上に分散配置するなどでの効率化も行われる。

◆ PAも動作電圧が低くなったとは言ってもBS系だと24Vとか28Vとかが使われるし、800MHz帯などの低い周波数だと更に高圧のデバイスでリニアリティを稼ぐような設計も行われる。電圧が上がると部品サイズも耐圧比例で大きくなるので小型化は難しい訳だ。



変化(11/29)
◆ 日本の携帯電話がガラパゴスだと言われて久しい。
日本の日本語文化の中で独自な進化を遂げたという点ではガラパゴスなのかも知れない。ガラパゴスにあって生き残るためには常に変化し進化しなければならないが、まさにそれは国産ケータイにも言えることだと思う。こうして今生き残った国産ケータイは十分に進化し、それがスマートフォンから市場を奪ってしまった訳だ。iPhoneにしても日本製ケータイの機能に追従すべく進化しているが未だ追いついてはいない。SBMの松本氏などは世界に目を向けていない国内メーカの姿勢は誤っていると言うのだが、これには裏の理由もありそうだ。
つまりドコモやauはそこそこのマーケットを確保しているので国産ケータイの独自モデルが手に入る。
しかし代替需要を急速にしぼめてしまったSBMとなると独自もモデルの開発は敷居が高く、たとえば国際標準品の焼き直しだとかドコモのお下がりモデルだとかを使わざるを得ない。そこで事業者オリジナル製品ばかりではなく各国に売れるようなスタンダードモデルを作りなさいと言うわけだ。

◆ 実際SBMは海外製の端末も売るのだが売れ行きは良くない。ガラパゴスの世界にあってはガラパゴスケータイこそがその土壌にマッチしたものであり、いくらグローバルスタンダードであったとしても受け入れられないものは受け入れられない。iPhoneにしてもそれは同じなのだが、孫さんは納得できない。
で、ホワイトカラーはiPhoneを使うべきだとか、iPhoneを使わないなんて信じられないとか、iPhoneがあればPCは要らないとかの焦りの理論につながってくる。
まあ孫さんや松本氏が焦ったところでガラパゴスが変わるわけではなく、孫さんは今後のケータイは全てiPhoneのようになると豪語してみたものの、むしろiPhoneを国産ケータイの機能に近づけようとしているのだから何とも。

◆ 進化に無理はいけないというのは洞窟の照明にも当てはまるのだとか。そもそも洞窟や鍾乳洞には人工照明などが無く、その中は独自に進化したり退化したりした生物が暮らしている。そこに観光用にと照明装置をくっつけると、本来は(光がないから)生きていけなかった植物がはびこってしまって洞窟内の環境を壊すのだそうだ。そこで光合成を起こさないような緑色のLED照明などを使って人には見えるが植物には見えない光を照射するのだとか。つまり普通の植物は緑に見える=緑を反射する=緑は光合成に使わない=緑の光は植物には見えないという事だそうだ。ケータイの世界でも同じように外来種がガラパゴス日本で成長するには、ガラパゴス日本にマッチした機能が必要なのは言うまでもない。

◆ 今やスマートフォンに勝るとも劣らないほどの機能が詰まっていると言われるほどで、確かに自由度などは少ないのだが使うための知識も少なくて済む。高機能がそれを意識せずに使える。とは言ってもケータイの使い方は年々難しくなっていると言われていて、それはもしかするとガラパゴス日本の高齢化に伴う事かも知れない。



海外調達(11/28)
◆ 円高を背景に自動車部品の海外調達比率が高まりを見せている。ホンダは従来の海外調達率1割を3〜4割に金額ベースで上げるという。従来日本製自動車は安くて軽くて高信頼性だと言われ人気を博してきた。しかし国内の部品コスト上昇によって国際競争力を失うばかりか、国内市場においても高価格車種は輸入車に負けてしまうのが現状だという。そのためには中国や韓国、台湾やタイなどからの積極的な部品輸入が不可欠であり、これまでは実現しなかった大型部品やユニットそのものなどと言った主要パーツまでを輸入に頼る時期がやってきているという。

◆ 日本の自動車産業が絶好調だったのはバブル期以前、頻繁なモデルチェンジを繰り返しながら性能向上を目指していた時代だったと思う。ホンダの社長は車は長持ちしては売れないとばかりに、車は7年/10万キロも持てば十分だ発言で問題を醸し出した。まあホンダ車と言えば耐久性のないことで定評?があったわけだが、今は心を入れ替えて耐久性にも重視しているに違いない。排ガスデバイスにしても同様で従来は2万キロだけ耐久性があれば良かった。なので5万キロ走行車などはすっかり高公害自動車になってしまったわけで、この点だと輸入車の方が優秀であると思われる点も多かった。

◆ 日本製自動車も買い換えサイクルが延長されて来ると、これまでの耐久性以上のものが求められはじめる。最近では10万キロ以上乗る人だって少なくはなく、しかし以前のトヨタ車で10万キロも乗ると、あちらを直せばこちらが壊れるという具合に特に電球の球切れやスイッチの接触不良など細かな部分の交換の手間が増えていった。で、結局買い換えとなるというか、ディーラ曰く「新しい車を買った方が得ですよ」となる。これも車が売れている頃ならば通用したのだが、今だと「だったら車をやめちゃう」と言われるかも知れない。
特に都市部においては自動車離れもあり、必要なときにはレンタカーやカーシェアの方がお得みたいな流れもある。いや、最近は車だけではなく自転車シェアもあって結構便利らしい。都内と言えば大抵は地下鉄などで目的地近くまでいけるのだが、それでもちょっと歩くよなと言うときに乗り捨て型レンタル自転車の出番というわけだ。これは横浜でも実験的に行われていて、歩くにはちょっと距離があるけどタクシーと言ったって道が混んでいるという、山下公園周辺とか伊勢佐木あたりに乗って行くには良いかも。最近は自転車といえども好き勝手に止められるわけでもなく、しかしシェア自転車なら専用のスペースにポンと置けばOKなのだ。

◆ 横浜だと坂も多いので電動自転車なども有り難いと思う。平坦な地域のエリアに住んでいる人には想像が出来ないほど坂道は大変で、でも電動アシスト自転車なら大丈夫。これもシェア自転車ならば充電された状態でいつでも使えて便利な感じ。そんなシェア自転車とカーシェアの組み合わせはもっと便利だと思う。カーシェアと言っても好きな場所にそれがあるわけではないので、より格納スペースの小さな自転車と組み合わせれば便利になると思う。都内などではバスやタクシーより自転車の方が早いかも知れないし、でも少し離れた場所や荷物があるときには自動車や、或いは地下鉄併用みたいな感じで。となると、ますます自動車が売れなくなるが、逆にカーシェア専用車的な車があっても良いのかも知れない。



暖房機(11/27)
◆ 暖房機というか暖房具による事故が多い季節である。
暖房というとまだまだ灯油が多いのではないだろうか。個人的には石油を燃やしてしまうのはすごくもったいないし、ガスに比較すれば炭酸ガス排出量も多いので環境面から見てもお得とは言えない。ただし発熱量に比較した単価が安いので多く使われているわけだ。炭酸ガス排出量の抑制を考えるならば、石油暖房禁止法でも作ればいいと思う。その代わりに電気暖房なりガス暖房を安価に導入できるようにする必要はあるが、燃料電池だエコキュートだと鼻息の荒いエネルギ会社はきっと飛びついてくるに違いない。先日の、日産の電気自動車用バッテリのお古を家庭用に使う話もあるし、深夜電力などを利用したエネルギ蓄積や寒冷地などでも使われている蓄熱式のセントラル暖房などもコストさえ下げれば普及するのかも知れない。

◆ 一方で湯たんぽなどがエコっぽいと言うことでそこそこ売れているのだとか。電子レンジで蓄熱材を温めるものとか昔ながらの金属製のものなど、様々な暖房グッズが売られている。樹脂製のパッケージに蓄熱材を入れたものは加熱による爆発は抑制されているらしいが、内部の蓄熱材が漏れて火傷をする例はあるという。金属製のものは剛性が高いだけに破裂すると大変なのだが、使い方を知らない人が栓をしたままガスレンジに乗せて放置したりして本体ごと木っ端みじんになってしまうと言う事故もある。
何せ丈夫な容器に水を入れて加熱するのだから安全弁でもない限り爆発は必至だ。おそらく湯たんぽ全盛な時には代々語り継がれた?湯たんぽの暖め方というか、あれってそもそも湯を入れるものであって火にかけるのは間違ってるんじゃないの?みたいな気もするが、ともかくそうした歴史があったのだろう。

◆ しかし今の時代湯たんぽ自体が珍しくなり、使い方も良く分からないけど金属だからIHヒータに乗せちゃおうかな、水が吹きこぼれるといけないから栓もしておこうかなみたいな、安易な危険が蔓延していないとも限らない。もしかして若者の理科離れ世代は蒸気機関のパワーなどに興味が無くて、湯たんぽが破裂したら恐ろしそうだなと思わないのかも。石油ストーブにしても、全自動のファンヒータ世代は芯に火を付けるなどという概念自体が理解できないかも。ファンヒータならば炎が出ることはないが、燃焼式ストーブは裸で炎に近いものに触れられるわけで、そこに可燃物があれば引火する。このあたりも安全なものに慣れているために、危険なことは機械の側がカバーしてくれるだろうと思うのかも知れない。

◆ いずれにしても電気暖房などが主流になると、暖房機から炭酸ガスや炎が出るなど想像できなくなる時代が来るのかも。それこそ炎の上がる機器なんて壊れているか兵器くらいでしょ?みたいな。人間は火を使うことで他の動物にはない進化をしてきたわけだが、その炎が人々の前から消え去る日が遠くないのかも知れない。実際たき火とかは都市部や近郊では出来ないわけで、子供達が火に触れる機会は年々減っている筈だ。



秋の夜長(11/26)
◆ 秋の夜長と言うが、今はもう晩秋というか初冬というか、それでも未だ夜は長いのかな。人間は体温が低くなると眠くなるそうだ。真夏に外で運動したりして、日陰の涼しいところに横になると眠気が襲ってくるとか、風呂にゆっくり入って体を温めてゴロンとすると眠くなるとか、それは体が暖まった状態から冷える課程において眠くなるかららしい。その理屈と同じなのかどうか分からないが、寒い中にいると眠くなったりもする。しかし寒い中で寝てしまうと怖い夢を見やすいという。
それは、寒い中で寝てしまってさらに体温が下がると死んでしまう場合があるからで、怖い夢によって起こそうとしているのだとか。

◆ 眠くなるためには体温が下がればいいので、それはすなわち事前に体温を上げればいいことになる。
温めの風呂に長時間つかるというのは体温を上昇させる事につながるが、じゃあ面倒だから熱めの風呂にささっと、では駄目らしい。かといって熱い風呂に長く入ればもっと良いのではないかというとそうでもなく、43℃以上の湯温では熱中症に近い症状になってしまうそうだ。それもあって温泉などでは43℃以下に湯温がコントロールされている。以前に行った山梨の日帰り温泉の熱湯はもっと温度が高かったと思うのだが、何度だったのかは覚えていない。

◆ 食事後に眠くなることもあるだろう。これは食べたものの消化などを行うために消化器官を活発に動かさねばならず、結果として他の部分や脳への血流量が低下するからなのだとか。確かにものを食べた後は眠くなるがものを食べていると眠くならない。いや、子供というか赤ちゃんは食べながら寝ちゃうこともあるけど。大人の場合は口を動かしていると眠くならない。なので眠気さましにガムが良いとか、私などはさきいかなどを食べるのだが、これは効果抜群なのである。

◆ 加齢と共に体温変化が少なくなり、結果として眠気が少なくなるという話もある。また必要な睡眠時間が減少するために老人は早起きになるとも言われる。もしかして早く起きないと、寝ているのか死んじゃったのか分からないから起きてみるのだ説もあるが真偽のほどは定かではない。快適な睡眠のために云々でウルトラ高額な枕なんかも売られている。確かに人生の1/3は寝ているわけだから、その快適性が重要だというのは分かるのだが数万円もする枕じゃその価格が気になって眠れなかったりして。あの低反発性クッションのむにむに感は結構素敵だ。堅いのもあれば柔らかいものもあって、うんうんこれは気持ちよさそうだと思って押してみたり。それが枕専門コーナなどに陳列されているものだと凄い値段だったりする。まああれだ、ステンレスの五層鍋みたいな様々な素材が組み合わされていてみたいな、能書き読むだけで眠くなるような素晴らしいものらしいが買ったことはない。



電池が熱い(11/25)
◆ UPS用バッテリが爆発しそうなほど加熱したという話ではなく、EV用のバッテリやモータなど電力系デバイスメーカの動きが活発になっているというお話である。電池の主流はLi-ion系であり、三洋電機系が工場を新設した話は以前に書いた。このパナソニック&サンヨーは特定の自動車メーカへの供給と言うよりは、果然な独立系電池屋的な動きであると思われる。ただ比較的トヨタ系とのつながりが強いので優先開発や優先供給の話はあるのかも知れない。
バッテリといえばGSユアサなのだが、同社もLi-ion電池の開発に余念がない。供給先は三菱とホンダで、共に合弁事業を行う。日産はNEC系の電池会社からの供給を受けるらしいのだが、NECも電池を作っていたのかというような感じ。日産系と言うことで富士重工とも関わりがあるが、今や富士重工はトヨタか。

◆ 電池競争はエネルギ密度競争でもある。電池各社によって開発コンセプトは異なるようだが、日産リーフに搭載されるのはラミネート型(携帯電話用バッテリの親分みたいな感じか)で質量エネルギー密度は140Wh/kg程度だそうだ。大電流中放電を行う自動車用では放熱対策も重要になり、これが電池の信頼性をも左右するらしい。Li-ion電池搭載EVとしては日本初のiMieV、これにはGSユアサのLEV50型の50Ahユニットが88個直列に使われている。LEV50単体の外形寸法は101.2mm×43.8mm×171mmで重量は1.7kgと公表されている。質量エネルギー密度は109Wh/kg、体積エネルギー密度218Wh/lで最大電流は放電時で300A(約100kW)だ。日産リーフ用に比較すると質量エネルギ密度が低いが、これは日産用がラミネート構造で軽量に仕上げられている為かも知れない。

◆ バッテリの容量や特性はPEVとハイブリッドでは異なると言い、ハイブリッド用だとバッテリ容量は5Ah〜10Ahが主流になるであろうとのことだ。おそらく充放電の過酷さもハイブリッド車なのだろう。トヨタのパワー系ハイブリッド車では10C以上の放電を行うわけで、まさに電動ラジコンと同じような過酷さだという。
もしかするとこの辺りがLi-ion化を難しくしているのかも知れない。バッテリ各社は自動車用のバッテリ需要はそうそう立ち上がらないだろうと予想していたようだ。しかしガソリン代の高騰や低燃費車ブームが追い風となって急速に電池需要は増大したという。同じ事はインバータなどの電力制御機器やモータ本体といった部品メーカにも影響している。いずれも開発に力を入れる或いは企業買収などを行うなどの動きが出てきている。

◆ 一方でガソリン的なものを作る研究も盛んで、新たな遺伝子組み換え技術を使った製造法では現在のガソリン価格程度のコストで合成燃料が作れるのだとか。しかも非食用の藁みたいなものからも作れると言うことで注目されるのだが、いくら非食用とは言っても日本全国で使われるガソリンをそれに置き換えようとしたらとんでもない量の藁が必要になるはず。そう考えると液体燃料でなければ動作しない航空機などにこれが使われ、地上を走る乗り物はやはり電気かな?みたいな感じに思う。



JAL問題(8/16)
◆ 一体いくら金を突っ込めばいいのかみたいなJAL問題、それでも助けなければならないのかどうか疑問だ。企業年金が重荷になっているなどの報道もあるのだが、これって会社が無くなってしまえばそれまでだろう。
もちろん会社に資産があり、それを売却することで年金代に出来るならば良いが、それがないから倒産危機な訳だ。確かに企業年金を積み立てていた人は損失を被ることになるので大変だとは思う。月額25万円とか、国民年金の比ではない額が保証されることになっていたのだから。しかし国民年金だって国に金がなくなったと言っては支給開始年齢を引き上げられるなどしているわけで、一民間企業にあっては相当なリスクも覚悟していなければならない話ではないのだろうか。

◆ 或いは現在の職員の給与を削減して支払い年金にするという、これも国と同じ考えは駄目なのだろうか。国民年金にしたって今後若年層の負担が増えるか、或いは税方式で広く取られていくのか、いずれにしても負担は増えるのである。というか、なぜ国はJALをつぶせないのか。日本各地に作った空港の手前、国交省的にはつぶしたくはないだろう。でも国有にして存続させるだけのメリットがあるのかどうか。まあ国交省には大きなメリットはあるだろうが問題は国民にとっての話だ。ANA一社になったら競争が起きずに航空運賃が上がる可能性がゼロとは言えないが、でもその程度かも。
国際線はJALの方が多いのではないかと思うのだが、客単価が高い代わりに経費も高いはず。非採算の路線もあるだろうからそうそう儲かるというものでもあるまい。いや、儲かっているならANAも独自便を増発するはずだ。

◆ 今後燃料費の高騰などが起きると低燃費型航空機が有利になる。しかしJALは燃費の余り良くない747などを随分抱えている。これを廃棄或いは売却できない理由はSBMがHSDPAエリアを広げられないワケと似ている。つまり747も旧態化した基地局設備も簿価はそこそこ残っているのに対して売却しようとしても二束三文なのだ。
すると廃棄や機材の入れ替えで会社の資産は帳簿上の目減りが起きるわけで、これはやりたくない。すると価値を失った機材が倉庫に眠ったり或いは非効率を承知で使うことになるので収益利率が悪化するし、他社との競争に勝てなくなってしまう。SBMなどはSBMになってから償却期間を延ばして価値なき物に価値を付けるというスペシャルテクニックを駆使しているので余計に入れ替えが出来ない。結局JALにしても帳簿上の数字を守りたいがために投資が出来なくなってしまっている部分も大きいと思う。

◆ 燃料費が上がったとしても航空機は無くならない。それは、航空機を使う以外に高速移動する手段がないからだ。しかし競争が無くならないわけではない。JALが競争に勝てないのは国交省の言いつけを守って非採算路線を増やした事も問題だし、役人の雰囲気が抜けない組合にも問題がある。ようするに民間企業になりきれなかった故の失敗ではないのか。それを改善しないまま税金を突っ込んだって結局は同じ事だと思う。まあ、税金を突っ込む代わりにその税金を払った国民は航空代金を3%引きますみたいな話なら全税収の3%は突っ込んでも文句は言わないけど。



眩しい(11/23)
◆ ずいぶん見かけるようになったプリウス、テールランプはLEDなのだが、それをベストポジションから見るとなんと眩しいことか。指向性があるので少し角度を変えると普通なのだが、真後ろに車高のあまり高くない車で接近するとそのまぶしさに参ってしまう。特に都内の渋滞時などは接近せざるを得ないわけで、しかもLEDなので白熱電球のようにやんわり点灯するではないのでよけい刺激が強い。見やすいストップランプは安全にもつながるのだが、トヨタの場合はどうも考え方というかコストダウンのためというか、照度のピークが高すぎる気がする。おそらくコンデンサレンズ的なテールランプデザインを採用すればいいのだろうが、それだと平均照度が下がる。平均照度を上げるためには高額なLEDに使用個数を増やさなければならない。だったらクリアレンズに近い形でということになるが、そうすると指向性のピークが眩しくなる割に周りから見たときの視認性が上がらない。クラウンは多少金がかけられるのか着色レンズなので少しマシ。BENZも同じく着色レンズだが視野角が狭い気がする。レクサスは半透明の着色レンズなので、これがもっとも普通な感じだ。

◆ もっともLED以外でも、過去にはアルテッツァのテールランプのようにまるでリアフォグか?みたいな設計もあった。最初は改造車かなと思ったのだが一律眩しい設計だそうだ。プリウスのハイマウントストップランプはさほど高輝度ではないLEDを並べた普通のスタイルなので普通に設計されているのだろう。ではLEDストップランプの車が全て眩しいかというと決してそうでもないし、ストップランプの位置が高い車が悪いのかというとこれもそうではない。間に一台車が挟まってくれればもちろん問題はないが、プリウスの後ろを渋滞の中走るのはかなりストレスがたまる。まあドライバは後ろの車のことなど気にもしないだろうから関係ないし、後ろの車の車高が少し高ければこれも問題はない。

◆ 指向性その他は設計やコスト上仕方がないとして、点灯と消灯を白熱電球並のカーブで行ってくれてもういいと思う。視認性という点では急激な点灯の方が効果的かもしれないが、ならば渋滞中は少し優しくしてくれるとか。どうせLEDドライバは定電流パルスなのだろうからどうにでも工夫は出来るはず。まあ、そのコストまでケチると言うことになると駄目なのだが。
ただ他社もあえて照度変化カーブを寝かせるようなことはやっていないのでやはり駄目かな。もし道路が広ければ左に停車して後ろの車にプリウス後方に付いてもらうとかしたくなるほど、あるいは渋滞していたのでプリウスのテールランプにガムテープ貼っちゃおうかなみたいな、その程度の苦痛だったのだ。当然そんなことも出来ないし1車線道路で広くはなかったので左によって止まる事も躊躇われた。しかもそのプリウスのドライバがポンピングブレーキ派なのでチカチカチカチカとにかく目障り。もしやバックミラーでストップランプの照らしを確認しながらチカチカやってるんじゃないだろうなと被害妄想になるくらい。



ポイント交換(11/22)
◆ Yahooポイントというものがある。私もこれが定期的にたまるのだが定期的に失効している。まあたいしたポイント数ではないので失っても痛くはないという訳なのだが、ヤフーリサーチ(か?)に登録しているという人から、最近は現金謝礼が少なくなってポイント化されつつあるとの話を聞いた。これを現金に交換すると価値は85%になるので、同じ額の現金よりは損だ。だが見た目は300円も300ポイントも同じような印象なので、つまりYahooも金がないということか。このYahooポイントを現金化するにはJNBに口座を持っている必要がある。口座を使う人ならば持っていても良いだろうが持っていない人がわざわざ作るのは面倒だし口座維持手数料も必要だ。(特定の条件を満たせば不要になる)他にはSuicaにもチャージできるとあるが、これはYahoo系のSuicaカードが必要だとのことなので、Yahooのクレジットカードを持っている人でないと交換できない。世の中にはYahooのカードを持っている人もいるとは思うが、私としてはソフトバンク系に個人情報を渡すのは極力避けたいと思っているので私の周りの人にも決して勧めない。

◆ あとはJALのマイルにも出来るが2ポイントが1マイルなので何だかもったいない気がする。そもそもJALのマイルの使いにくさは過去に書いたとおりで、一般席がガラガラの路線でもマイルで乗ろうとすると簡単に満席ですと断られることになっている。唯一役に立ちそうなのがnanacoポイントとの交換だ。これならばセブンイレブンやヨーカドーで使えるので少額であれば簡単に使い切ることが出来る。JNBのような口座を作る必要もなく、換金率もJNB同様だ。ただしオンラインでポイントが増える訳ではなく(カード型nanacoを考えると当然か)チャージ機での操作が必要にはなる。

◆ 以前にクレジットカードのポイントを自動的に値引きに充てるものを紹介したが、結局これらのポイントがバラバラに貯まっても使い道がないというか何というかで、特にYahooポイントなんて言うマイナーなものはどうしようもない感じだ。nanacoポイントとの交換は最近始まったばかりのようだが、これを機会にYahooポイントを無駄に捨てないようにするか。といったって交換最低ポイント数である500ポイントに達しないことにはどうしようもない。前回失効したのが480ポイント余りだったので、これでは交換も出来ないわけで結局捨てることになる。オークションの利用料などで貯まるポイントは気にもしないが、それこそアンケートなどで稼いだポイントが失効するのはイヤだろうな。
あとは買い物で貯まったポイントとか。でもまあ失効させないとYahooは儲からないわけで、これはJALも同じで有効期限があるのがやっかいだ。ヨドバシやビックなら最後に使ってから1年(2年)みたいなカウント方式なので問題ないのに。

◆ ドコモポイントも有効期限があったかな。有効期限が来る前に使い切ってしまうというか、そもそもさほど貯まらないうちに使ってしまうことが多いので気にもしていなかった。今はどのくらい貯まっているだろうか、2万ポイントはないと思うが結構貯まった方だ。たまに小物を買ったりするときに使うが、夏モデル以降に使っていないのと夏モデルを買うときにも(たぶん)全てを使わなかったので未だに残っているのだと思う。



スマートフォン(11/21)
◆ 米国でスマートフォン人気が高まり、世界でiPhoneが売れた。iPhone好きな神尾氏に言わせると、夏商戦はiPhoneの一人勝ちだったそうだ。iPhoneが欲しいためにドコモやauの解約者が相次いでいるとも書いている。F1層(若い女性層)にもiPhoneは人気だと言うが、爪の長い女性にタッチパネルは拷問のようなものだろう。こうして神尾氏が持論を展開している隙にiPhoneは売れなくなってしまい、出荷制限解放と共に一時だけは販売数量を伸ばしたもののやがて低迷という流れになってしまった。SBMだけではなくドコモにしても投げ売り端末はよく売れる。Iphoneで投げ売り対象はiPhone3Gの8GB版と16GB版なのだが、どちらもゼロ円なら普通は16GB版を買うとばかりに8GB版は売れない。早くiPhone3GSの投げ売りが始まらないと、来年の夏にはiPhone3GとiPhone3GSと、そして新型が市場に並ぶ羽目になる。投げ売りしなければ売れないとか、投げ売りしても売れない商品を「売れている」とは言わないと思うのだが神尾氏の意見は異なるようだ。

◆ NECがAndroid端末を作るという。iPhoneにしてもAndroidにしても従来型のスマートフォントは少し違うと思う。自由度を剥奪してケータイに近づけたとでも言おうか、そんな感じだ。AndroidやWindopwsMobileはIntelCPU入りのPCみたいなもので、各社のハードにこれを乗せて機能を実現する。iPhoneはMacそのもので単一ハードに単一OS、売るのもAppleだけだ。おそらく単一ハードウエアの商品としての売れ行きを考えるとiPhoneやMacは偉大だと思うが、競争力はどうなのだろうか。もしもNEC製のAndriod端末が売れ始めたら、国内の他ののメーカもスマートフォン市場に積極的になるだろう。今はシャープや東芝が参入しているに過ぎないが、PMCなども作り始めるとケータイと同じような機能競争が起きることは想像に難くない。

◆ そもそも国産ケータイはスマートフォンに勝るとも劣らない機能を搭載し、劣るべき点と言えば拡張性などだったわけだがこれはモデルチェンジによって実現してきた。iPhone発売当時に神尾氏などもOSのアップデートでiPhoneは古くならないのだと力強く語った。だがiPhone3GSを目の前にした彼らは、最新のiPhoneこそ最高のiPhoneであり旧型は駄目だ、遅い、ボロいと言い始めた。なぜか。ハードウエアの機能を向上させなければ売れないからである。AppleはOSを売っているわけではなく、ハードウエアを売って稼いでいる会社だ。つまりは新しいハードウエアが売れてくれないことには儲からないわけで、そのためには毎年魅力的なモデルを出さなければならない運命にある。

◆ 魅力的なハード、少なくとも日本人が魅力的だと感じるハードウエア構成は日本のメーカの手中にある。
その各メーカがAndroidなりで普通のケータイよりも自由度の高い製品をマーケットに送り込んできたら、もしかすると今までより多少は売れるのかも知れない。スマートフォンとケータイの中間みたいなポジションを切り開いてくれたiPhoneは一つのステップとしての役割を担った可能性もある。



HMD(11/20)
◆ ヘッドマウントディスプレイ、メガネ型のそれは数メートル先に数十インチの大型スクリーンを見ているような表示が得られる。構造的には色々あるのだが、小型の液晶パネルと光学装置を組み合わせたようなものが一般的だろうか。これに対して網膜走査型というものがあり、網膜をスクリーンに見立てて直接そこに画像を描いてしまおうというものだ。これだと近視や遠視でも関係なく(設定すれば?)シャープな像が獲られると言うが、眼球の動きを追従するようなことも必要なのかも知れない。

◆ 像を映し出す光源にはレーザが用いられる。ようするにレーザプリンタみたいなもので、高速スキャンをする訳だ。半導体レーザはRGBの3色が必要となり、赤と青は半導体レーザで、緑はDPSS方式によって赤外域のレーザの波長を半分(SHG)にして得る方法が普通だった。しかし近年では緑色のレーザ光を直接出力できる半導体レーザも開発され、半導体レーザによるカラー画像処理の応用範囲が大きく広がったとされる。ブラザー工業が試作した網膜走査型ディスプレイも半導体緑色レーザを使っていて、手に持てる程度の大きさにまで小型化が進んだ。網膜スキャン型HMDは目で見ている像の上に描くようなもので、まあWindowsの半透明なウインドゥって感じだろうか。
ブラザーの言うことには、視野を妨げないのが最大のメリットだという。

◆ 半透明で視野を妨げないというと、同じようなアイディアで自動車のフロントガラスに速度表示するなんて技術があったがやがて消え去った。見にくいか見やすいという前に邪魔なのである。フロントガラスには車内のものが写り込まないように工夫がされているわけだが、あえてその一部をハーフミラーにして速度計を写したのは失敗だったわけだ。ちなみにダッシュボードにモコモコの起毛物を敷いたクルマをたまに見かけるが、アレって反射しないのかな。
反射しようが何だろうがモコモコとビニール製のハンドルカバーが素敵なのかな。

◆ 半導体レーザは比較的発光効率が高いので、これを使った携帯型プロジェクタも考案されている。スキャニングするための機構は必要になるが、液晶方式のようにバックライトを遮って表示するのではないので電力効率が高いのかも知れない。まあこの辺りは液晶テレビも同じ事で、自発光できない液晶の場合はバックライトが必須、プラズマや有機ELは自発光なのでレーザプロジェクタと同じように照らしたいところがその色で発光する感じだ。

◆ デジカメにも小型プロジェクタ内蔵モデルがあり、或いはビジネス用のバッテリ駆動の小型プロジェクタなどもある。(暗いが、部屋を真っ暗にすればそこそこ使える)プレゼン用などで意外に重宝されるこれらの機器にも今後はレーザかが進むのかも知れない。HMDの方は近頃流行の立体画像表示対応とか、その辺りがねらい目か。半導体レーザの場合は量産化による価格低下が期待できる。青色レーザにしてもBDが無かったら量産化されなかったかも知れないのだから。



画像処理(11/19)
◆ auの12.2M画素CMOS撮像素子を使ったEXILIMケータイCA003は、12.2M画素のサイズと画質を維持しようとしながら3倍ズーム機能を実現した。通常ディジタルズームは画像の中央付近を切り取ることで画像を拡大するため画質は荒くなる。この荒くなった画像をディジタル処理によって自然に近づけようというのがカシオの言う超解像ズーム機能だ。
ディジタル手ぶれ補正は一般的だが、これは多数の画像を撮ってそれの位置を調整しながら重ね合わせることによって画像補整をしている。ようするに高速シャッタを切るわけだが、それだと感度が不足するので複数枚を重ね合わせようというわけだ。この理屈をうまく使うと明度方向のダイナミックレンジ拡大も出来そうな気がするのだがどうだろうか。最初は高速でシャッタを切り、最後はゆっくりみたいにすれば良いような気がする。

◆ 多数の写真を合成するという意味では、それらの写真が全くの同一場所を写しているわけではない(ブレがある)ので沢山撮った写真は撮った枚数分の解像度向上が得られるのではないだろうか。
まあ偶然の賜であって、だったらピエゾか何かで撮像素子を画素の半分だけ動かしちゃったらみたいな、いや、そんなことなら高画素素子を固定で使おうと言うことで話はリセットか。まあ可動式にするのは大変なので、やはり手ぶれに任せよう。
手ぶれ写真を多数合成してディジタルズーム時の実質解像度を上げる技術、なんてどうだろうか。
これら画像処理にしても初期の頃は褒められたものではなく、画像処理をイネーブルにすると画質が明確に劣化したものだ。手ぶれ補正にしても輪郭強調がかかったような絵になったりして、特に静止画に処理を行うと酷い感じだった。今では処理技術も進化して手ぶれ補正がイネーブルになっているのかどうかさえ解らない程度になっている。

◆ 以前にも書いたことがあるが、今から15年か20年くらい前に見た雑誌に、ピンぼけ写真をディジタル技術によって修正する技術が紹介されていた。
そうか、画像処理でこんな事まで出来るならカメラにレンズなんか不要になるんじゃないかと思ったものだった。何かしらそこに写っていれば、あとはディジタル処理でどうにでもなる世界だ。実際には何事にも限界というものがあるし処理速度が有限だから好きなようには出来ないが、でもやがてそんな日が来るのかも知れない。メモリだって大量にあればシャッタを切るなんて動作そのものが要らなくなって、カメラは常にイネーブルでドライブレコーダよろしく常に最高解像度で120fps位で動画を撮り続けているとか。その中から自分の狙ったショットの部分を切り出して新たに保存し直すのがカメラマンの仕事、みたいな感じで。

◆ 画素数にしても、今や携帯電話に12Mピクセルなのだから驚く。ウチのEOSは600万画素くらいだったかな。画素数競争は今後も続くだろうし、画像処理技術も新しくなるだろう。この手の高精細技術は日本の得意とする分野でもあり、韓国に負けないように頑張って貰いたいと思う。



無料化反対(11/18)
◆ 高速道路無料化に反対するのはフェリー業界、だけではなく高速バス業界も反対しているようだ。
高速道路が無料化されるとバスを使うより自家用車で移動した方が安くなり、バスの乗客が減るというのがその理由だ。では何故高速道路が有料の時にはバスの方がお得だったのかというと、高速道路代にしても自動車の維持費にしても自家用より商用車の方がずっとお得だったからだ。道路の傷みは単位面積あたりの荷重の二乗に比例すると言われているのに、通行料金は重量級車両ほどお得になっている。勿論これは業界団体の力によるものだが、こうして守られた業界は競争力を失ってしまう。何度か書いているようにタクシー業界も同じだ。

◆ 鉄道は自分で買った土地に自分で線路を敷いて自分の電車を走らせている。バスは車両こそ自分のものだが走っているのはみんなの税金で出来ている道路である。自分たちはカネを出さずに税金で造った道路を使って利益を上げている。NTTは税金で出来ているからダメだという人はバスもダメだと言うだろうか。鉄道の競争力を維持しようとすればバスにも別途道路代を請求しなければならないような気がするし、タクシーだって同じ事だろう。これが重量税などでカバーされているとするならば、自家用車より商用車のそれが安いのは間違っている。

◆ 交通機関は色々ある。航空機も鉄道もバスも、或いは自分で走ったり歩いたりしても良い。利用者は最も自分にマッチした乗り物を選択する。従って価格だけが競争力でもないし、速度だけが競争力でもない。高速道路無料化に対して、特急は特急料金を払っても早く移動できるから良いと言った人がいた。高速道路を特急に例えたわけだが、例えるなら新幹線ではないかと思う。新幹線網によって在来急行などは廃止され、嫌でも特急料金が取られる仕組みが出来てきた。急行で移動しようとすれば長い待ち時間を覚悟しなければならないという、高速道路の整備はするが下道はぶつ切れですよみたいなものではないのか。

◆ 自分たちの業種を保護しろという言い分は解るがキリがない。シャッタ通りとなってしまった商店街を保護するために予算を計上しますかという話だ。だったら過疎の村に小型バスでも走らした方が良くないだろうか。特定団体は保護するけれど過疎の裏の交通機関は作りませんみたいな話は納得しかねる。そもそも公共交通機関と言われる市営や町営バスは収益性の悪いところの利便性を確保するためのものではないのだろうか。しかしいつの間にか公務員待遇が過剰に良くなったために運営コストが跳ね上がり、横浜市などは市営バスを廃止して民間にそこをカバーさせるという、何が何だか良く分からない状態になった。特に老人が多く住む住宅や病院周辺の路線を廃止するという、詰まりは無料パスで収益が上がらないから無料パスが多く使われる路線を廃止してしまえと言う、いかにも公務員チックな考え方での改悪が行われたのである。



たき火(11/17)
◆ 東京近郊でたき火が出来る所など無いかも知れない。
庭で火でも燃やそうものなら119番通報されかねないわけで、サンマを焼いた煙を火事と間違えられたなんて話もあるくらいだ。私は東京の郊外の方で育ったのでたき火の経験はある。敷地の中の枯れ葉や枯れ草を集めて、或いは燃えるゴミを集めて燃やす。こうして燃やした後の灰を道路沿いのゴミ箱に捨てていたような気がする。こうした分散型ゴミ処理によってゴミの排出量を少なくしていた訳だが、その後ダイオキシン問題などが表面化すると家庭でゴミを燃やすのはいけないこととされた。紙やビニールが燃えた臭いは良いものだとは思わないのだが、木々や藁などを燃やした煙というか臭いというかは懐かしく感じる。

◆ 田畑では収穫の終わった後の作物を刈り取って燃やしたりして、田舎の方に行くとそれらの煙がたなびいていたりするのも懐かしく思えたりする。私の育った所にも畑はあったが大規模農家などはなかったので畑でものを燃やしている風景はあまり見たことがない。なので、そんな光景はやはりのどかな田舎の風景として記憶に残っている。作物は炭酸ガスを吸収するが、それを燃やすと元に戻ってしまう。木を燃やして暖を取れば化石燃料を燃やすより良いのだという考え方もあるのだが、炭酸ガスのみではなく木々を燃やして消費してしまう方が問題かも知れない。何しろ割り箸反対派などもいるくらいで、そんな人が木を燃やして暖を取っている光景などを目にしたら大変なことが起こりそうだ。

◆ 漫画などに出てくる、たき火の中に芋を入れて焼いてみるというヤツもやったことがある。しかしたいていの場合は燃やすものが紙くずや枯れ葉なので長時間燃焼していない。ボウッと燃えてさっさと終わってしまうので芋の外側は焦げて内部は生みたいな感じ。なので芋用のたき火をするときにはそれなりの時間燃やし続けるように工夫しないといけない。
世の中で焼き芋というとサツマイモなのだが、なぜかウチはジャガイモだった。たぶんジャガイモの方が安かったというのがその理由ではないかと想像するのだが定かではない。なぜ安い芋だったかというと、それはウチがあまり裕福ではなかったからだ。
そういえば雑煮にも内臓肉(ホルモンみたいなもの)が入っていたりして、雑煮とはそういうものかと思ったら実は違ったという、単に内臓肉は安かったからと言う事だったようなのだ。そもそもホルモンとは「放るもの」→「放るもん」→「ほるもん」だとも言われ、従来は廃棄されていたものだったのである。

◆ 夏にもたき火はしたというか、燃やすものがたまってくれば燃やすのだが夏は暑い。やはりたき火のそばに近寄れる晩秋がたき火の季節だと思う。真冬になるとたき火に当たっている側の体は温かいのだが、反対側は冷え切る。それに関東地方の冬は北風が強いのでたき火向きとは言えない。現在のように住宅が密集しているとは言えなかった時代でも、火の粉が飛んでいくのは駄目だろう。



100万台(11/16)
◆ 少量多品種の時代、ケータイの売れない時代だと言われて久しい。PDCの頃は発売日にドコモショップの前に行列が出来ることもあった。他社に遅れてやっとドコモの携帯電話にカメラが搭載された頃がそのピークだったのかも知れない。現在ほどモデル数が多くなかった為もあるのだが、1モデル数十万台売れなければ失敗だとも言われたものだ。孫さんはiPhoneが他社の他モデルも含めてみても一番売れていると豪語したが、「PDC時代のことは言っていない」なんて後から言い出しそうだ。ではFOMAになって何が一番売れたかと言えばP905iではないだろうか。発売初日に5万台を売り切り、しばらくの間は品薄状態が続いたというのだから凄い。その後5ヶ月間に渡って販売ランキングトップに居座り、販売台数は200万台を超えたとメディアは書いていた。その後は次期モデルの関係もあって販売数量は減少したようだが、果たして生産中止時までにどの程度の台数を売ったのだろうか。

◆ このP905iの開発に関わったという商品企画グループ主事の佐藤恭子さんが女性誌にも取り上げられるなど端末以外の面でも話題になった。えーと、孫さんがiPhoneこそが一番売れていると言ったのはiPhoneの販売台数が50万とか80万とか言われて言われた時期だろう。メモリ容量違いを合計したり新旧モデルを合計したりするが、その理屈で行くとP905iとP906iを混ぜたり、或いは現在に至るモデルまで全部混ぜたらものすごい数になっているはずだ。とは言っても、もしかしたら「スマートフォンの中で売れていると言っただけ」とか「○○社のモデルは除いて集計してみた」と言うのかも知れない。毎度の事ながら、後でどうとでも言い訳が出来るように話を組み立てているのがさすがというか、その位でなければ会社は大きく出来ないだろう。

◆ そんな人気のP905iもやがては売れない日がやってくる。何度も書いているように、売れているものはやがて売れなくなる恐怖にいつも狙われているのだ。
特に個性的な形はそこから先になかなか行きにくいこともあり、或いは売れているのだからと言うことで保守的になりすぎたりして余計に苦しい立場に立たされてしまう。これはシャープのサイクロイドにしても同じだと思う。そもそも画面の向きを換えたいというのはワンセグをフル画面で見たいからであり、その後フルブラウザを考えても横向きは必要かなと言う事で各社アイディアを懲らすことになる。
従来のストレート、折りたたみに加えて複雑な機構を持って変形するなどのアイディアが商品化され、更に最近ではタッチパネルやスライド型も人気が出るなど多様化している。メーカにしても折りたたみやスライドなど複数の外形モデルを出すなど、シェア獲得に一生懸命だ。

◆ 機能などは似たり寄ったりで、選ぶ基準がデザインや色だというのも当たり前な気がする。だからその流れでiPhoneを買ったりすると(当たり前だが)ケータイ同様の機能は有していないので混乱する。特にメールの振り分けや鳴り分けが出来ないのは「え?」という感じだと思う。だからといって比較表を作ったりすれば低機能さが暴露されるし、スマートフォンと比較したってスマートフォン自体が余り売れていないのだから意味がない。



またまた空港問題(11/15)
◆ 先日のダムの話でも少し書いたが、空港だらけのこの日本をどうするかは難しい問題だ。そもそも航空機は短距離を飛ばすのは効率的ではない。離着陸の手続きや燃料消費量、機体の傷みなどを考えると決して得ではないはずだ。羽田空港のハブ化は千葉県の森田知事の怒りを買った。当然である。恐らく日本一の失敗空港であろう成田を無理矢理作り、それでも千葉県はそれによる利益を受けている。さんざんもめたあげくの成田空港を廃港にしてなるものかというわけだ。まあ廃港は大げさだとしても、いずれは一地方空港になってしまうかも知れない。誰だって便利なところの空港を使いたい。これは関西でも同じで関空より伊丹の方が便利だから好まれる。同じように羽田と成田が国際空港となれば、多くの人は羽田を使うだろう。そもそも千葉空港に新東京国際空港とは、東京ディズニーランドより酷い(東京から離れている)名付けではないか。海外から成田に降りた外国人が、なんだこの空港は、ガイドブックで見た東京とは違うじゃないかと驚く。

◆ そんな不便な成田空港のくせに、施設使用料として2,040円を取られるのだ。ちなみに関空は2,650円も取られる。
ではもし羽田が施設利用料1万円だとしたらあなたは使うだろうか。ちなみに羽田と成田の間をリムジンバスで往復すると6千円かかる。これに成田の施設利用料を加算すると約8千円、あとは往復の所要時間2時間半を金額換算するとどうなるかと言うことだ。ちなみに移動に在来線を使うと往復4時間、3千円となる。私はその程度の価格差なら羽田を使うだろう。朝早くの便や最終便が羽田なら使える可能性が多いし、公共交通機関に頼らずにクルマを使えば深夜便でも使える可能性がある。ただ、羽田の場合は地価が高いので駐車料金は高くなるだろう。
これは施設利用料に価格差を付けたと仮定した場合なのだが、こうしたカネも一体どこに消えていってしまうのやらみたいな所もあるので、諸外国空港並みに安くしていただきたいところだ。ちなみにこの施設利用料は空港を運営する会社徴収するようだ。

◆ 千葉県というか森田知事は成田から羽田までリニアモータカーを走らせたいらしい。一体そんなカネをどこから引っ張り出して来るのか?或いは既に計画されている鉄道はどうするのか?地盤の弱い千葉から東京に高速リニアを安全に引けるのかとか、色々な疑問点はあるが鉄道を造ってこそ権力者だみたいな考えでもあるのかな。そんな計画も羽田が日本の代表的空港になれば不要になる。
すると余計な金もかからず、環境破壊も起きないので国民に対してのメリットは大きいが、それを作りたい森田知事にとっては許し難い話と言うことになる。羽田空港の国際線化は自民党時代にも検討された。しかし千葉県側の強力な、いや強烈な反対に屈したと言われている。
千葉ばかりではなく静岡空港はどうなるのかとか、関空は1兆円の負債と共に海に沈むのかとか、大阪の橋下知事は日本にハブ空港が一つでは足りないと、ちょっと無理矢理な理屈を出してきた。そう言えば橋下知事も高速鉄道だかなんだかを造りたいんだったかな。



訳あり商品の訳(11/14)
◆ ネット販売が一般化して訳あり商品といわれるものが広く出回るようになった。従来は廃棄されたり再加工の後に加工食品や動物用飼料などに回されていたものを安く売るというビジネスだ。従来は販売ルートそのものが確保されておらず、一部には店頭販売しているところもあって行列が出来たりするものの全国規模というわけではなかった。
それがネット販売などにより、或いは通販番組によって宣伝されると、安価な訳あり商品を好んで求める層も出現した。同時に訳あり商品を積極的に取り扱うショップも増えたことから、今度は訳あり商品市場が活性化して価格が上昇するという場面になってきた。

◆ このあたりの値付けは難しいところで、訳あり商品には訳あり商品にふさわしい価格がある。しかし訳あり商品ですよ特価ですよと書かれていると、特別な価格ではないにもかかわらず売れてしまうみたいな所もあり、それによって大きな利益をあげるショップも見られる。特に生鮮品などだと定価があるわけではないのと産地や仕様によっても価格差が大きいために何が適正価格なのかがよく分からなくなる。通常3,980円の所を訳あり商品なので2,480円ですよと表示されていたとして、では通常価格でどこかで売られているのかというと、それが見あたらない。でも何となくお得な感じがしたから2,480円で買ってみたら、近所のスーパーでは同じものが1,980円で売られていたなんて笑えないような話もあるのだ。

◆ こうした一種のはやりものは多くの販売者が群れをなしてくるので消費側も注意を怠ってはいけない。おそらくいずれは自然淘汰されるとは思うのだが、たとえば信頼性の高い販売者の訳あり品より小さなネットショップの訳あり品の方が安いとか、そうした差は当然生まれてくるだろうしそれがマーケットというものだ。通常品よりも訳あり品が安いように、百貨店よりディスカウント店の方が安いように、ブランドショップより中国業者から買った方が安いように、ってこれは偽物リスクが高いから当然なのだが、つまり全てが価格に反映されていると言うことになるのだ。

◆ それでもかに肉の缶詰とか明太子など、比較的通常価格が高く、高額だから形の良いものが望まれる商品の訳あり品はお得だと思う。贈答用に向かないのは確かではあるが自家使用なら見た目は盛りつけでカバーすればいい。カニなどは足が取れてしまうと価値半額だそうだが、そうした取れた足などを集めて通販番組などでは売っている。もっともカニは当たり外れが大きいので大量購入はリスクもある。比較的低リスクなのは明太子とか形の不揃いな野菜などだろうか。楽天あたりでもこの商売に目を付けて特集ページを組むなど行っていたようだが、訳あり品を訳ありの楽天かよみたいな気がしないでもない。購入時には安物買いの銭失いにならないように、まずは少量から試すのが良いと思う。特に刺身類やカニには注意したい。



負の遺産(11/13)
◆ 大型公共事業が大好きだった自民党と国交省の時代が終わり、ダムや道路や空港、港建設の見直しなどが勧められる事となった。ダム建設には賛成派も存在していて、地元では7割以上が賛成なのだとか。といっても最初から賛成していたわけではなく当初は大反対運動が起きていた。それがまあいろいろな付帯工事があったり代替地に立派な家を作ってもらったりして気が変わったというわけだ。せっかく変わったその気なのに、今度はダム建設中止だというのだから地元民は混乱するだろう。混乱するとは言ってもそのダム代を払うのは地元民の1万倍以上の人数の国民、そして後世までランニングコストを負担していくのも地元民ではない。地元の人たちはダムがないと生活設計が出来なくなるとも言っているが、ダムが出来れば多くの人がダム代の支払いに苦しむことになるのだ。

◆ 空港も同じである。特定財源消費のためにどんどん空港を作り続けた国交省。そこに航空機を飛ばすために赤字路線を増やされたJALは瀕死になった。ただJAL問題はそれだけではなく、いつまで経っても役所チックな考え方と労働組合が自身をつぶしたとも思える。何もやらずに権利は主張するという役所の体質をそのまま引きずったJAL経営陣の失敗である。公務員が民間企業の経営スタイルに順応できるはずはなく、しかしその首を切れなかった経営陣の責任は大きい。空港問題にしても、関西にはなぜか知らないが3つも空港が集まり、不便な関空は1兆円以上の有利子負債を抱えるのだとか。何だ1兆円か、ソフトバンクは2.5兆円だぜって話ではない。これは明らかなる失敗空港だ。成田だってダム問題と同じく、さんざん反対運動が起きた上に山の中で気流が悪いとか騒音問題があるとかで使いにくい。高速鉄道計画があるが、それでも都心から30分かかる。

◆ 当時羽田空港は拡張が難しいという話で、だったら成田をという計画が1960年代にスタートしたが、今は羽田の方が拡張しやすくなっている。しかし成田に(反対を押し切って)作っちゃったんだからみたいな考えもあるし、千葉県としては手放したくない思いもある。
でも不便なものは不便なんだよな。ということで羽田拡張して国際化ハブ空港案が出てきた。これは正しいと思う。じゃあ関西はどうなるのか?関空はハブ空港にするのではなかったのかという話だが、それは伊丹や神戸の問題が足を引っ張ったとも言える。狭いエリアに3つも空港があり、どこもオレが一番といっている中でのハブ化は難しそうだし、関空は何せ不便だ。まさに成田の再来、関西の成田空港という感じなのだから。他にも空港はいくつもある。静岡はどうなるのかとか、とにかく狭い日本の国土に空港を沢山作っちゃったツケは大きいのだ。この余りまくって使い道に困る特定財源を、空港利用税などの減額に使ったならば日本の空港のハブ化も夢ではなかったかも知れない。
ダムも空港も港も道路も鉄道も、自民党が50年かけて無駄遣いしてきたそれを直すのは大変だろう。大変だろうが、いつかはメスを入れなければならない問題だったわけだし、利権の波に飲まれていれば自民も民主も変わらないとなってしまう。



高速道路(11/12)
◆ 無駄な高速道路とは一体どんな存在なのだろうか。これまで通り高速道路が有料道路であるとすると、その収益性を軸にして無駄か否かを語ることが出来た。東国原知事は宮崎県に高速道路をと叫ぶが、鹿児島から宮崎までの路線の交通量は決して多いと言えないというか、自分の前にも後ろにも車が居ない状態にだって容易になる程度の車しか走っていない。なので有料道路としてみると収益性は期待できず、作るだけ無駄という話になる。では一般道も空いているかというと意外にそうでもなくて車は走っているし渋滞もする。つまり高速道路が高額だからみんな使わないだけなのだ。
たとえば空港から鹿児島市内まで高速道路を使うと1,050円かかるのだが、これはアルバイトの1時間分の時給よりも余程高額だ。だったら下を走った方が良いねと誰もが思うに違いなく、結局高速道路はあまり使われない。

◆ では無料化されたらどうなるのか。収益性という概念が消失するのでその道路が必要か否かは交通量が目安になると思う。現在はガラガラに空いている高速道路の地方部も、もしも無料なら走っても良いかなと思う人が増えると思う。一般道が混んでいれば、インターの不便さもあるが高速を使うという人だって現れるはずだ。これで適度な交通量が維持できれば、その道路は使われているのだから無駄ではないとも言える。もっとも今後の道路建設が必要かどうかという議論は又別問題で、A路線に車が走っているから新たに作ろうとしているB路線も同じように使われるに違いないなんて、嘘つき国交省の嘘つき需要予測みたいな話になってしまう。

◆ 高速道路といいながら対面交通のエリアがある。国交省によると2車線道路を造る費用は1車線道路を造る費用の2倍以上が必要だと、訳の分からない算出をしてくれる。だったら2車線道路を造らずに1車線道路を2本造れば良いではないかと思うわけで、ハイハイではその通りに致しますと片側一車線道路を先に造って対面通行で使わせるというやり方だ。道路工事にダム工事にしろ工期を長く取るほど儲けを出しやすい。従って一気に片側に斜線道路を造るよりも片側1車線道路を2本作った方が役人や天下り団体にとってお得なのだろう。そうでなければそんな作り方はしないと思うし、どう考えたって2本作る方が金がかかるでしょう。この手の道路の作りは山間部などに多い。いかにも片側2車線道路はここには無理なんですよみたいな雰囲気を醸し出してはいるのだが、なら第二東名は?みたいな。

◆ 道路の必要性を訴える人は、この対面通行は危険だから早急に改善してもらいたいという。確かに高速道路として金を取っておきながら一般道と同程度に速度制限されて対面通行とは何事かと、実は私も思ったことがある。今はもう両方向が完成しているかも知れないが九州のえびの付近は対面通行エリアがずっと続いていたのだ。たまたま通ったのが空いていた時間なのかも知れないが、対向車も無ければ自分の前にも後ろにも車が居なくて、もしやこの道路は通行止め区間なの?みたいな不安感すら覚えた。そんな過疎状態の道だったのだ。が、これも無料なら対面通行でも良いかなみたいな所はある。だって無料なのだから。



Y150(11/11)
◆ 大失敗だと言われたY150、中田市長は早々に逃げてしまい責任追及も知らん顔。その後野田由美子副市長が引責辞任するなど波紋を広げている。総事業費120億円で収入が24億円だというのだから、ああそうですかで終わらせるわけにはいかない。景気の良い頃ならともかく、公共料金の値上げや福祉切り捨てなど色々な負担を市民にも押しつけてきた結果の失敗なのだから。協賛企業にしても不景気の中での出費なのだから相応のメリットが得られなければ怒るだろう。中田市長はのほほんと女性を連れて関内あたりの飲み屋にいたそうだが、市民は冗談じゃないよと怒る。

◆ その後メディアに対して中田前市長が招聘した人物である小川氏が反発した。Y150は失敗どころか成功ではないかと。観光客はY150をきっかけに再度横浜を訪れるリピータ観光客となって金を落とすのだから中長期的に見れば成功だというのだ。ネット上での批判に対しても、ネットと言うところは批判しか目立たないところだと言い切る。小川氏からすれば「Y150を失敗と呼ぶのは心の醜いアンチだけ」という事になる。そもそも自治体が行うイベントで成功したのは数えるくらいしかない。この小川氏は愛知万博に関係したと言うことで中田氏が呼んできたのだが、Y150を見る限りその腕はたいしたことがなかったと言わざるを得ない。小川氏としては横浜がどうなろうが金さえ貰えればそれで良いかみたいな請負人なのだから仕方がないというか、一番悪いのは中田氏だろうな。

◆ 以前にも書いたが開港150年以前にもイベントを行ったり、横浜博の時だってそれを絡めたりしているのだから、何を今更な感じはする。そもそも横浜周辺にいても何かピンぼけだったし、何をどこで行っているのかも良く分からず、サイトは重く、イベントはいっこうに盛り上がらず、広報活動だって行われているんだかどうなのだか分からないような中途半端な印象は拭えなかった。

◆ しかし市長も逃げたし副市長も辞任したとなると、一体この責任はどうしてくれるのか。まあ、知らん顔しかないわけだな、行政だから。それこそ需要予測は予測に過ぎないと開き直る国交省の小型版みたいなものだ。100億しか赤字が出なかったのだから良いでしょ、みたいな。小川氏にしても同様で、あくまでも、他人がなんと言おうが俺は成功だと思っているんだと主観を押しつけてくる始末ではどうしようもないだろう。市民も県民も国民も頭の悪いアンチなのだと、きっと言い張るに違いない。例えY150を成功だったという人が一人だけだったとしても、彼は成功だったと言い続けるに違いないのである。
逆に言えば周りや他人の言うことを聞ける人であったなら、ここまでの失敗には至らなかったのかも知れない。会期中にでも方針変更や活動重点の見直しなどが出来たはずだからだ。横浜博にしても(これは民間だが、当初は入場者数が少なくどうしようもなかった点では同じな)ラーメン博物館も、臨機応変な見直しで入場者数を稼いだ経緯がある。



懐メロ(11/10)
◆ 懐メロというその言葉自体がおおいに懐かしい感じがするが、懐かしいと言っても今の懐メロ?は昭和後期か平成前期のものである。平成生まれの人が成人を迎えている訳だから昭和時代の歌は懐メロに違いない。昭和ビジネスの話は何度か書いたが、いわゆるこの世代からもう少し若い層までを取り込むようなCDセットなどは売れ行きが良いと言われ、TV番組も視聴率が取れるのだとか。現代の若者がCDを買わなくなったとはよく言われるが。先日の紙ジャケの話の通り音楽業界にとってオイシイ人たちが懐メロを好む年齢になったと言うことだ。

◆ 団塊の世代の人たちはレコードと大型のステレオ、放送が始まったばかりのFMステレオ放送、エアチェック、オープンリールなんて言葉がキーワードか。その後カセットテープレコーダの登場で録音が凄く身近になったと思う。今ならディジタル録音で編集もランダム再生も繰り返し再生も何でもOKなのだが、当時は自分の好きな曲を順番に録音したテープを作ったり、テープからテープへのダビングや編集を繰り返してノイズが目立ってきてしまったり、やがてハイバイアスのテープやメタルテープなんてものが出現したり、いや、これはかなり近代になってからか。つまり、そうした音楽というものが今ほど手軽で気軽ではなかった。
たとえばレコード盤の上に静かに針を落とすとか、ジャケットからレコードを丁寧に出すとか、そうした儀式を伴っての音楽鑑賞だったとも言えるだろう。

◆ そうした手軽でない部分の特別な感じが良かったのかも知れない。チョークの付いていないキャブ車に乗り込んでエンジンをかけるときの、アクセルを最初に少し踏み込んで加速ポンプを動かしてみたり負圧とセルの回転数の関係を見計らってみたりみたいな、マニアックとまでは行かないけれど少しメカニカルで憧れや拘りのあるようなものだろうか。オーディオルーム、部屋で聞く音を作り上げていくのもそんな世代かも知れない。今はと言えば住宅事情が好くないのは子供の頃から承知の上で、デカいスピーカはおろかラジカセを大音量で鳴らしただけで苦情が来る世の中である。
音楽はイヤホンで聴くものみたいな雰囲気も充分漂っていて、高額なイヤホンも数多く売られている。

◆ おじさん達にアナログレコードや管球アンプがもてはやされているのと、この懐メロ的懐かしの音楽ブーム?は関係があるのだろう。マーケットは若者ではなくおじさんの方を向いたのか。CDを買わない若者なんかどうでも良い、オッサンに買って貰おうじゃないかみたいな感じで。更に1980年代のアイドルブームの中で青春を過ごした人は、そのインパクトが強かっただけに余計に懐かしく思ったりするのかも知れず、それはYoutube画質や音質ではなくオリジナルにもう一度触れてみたい的な、そうそうあのころオレは青春していたんだよなと、やっぱりそれが懐メロなのか。



発言の微妙(11/9)
◆ 選挙の時の報道で知ったのだが、前田武彦さんの共産党万歳事件は今も語り継がれているそうだ。実際の発言がどのようなものであったのかは分からないが、じゃあ古館さんの発言というか失言はいいのかみたいな。このページでも以前に苦言を呈したことのあるFM横浜のDJ、田邉香菜子サンが9月で降板になっていたんだった。田邉香菜子サンは色々問題を起こしていた人らしいのだが、FM横浜も首になっちゃったね、みたいな。元は地元名古屋の局にいて、その後東京の局に。そこを降ろされてしばらくは姿を消していたようなのだが、東海つながり?でFM横浜で活動を再開したようだ。が、言葉遣いの問題とか発言内容問題とか、早口で聞き取りづらいとか、良くも悪くもというか悪くも悪くもみたいな感じで反感を買う一面もあった。

◆ 田邉香菜子さんの降板を決定づけたのは韓国を応援しましょう問題ではなかったかと思う。私はこの放送をナマでは聞いていなかったのだが、そこそこ大きな問題になった。翌日田邊さんは番組冒頭で謝罪するも逆ギレの雰囲気が見られたと言うことで再び話題に。田邊さんは正直というか何というか、自分の思いに反したことは言いたくないタイプなのだと思う。なので韓国を応援したかった自分がなぜ謝らなければならないのだとの雰囲気が過剰に出てしまったのだろう。以降、ネットにはアンチしか居ないとばかりに批判のたびに「私を批判するのは心の醜いアンチだけ」みたいになってしまった。こうなると周りが見えなくなり、批判はおろか意見にさえ耳を傾けなくなってしまう。結果として9月いっぱいでの降板になったのではないかと思うのだが、これに対しても未練というか不満というかが書かれている。降板のお知らせは同ページ下の「TIPS TOWN9月30日で終わります」の方の記事で。この中の3月の事件が韓国を応援しましょう事件そのものな訳だ。

◆ まあ難しいお年頃なのかなみたいな所もあるし、アーティストがよく言う「自分の書きたい作品と売れる作品は違う」みたいな所もあったかも知れない。自分の言いたいこととリスナーの好む所は違っていたわけで、ならばもっとコアな深夜番組などでの担当がふさわしかったのかも知れない。パンツ(下着)はおへそまである、綿でストライプ柄のが良いなんて発言も深夜番組ならその先までOKって所だろう。ちなみに伝説といわれる(本当か?)黒のビキニ姿の写真も保存されている。後ろ姿もあるのだが、気の毒なスタイルになっちゃってるのでリンクは止めておこう。といっても別に脱げちゃってるなんて話ではなくてスタイルが。そりゃあ話屋さんなのだからスタイル云々ではない訳で、いやはや。

◆ 降板が10月になったのには後釜が決まらなかったなどの事情もあるようだ。3月いっぱいでの打ち切りがキリが良かったが急すぎた。10月まで引っ張るのはあんまりではないかと言われたようだが仕方がなかった。結局10月のキリの良い時期に合わせてMITSUMIさんにバトンタッチ。
田邊さんと同じく関西系の方で田邊さんより少し若い30代中盤ではなかったかと思う。田邊さんの番組も途中からは時間を短縮して終焉に備えていたようだが、MITSUMIさんになって、プログラムは従来通りに戻った。



蝋燭後記(11/8)
◆ 4日分にまとめてしまったが、実はもっと多く書きたかった訳で、たとえば命の蝋燭の付け替えにしても様々な人生にその影響が及んだり、時に皮肉な人生が待っていたり、蟹ヱもんの命の値段に対比するような金のないヤツは命も買え無い的な話とか、失業したオトーさんがせめて自分を高く売りたいと死神を呼ぶとか、そんなオトーさんの残したお金を見てほくそ笑むお母さんがいたり、あるいはお金なんかいらない、もっと一緒にいたかったと泣き崩れる家族があったり。
あるいは死神対策法案をめぐる政治家の攻防、その政治家があるとき病に倒れ死神廃止法案を可決に導くべく自ら命を継ぎ足して貰いたいと願うなど、たぶん命を巡る話というのは人間の根底にあるものだけに何が正しいか正しくないかなどは誰にも判断は出来ないものだろう。

◆ そんな話の流れになると死を美化しているなどとして批判があるかも知れない。しかしこの場合は死んで消失するのではなく誰かに付け変わるだけ、臓器移植の延長みたいな感じだと思えばいいかも知れない。そして100%の付け替えではなく、自分の分も少し残せたりと嫌らしい設定にもしてみた。その時は90%の命を付け替えても良いと思った人が、残り10%を生き抜く間にどんな心境に変化が出るのか。もしも残り10%の期間の中に恋をしたら命は惜しくはないのだろうか。結婚し、子供が出来、それでもタイムリミットがそこに来ているとしたらどうだろうか。

◆ 実はもう一本お話を作ってあって、それはまあ探偵というか素人探偵というか、そんな話なのだが短くまとめられそうにないので公開できない。というか全編完結していないというわけで、それより先に蝋燭のお話が出来ちゃったというか、まあそんな感じなのだ。でもこのページに書くスペースが余ったので最初の部分を載せてみよう。ちなみに続きは書くかどうかは不明なのであしからず。

◆ 誰からの電話だろう?知らない番号だな。その電話がかかってきたのは木枯らし一号が吹いたとかテレビで言っていた頃だったっけ。 「もしもし、坂巻さん?あの、石川ですけど」 …石川って一体誰だ?「あの、小学生の時の、6年3組で一緒だった石川敦ですけど、思えてませんか?」 いきなり小学生の同級生を名乗る石川と言われても、何とも返事に困ってしまう。
実際頭の中はフル回転で過去の記憶を呼び戻そうとするものの、20年以上も前の事なのだから脳みそのシワのその下あたりに記憶は格納されてしまっているわけだ。 でも待てよ、石川と言えばあの坂の途中の家に住んでいたアイツか? 確か兄さんがいたはずで、ウチにも何度か遊びに来たアイツじゃなかったか?だんだん話が通じてきた石川は、しかし何故今頃になって私に電話をしてくるのか。 石川は「三ノ輪由美子を知ってるよね」と言うが、これまたそんなにすぐには思い出せない。 話の流れを組み立てながら、三ノ輪と言えば… 探偵になりたいとか何とか言っていたあの子かな?ショートカットの。 「そうそう、その三ノ輪が探偵事務所をやっていて、何かの事件を手伝って欲しいって言うんだよ。」 しかし何故石川が? 「俺の所と、佐々木保子の所にも電話があったそうなんだけど、とにかく集まって欲しいと言われて、つまり俺が坂巻を呼ぶ係にされちゃったわけだ」 呼ぶ係って、いきなり呼ばれたってな、困るよ俺は。



蝋燭4(お話)(11/7)
◆ 何で俺は川に入って子供を引き上げたんだろう。なんだか良くわからなかったが、咄嗟にそうしていた。
じゃあ何だか解らないが、咄嗟に死神を呼んでみようか。自分はステキな人生を送った。若い頃は何でも思い通りに動かせるくらい、毎晩のように銀座で飲み明かすくらい、好きなものは何でも手に入れ、車も高級時計も好きなだけ買い、飽きたら捨てた。
そんな嫌らしい人生の後には金はないが暖かみのある世界も知った。普通の人が60年も70年もかけて、いや、100年かけても経験できないようなドラマを駆け足で見てしまったではないか。後何がある?俺に出来ることは何がある?今ここに将来も未来もある子供が横たわっている。託した方がよくないか?

◆ 彼は死神を呼んだ。呼び方は解らなかったが、死の臭いにやつは敏感だろう。何となく意識がもうろうとする、その心に恐怖が忍び寄る。幻聴か?声が聞こえる。死神か。俺は死に神に聞いてみた。残りの寿命はどの位なのかと。死に神は、命を誰かに譲るのならば残りの寿命を教えてやるという。ホームレスは隣のベッドで蘇生措置を施されている子供に命を譲ると、ただし1ヶ月間自分の命を残したいと死神に言った。死に神は笑いながら、その子供は50歳まで生きられる、オマエは1ヶ月で死ぬと言い残して姿を消した。何が原因で死ぬのかな。病気か事故か災害か、いや、今となってはどうでも良いことではあるしその時が来れば嫌でも解るだろう。その日まで、いや、もう一つ彼には計画があったのだ。

◆ 50歳か、言わなくて良いな。ホームレスはその子供にも、子供の親にも子供の寿命を告げるのはやめようと思った。たぶん子供は息を吹き返し、医療チームの功績が称えられ、両親も親戚も喜ぶだろう。死期が40年も遅くなったのだから良いじゃないか、なあ。ホームレスは隣の小さな女の子の方を見て心の中でつぶやいた。

◆ 病院で治療を受け、久しぶりにうまい飯を食わせてもらい、河から引き上げてくれたことだけを感謝され、少し上等な着替えを頂き、ホームレスは病院を後にした。銀杏舞い散る歩道の上に公衆電話を見つけ、彼は電話した。「もしもし、蟹ヱもんさんですか?私はあと50年の命があると死神に言われています。いえね、あなたに命を譲る契約をさっき死神としたんですよ。もし要らないと言われるなら他の人に付け替えてもらいます。50年分、買いませんか?300億円で。」もちろん嘘だった。彼の残りの寿命は1ヶ月しかない。

◆ 神様にお願いする人がいる。合格祈願などを。でも神様って他人を蹴落として自分が合格しようという欲に満ちあふれた願いを聞いてくれるのだろうか。反対ではないのか?合格できたのは神様のおかげですと信仰を厚くするのが正しくはないか?蟹ヱもんはどうだろう?金で命を買うのはきっと正しくないはずだ。
このホームレスの男のように、騙すやつだっているのだから。
おわり。



蝋燭3(お話)(11/6)
◆ 金に寄ってきた女に騙されたこともあった。でも彼は騙されたとは思わなかった。女を信じたのは自分なのだから、すべては自分の責任で、すべては自分の思うように世の中が動いただけだと思った。金が金を呼ぶかのごとく資産は増えたが、逆に彼が信じられるものが金だけになってしまったような気がした。男も女も自分に寄ってくる。自分の魅力なのか金の魅力なのか解らないし、そう思うと被害妄想に陥ってしまう。少々浪費したくらいでは目減りの量すら解らないほどの資産を持っていながらも、いつか失う日が来るのではないかと思う恐怖感が時に耐え難かった。そんな時である、当時成長を開始した中国企業に投資しないかと話を持ちかけられたのは。その企業はブラジル系の中国企業であるALBAJA(アルバハ)である。

◆ 彼は財産のほとんどを投資することにした。金に対する、いや、金額に対する麻痺というのか、数百億の投資にもあまり不安は感じなかった。投資後アルバハは年率10%を超える成長を続け、彼は巨額の配当を受けるも、さっさとそれを再投資に充てた。こうして利益が利益を生む構造の中で、彼の資産は自動的に増えていったのである。彼は口癖のように言った「中国があるから大丈夫」「いざとなればアルバハを売ればいい」。だがそれは突然やってきた。アルバハの事実上の倒産である。
何が何だか彼には解らなかった。決算報告資料では毎回素晴らしい事が語られていたし、有利子負債も順調に減っていると言われていたのだが、それが実は社債発行による付け替えにすぎなかったのだという事は破綻のそのときまで彼には解らなかった。

◆ 一文無し、まさに一文無しになった彼の周りからは人々が、まさに蜘蛛の子を散らすように去っていった。当面の生活には困らないまでも、それまでの生活を続けて行くだけの財力はもはや無かった。働こうかと職探しをするも、どうやって働いたらいいのかすら解らなかった。彼は全てを捨てた。わずかな貯金はそのままに、ホームレスの世界に足を踏み入れたのだった。縄張りだ何だと厳しい世界がそこにはあったが、逆に人の温かさに触れられる一瞬もあった。ホームレスはみんな金がない。ホームレスになる前が貧乏だろうが金持ちだろうが、そんな事は関係ない。だって今は皆ホームレスなのだから。金でもなければ地位でもない、人間としての生き様がそこにあるように彼は感じた。居心地がよかったのである。

◆ 生活環境は苦しかった。炊き出しに行って飯にありつき、空き缶を売って小遣いを稼ぎ、たまに粗大ゴミを拾ってきてはリサイクル店に持ち込んで現金に換える。夏は裸になっても暑く、冬は猫を抱いても冷えきり、しかし北国のホームレスよりはましだよなと仲間とたき火をするその炎は暖かかった。それまでは年額56万円もの健康保険料を払っていた彼も、たった月額1,500円が払えないがために無保険者になった。国民健保を払わずに貯金していたら、少なくとも医者には行けたな。彼は時々そう思った。



蝋燭2(お話)(11/5)
◆ 子供の姿が見えないことに最初に気づいたのはパパだった。あれ?亜希ちゃんは何処に行ったんだろう?開けた河原で視界は良いのだが、子供の姿はそこになくなぜかトンボばかりが目に付いた。パパはうとうとしていたママも起こして子供の名前を呼ぶ。ママも亜紀ちゃ〜んと呼ぶも返事がない。まさか川になんか入っていないだろうな。二人は少し焦り始めるも、草むらからひょんと出てくるかも知れないななどと思いながら付近を探し続けた。しかし亜紀ちゃんの姿は見えない。ママは一応警察に届けた方が… と半泣きの顔になっている。何事もなければそれで良いが、一応届けようか。パパは携帯電話を手にするが、残念ながらその場所でハードバンクのケータイは圏外だった。少し場所を変えてみたが圏外のまま。パパは少し下の方まで行ってみるとママに言い残して車に乗った。川沿いに1kmほど走るが圏外のまま、焦り始めたパパはたまたまそこを歩いていた、付近の住民だと思われるおばさんに事情を話して携帯電話を借りることが出来た。

◆ すでに秋の短い陽は西に傾き始め、晩秋のススキも長い影になっている。電話をして元の場所に戻り、不安そうなママを気遣っていると駐在さんがやってきた。
どこからか付近に住むと思われる人たちも集まってくれて亜紀ちゃんを捜す。2時間か3時間かが過ぎ、夕日が山陰に姿を消そうとしているとき、駐在さんの所轄系が鳴った。10kmほど下流の方で子供が見つかって、病院に収容されたという。ここの捜索は我々に任せて、とりあえず病院で確認してくれないかと駐在さんに言われ、パパとママは祈るような気持ちで病院に車を走らせた。

◆ 川に浮かぶ子供を見つけて通報したのは、その辺りをねぐらにしているホームレスの男だった。これから厳しい季節がくるな、段ボールハウスだけで冬は乗り切れるだろうかと川を眺めていて気づいたのだ。ホームレスの「人がおぼれているぞ」の声に気づいた人たちが119番通報し、ホームレスは冷たい川に入ってその子供を引っ張り上げてきた。子供は息をしていなかった。
ホームレスも唇を紫にして川岸にたどり着いたほど水が冷たかった。やがて到着した救急車でその子供と、半ば意識朦朧となったホームレスも病院に運ばれた。

◆ ホームレスの男は朦朧としながら、救急隊が子供の心臓マッサージをしている姿を見たが駄目そうだった。
全く反応がない中救急隊は一生懸命に蘇生措置をしていたが、駄目そうだった。子供の顔は真っ白で、優しい顔だった。ホームレスは思った、蝋燭を譲ろうか。
そんな話は世間でささやかれていたからホームレスも知っていた。いや、ホームレスは思っていたのだ、有効な命の活用法はいくらでもあるのではないかと。そして今がそのときなのではないかと。ホームレスは救急車のサイレンの音をぼんやりと感じながら今までの人生を振り返っていた。俺は果たして幸せだったのだろうかと。ホームレスだって最初からホームレスだったわけではない。若くして事業を興し、30代の頃には青年実業家と呼ばれた日もあった。不動産事業で大きな利益を上げ、買収や投資によって巨額の富を持つまでになった。女にももてた。自分がもてていたのか金が人を引きつけたのかは解らないが、常に華やかだった。続く…



蝋燭1(お話)(11/4)
◆ 蟹ヱもん、世間の人たちは彼をそう呼んだ。ITバブルの中にあって企業買収などを繰り返し、若くして巨万の富を築き上げた彼はメディア露出度も高く人気を博した。「金があれば何でも手に入る」彼の言葉に反感を示した人もいたが、逆にその自信と傲慢さがさらに人々を引きつけもした。そしてさらに彼を有名にしたのが命の蝋燭買います事件だった。いや、事件とは言えないかも知れない。彼は絶頂の人生を送っているかのように思われたのだが、ある時の健康診断で癌を宣告されることになる。若さ故なのか、余命1年は彼にとってはあまりに短すぎる時間だった。

◆ 命の蝋燭という話があるが、まさにそんな風な寿命の付け替えの話が徐々に世間に広まっていた。人々が死神と呼んだソイツが命の付け替えを行うというのだ。世間では倫理上問題があるとか死神は即刻捕まえるべきだとか、いやいや命に値段を付けて売買するのは本人の勝手だとか、様々な意見が出るも相手が死神だけにどうにもならない。世間がなんと言おうが死神は希望する人の間で命の付け替えを行う。それはもはや人間の力の及ばない世界の話であり、警察も政府も全く手が出せなかった。むしろ積極的に動いたのは新興宗教団体で、死神をまつるかのような布教活動や死神エージェントだと言って金を稼ぐような詐欺集団が横行することになり、警察の餌食になったのはそんな人間たちだった。

◆ 蟹ヱもんは「命買います」の広告を出した。金さえあれば何でも手にはいると豪語したその男は、自らの命を金を使って延長しようとしたわけだ。これは大きなニュースになったが命を売るものが現れなかったのだ。
蟹ヱもんは当初100億円の価格をつけたのだが、世間は彼の足元を見た。資産数千億円の中のたった100億か、みたいな感じもあっただろうし、自らの命を売ってまで蟹ヱもんを助けるか?というような冷めた気配が漂ったのもまた事実だった。もちろん世の中には無償で命を提供する人がいたりして、そうしたケースでは提供者が明らかにされるケースは少なかったのだが、不治といわれた病状から脱出できた人や、事故などからの奇跡の生還の話題がたびたび報じられていた。

◆ 秋の行楽シーズン、紅葉を見に山に出かけるのも川辺でバーベキューをするにも良い季節である。夏の水遊びもおもしろいが、気候のいい中で遊ぶのもまたおもしろい。そんな秋の休日に相模川上流でバーベキューをする家族がいた。買ったばかりのワンボックスカーに荷物を詰め込み、川辺で子供を遊ばせ、バーベキューで腹を肥やした。小学校3年生の一人娘につきあってママは川で遊んだ。前日から用意や運転で疲れたパパはビール片手に秋の日差しの中でうとうとしていた。
バーベキューの残炭の暖かさを日差しが手伝い、晩秋とも言える季節にしては心地良いのだった。子供もさすがに冷たい川には入らないし、ママもビールをもらおうとパパのところにやってきた。残炭で少し焼けすぎたかなと思う程度のフランクフルトが、逆にパリッとした歯ごたえを感じさせてくれた。
続く…



iPhone(11/3)
◆ 買った月にはいろいろと使ってみたしアプリもダウンロードした。プリペイドカードを買って有料アプリだって入れてみた。しかし2ヶ月目以降は殆ど使わなくなり月額554円マシンになってしまった。おそらく使う人は沢山使うのだろうし、2ちゃんねるマニアな方もビューワとして便利に使っているのかも知れないが私はあまり2ちゃんなるは見ない(用事があれば見る)ので特に興味はなかった。自宅サーバを建てている関係でPCからは2ちゃんねるへの書き込みが出来ないが、これもiPhoneを使えば可能になる。が、問題は文字入力の面倒さで、そこまでして書きたいこともないなと思うと足も遠のくというものだ。

◆ その後子供のオモチャとなるが、やはりケータイにはかなわないと言うことでパケットは使われない。たまにタダ友連絡用として使われているが、今度は通話中切断が酷くて使いにくいという。これはiPhoneのせいだけとは言えずSBMネットワークによるところも多分にあるとは思うのだが、その都度通話が中断されるのはやはり使いにくいと言うことだ。ちゃんと比較したわけではないのだが切断も含む通話品質は810Tの方がマシではないかと思う。やはりiPhoneは通話用と言うよりはビューワなのかも知れない。

◆ iPhoneの良い点はどこだったのか。液晶はケータイに比較すると解像度もコントラストも低いのだが、反面バックライトは眩しいほどに輝いてくれる。iPhone3GSは自動照度調整に対応したらしいがiPhone3Gでは屋内外で照度を切り替えるのが面倒に感じた。(そのくらい明るい)音の大きさも立派かなと思う。ケータイでは普通なステレオスピーカでこそ無いが、そもそもあの小さな筐体にステレオが必要なのか否か(ケータイだと3スピーカモデルもあるけれど)という議論になるかも知れない。サラウンド機能などを使うとなるほどというようなセパレーションを体感できるが、所詮ケータイのスピーカの世界なのだ。よりよい音質を求めるならばイヤフォンを使うべきであり、そうなると本体がステレオスピーカ搭載かどうかはあまり気になるものでもなく、むしろ明瞭な大音量が出力できるかどうかが問題になる。この点で行けばiPhoneはそこそこ立派だと思う。その他描画処理関係は何度も褒めているのでここでは割愛。

◆ 今更iPhoneインプレッションでもないが、時期を見て解約しようと思っているので思い出にという感じだ。
事前にソフトバンクショップで、解約時に何が必要かみたいな話を聞きに行った。ショップのオネーさんはなぜ解約するのかというので飽きたからだと答えたら、最近iPhoneの解約が多いんですよね〜と言っていたっけ。「投げ売りで買った人は気楽に解約が出来るからではないですか?普通の人には使いにくいし」と言っておいたが、オネーさんも変に納得?している様子だったのが印象深かった。普通のケータイならば普通に使えますからと言われたが、普通のケータイは契約がありますからと答えておいた。なんだか、それも解約しますと言うとオネーさんが気の毒な感じがして言えなかった。まあどちらにしても解約に向かうのは間違いないわけだが。



カーナビ(11/2)
◆ BENZ純正DVDナビのボロさは何度か書いている。500mスケールならば道路が標示されているのだが、1kmスケールにすると高速道路と一部主要道路以外は表示されず航空写真のような画面になってしまう。これだとおおよその方角は分かっても、そもそも道路が標示されないのだからナビとして役に立たない。結局目的地を調べた上でその住所を入力してルート案内させるような使用法になる。また目的地が道路上に乗らない場合はさらにやっかいなことになり、もしも高速道路優先設定で一般道を走行すると、リルートしながら何が何でも高速の入り口に誘導しようとする。たとえば(あくまでも例)東京駅の丸の内口から八重洲口まで、しかも目的地が幹線道路から離れている場所を住所指定したとして、高速道路優先設定をすると延々と首都高速を走り続けるルートを案内されるのだ。ちなみにこれ、たぶんPanasonic製である。

◆ こんな使えないナビはさっさと捨てて社外品を買おうかと思っていた時期があったが、ケータイのナビがそこを補ってくれるのでそれを併用していた。
確か以前はゼンリンの地図が無料コースでもナビ機能を持っていたと思ったのだが今はそうではない。以前にゼンリンのナビ機能で音声案内させたことがあったのだが、あれは無料期間内だったのか?それとも一時期有料契約していたときだったのか?あるいは以前は無料だったのか?今となっては良く覚えていないのである。ゼンリンの地図が有料でもGoogleMapは無料でナビ機能があり、こちらもなかなか便利だ。
地域検索などもゼンリンの地図より余程優れているのだが、ベクタ地図ではないので高速スクロールには追いついてこられない。このあたりはスタンドアロンに地図を持ったカーナビと通信型ナビの違いなので仕方がないが、カーナビがTV解像度であるのにたいしてケータイならばFWVGAなのだから表示範囲の差も大きい。以前はPanasonicのVGAナビを使っていた時期もあったが、はやり解像度はものを言う。特に地図などを見る場合にそれは顕著で、解像度が高ければ縮尺を上げても字がつぶれにくいので多くの情報が得られる。最近のナビはワイドXGAパネルなどを使うのでかなり良くなっているとは思うのだが、悲しいかなBENZ純正ナビはボロなのだ。

◆ カーナビ出始め当時はグラフィック描画能力が低く地図のスクロールにも時間がかかったものだがそれも昔話だ。おそらくXGAナビでも十分な描画速度が得られていると思うが、価格は高めの36万円也。だったらケータイの方が良いかなぁと、それはおんぼろとは言ってもBENZ純正ナビが付いているからかも知れないが、年に何度も使わないルート案内ならばケータイでそれこそ十分だからである。GoogleMapに注文を付けるなら、交差点案内などでストリートビューに切り替わるのだが、それを全国網羅して欲しいと言うこと。
まあタダで使わせていただいているのだからあまり文句を言ってはいけないが、結構便利なものだから。

◆ GoogleMapの検索機能はさすがといえるレベルで、逆にゼンリン地図のショボさが見えてしまう。すべての面で完璧というか自分の好みに合うものを探すのは大変だとは思うし、時によっていくつかの地図を合わせて使った方が良いのかも知れない。ちなみにBENZのナビは施設名での検索が殆ど出来ない程度の情報しか持っていないのでこれはナビとしては論外なレベルだ。



E-CELLプラス(11/1)
◆ BENZのEVコンセプトは3種類、PEVとハイブリッドとFCEVだ。既に先行量産モデルは公開されており、136馬力のモータと18kwhのLi-ionバッテリ搭載で航続距離は100kmと言われる。基本的にはPEVとしての利用になるはずだが、非常用?として小型のターボチャージド1リッターエンジンが68馬力を発揮してバッテリを充電する。これにより航続距離は600kmまで伸びるという。完全なPEVにせずに発電機を搭載したのはインフラ事情を考えてのことだろう。インフラ整備がされれば邪魔な発電用エンジンを外してモデルチェンジすればいい。このあたりがシリーズハイブリッドというかEVベースのハイブリッドの利点に違いない。実際の市販は来年になる見込みだが、ハイブリッド分野では大きなアドバンテージを得ていたトヨタの立場はどうなるのか。

◆ 欧州の他のメーカもEV開発には積極的であり、下手をすると日本が追い越されてしまう可能性もある。環境に敏感な欧州故、もしかすると日本よりもマーケット規模が大きくなる可能性を秘めているのかも知れない。
実際ディーゼルにしても、ディーゼルに乗っているからエコなんだぞコラ!みたいなディーゼルハイパワー車乗りが少なくはなかったといい、そんなディーゼルベースのハイブリッド車も開発されている。おそらく流れ的にはハイブリッドよりもPEVなのだろう。ただしインフラ整備の関係もあるので急速には進まない。だったら充電器部分はなるべく軽く小さくということで空冷2気筒エンジンに小型発電機なんて駄目だろうか。
まあBENZのEVにしても1リッターターボエンジンで68馬力を発生するわけだが、もっと小型でハイパワーエンジンだって使えるはず。これもシリーズハイブリッドだからこそというメリットで、高回転型発電機と高回転寄りでもさほど効率の落ちないエンジンを使えば低回転大トルク型エンジンより燃費は悪くなると思うが形状は小さくできる。ようするに発電部分を非常用と考えるのか常用するのかの違いだ。

◆ 常用するとなると騒音や振動も抑えなければならず、トヨタのHS250hなどはモータの駆動用インバータの音がうるさいとクレームになるくらいなので重要だ。しかし「これは非常用です」とすれば単車のエンジンみたいなもので何とかならないだろうか。それこそ定速定負荷で回せるならばロータリエンジンだってさほど効率が悪いわけでもなく、しかもクランクセンターが高いのでモータに直結しやすいし排気音はうるさいがエンジン自体の振動は少ない。定負荷運転ならワンロータで十分だろうし何より小型軽量化が可能になる。
定負荷定速運転を行うためにはPEVがベースである必要があり、マツダが開発しているようなハイブリッドベースではエンジンを定負荷運転するのが(バッテリ容量の関係で)難しくなってしまう。もちろんバッテリは高額なので搭載量を減らしたハイブリッドの方が安くはなるが、つまりはPEVベースにすることが出来るか否かと言うことなのだ。



VC