太陽ポリマーを試す
ポリマーシークなどでお馴染みのポリマー加工だが、これのアマチュア用?が発売されている。
詳しくは発売元のサイトをご覧頂きたいが、ここでモニターを募集していたので早速応募した。
ら、当選したというかモニタになることが出来たのでここでレポートしたい。
なお商品は無料で頂いたわけだが、評価はこれまで通りと同じだ。
商品を貰って甘い評価をしたのではどこかの宣伝サイトと同じになってしまう。
送られてきたのはポリマーと下地処理剤とスポンジだ。
この素っ気ないボトルと言い、エアキャップでくるんだだけの梱包と言い、私は好感が持てた。
日本製のワックス類は過剰とも言える包装で飾られているが、私の欲しいのは中身であって箱ではない。
ワックス類ではないが、最近は市販のボトルに入れてシールを貼っただけという商品もある。
これなど使い終わったボトルのシールを剥がせばそのまま他に使えたりして便利だし、日本の包装も簡易化に向けてもっと進んでも良いと思う。
話がそれた。
まずは下地処理剤で古いワックス成分を落とすところから始めるのだが、今回は念を入れて鉄粉除去も行った。
本来なら極細目のコンパウンドで傷取りを行うべきであろうが、時間の関係もありそこまでは行わなかった。
この下地処理剤はアルコール系溶剤のニオイがする。
見た目は水の方にサラサラで、これで本当に古いワックスが取れるか..と思いながらボディーにスプレーしてスポンジで擦る。
この下地処理剤は乾かしてはいけないそうで、一通り擦り終わったらすぐに水で流す。
手前側が下地処理した部分、向こう側は鉄粉除去のみだ。
手前側にまったく水玉がないのがお解り頂けるだろう。
この下地処理剤だけ(シャンプーとセットで売っている)でも買う価値はあるかも。
(笑)写真は下地処理完了、何も塗っていない状態である。
ルーフの様子
下地処理が終わったら水分をふき取ってしばらく乾燥させる。
どうやら太陽ポリマーは水分反応型ではないかと思われるフシがあるからだ。
乾かしたらポリマーを塗布する。
と言っても難しいことはない。
ボディーにポリマーをピュッと出してスポンジで伸ばして行くだけ。
この点ではポリラックに匹敵する簡単さである。
ワックスなどでは「薄く塗る」事が取り説に書かれている場合が多いが、ポリマーは厚く塗った方が良いとのこと。
この段階での塗り斑は気にする必要はないが、未塗布部分が出来ないように注意したい。
(写真は手前側が未塗布部分、向こう側がポリマーを塗った直後の状態)
発売元サイトに書かれている説明を元に作業を進めているわけだが、ここに乾燥時間が書かれていない。
すぐにふき取って良いのか、乾燥工程が必要なのかは不明だが、塗っている時に「これは激
艶クリアーと似ているな」と思ったのだ。
何となくネバッとしていて、でもサラッとしている。
なので、激艶クリアーの時と同じく塗面が虹色に変化してきた辺りでふき取りを開始した。
ふき取りの感じも激艶クリアーそのものだ。
ふき取ってもふき取っても虹色がなかなか消えず、ムラになる。
これも激艶クリアーの時と同じように、タオルの新しい面を使いながら何度にもわけてふき取る。
いや、ふき取ると言うよりは塗面を撫でる感じか。
だから力は全然必要ない。
新しいタオル数枚を使って塗面を撫でで居ると、やがて光沢が生まれ虹色のむらは消えていく。
一旦拭いた面はある程度時間をおいて再度拭いた方が良い。
これがコツかも。
この乾拭き状態でもツヤもムラも一応のレベルには仕上がるが、最後に固く絞った触れ雑巾で軽く拭けば完成である。
激艶クリアーとの違いは最後の水拭きの有無でしかない。
なお同サイトによれば、本来の性能?になるには2日後の洗車を行ってからだという。
写真手前は何も塗っていない部分、ボンネット中央より向こう側は太陽ポリマー処理が終わっている。
写真では解らないが、中央にクッキリ線が入るようにツヤが違う。
ボンネット部の拡大写真、中央部に線が入っているのがお解り頂けるだろうか?
磨き傷消し能力を見てみた。
これは何も塗っていない部分。
ポリマーを塗った部分は傷が目立たなくなっている。
(ピンぼけになっちゃった)
何も塗っていない部分にイオンコートを塗ると..
同じように傷が消えるが、皮膜が厚い為なのかポリマーの方が有効な気がする。
同じようにzymolを塗ると明らかに美しくなっていることがお解り頂けるだろうか。
比較用にポリラックを使おうと思ったのだが、どうも太陽ポリマーにはテフロンが含有されているらしい。
だとすると撥水性もあるはずなので、イオンコートを比較用に塗ってみることにした。
手前側がイオンコート、奥側がポリマーである。
ツヤの差は肉眼では全く解らない。
別の角度から目を凝らしてみても解らない。
ただし本来の性能が出るのは一回目の洗車後と言うことなので、実験&レポートは継続したい。
翌日にA-160にもポリマーを塗布した。
例によってボンネット半分半分としたが、こちらはポリラックとの比較である。
手前側が太陽ポリマーで奥側がポリラックだ。
塗布にあたっては下地処理を行ったのは言うまでもない。
ツヤの差だが、(ポリマー部に磨きをかけると差は殆ど無くなるが)一言で言うとポリマーの方は「深いツヤ」でポリラックの方は「透明感のある明るさ」だ。
このポリマーのツヤの感じは激艶クリアーのそれと似ている。
若干暗いような奥行き感を感じさせるようなツヤと言ったらいいだろうか。
ポリマーは塗面への付着厚が数十ミクロンあるそうで、これが若干暗い深いツヤを生み出しているものと考えられる。
ポリラックの方はもっとストレートで、明るく輝くようなツヤになる。
この差はほんのわずかなもので、ポリマー側に磨きをかけると目視でも殆ど解らなくなってしまう。
磨き傷の消え方はポリマーもポリラックも全く差がない。
本来なら激艶クリアーとの比較を行ってみたいものなのだが、激艶クリアーは使い切りタイプなので一度開封したら使い切ってしまわないともったいない。
(A-160クラスだと2台分以上は楽に塗れる)これも機会を見てやってみたいとは思っているのだが、これから気温が上がるシーズンになると激艶クリアーは若干塗りにくい(塗面が熱いとムラになる)のだ。
2日が過ぎたので洗車してみた。
と言ってもわずかにホコリが付着している程度でボディーの汚れは少ない。
ボディーに水をかけてみるとポリマーの撥水性の弱さが改めて感じられた。
が、ワックスなどを塗っていない場合と違って水がべたっと付くことはつくのだが、やがて水が流れ落ちてボディーは乾いてしまうのである。
まずは水をかけた直後の写真
手前側が太陽ポリマーで、奥側がイオンコートである。
太陽ポリマー側に水が余り残っていない事がお解り頂けるだろうか。
そして数分後にはこうなる。
ふき取りがいらない程度に水が落ちてしまっている。
ボンネット傾斜が余り無いSLでも水が流れ落ちてしまうわけで、A160だと水をかけた直後から水が流れて乾き始める。
これは水をかけたまさに直後(片手にデジカメ、もう一方の手でホース)なのだが、手前側のポリマー塗布部も奥側のポリラック塗布部も水玉が余り着かないが、特にポリマー側は細かな水滴すら着かない。
なお傾斜のほとんど無いルーフやトランクリッドには水が残っている。
ボディー側面は(もしかしたら過去に塗ったイオンコートが残っているのかも知れないが)適当な撥水性を示していて水が玉にならずに流れ落ちるという感じではなかった。
洗車後水分をふき取ると、イオンコートとポリマー塗布部の差は目視では全く区別が付かない。
一方のポリラックとの比較でも塗り分け部の特定は困難で、どちらも良好なツヤである。
A-160に太陽ポリマーを塗って1ヶ月半が経過した。
ツヤはポリラックと変わらないが水が流れ落ちる効果は衰えていない。
これは水をかけた直後で左側が太陽ポリマー、右側がポリラックである。
ボンネット傾斜の強いA160では差が分かりにくいが、SLの方はこんな感じ。
太陽ポリマーを塗った(写真)左側は水が流れ落ちている。
塗布後2日目の様子とは異なっているが、効果が無くなったわけではない。
これで塗布後1.5ヶ月である。
この間、梅雨時と言うこともありボディーの乾く暇がないほど雨が降り続いていた。
塗布後2ヶ月が経過した。
梅雨時と言うこともありワックステストには過酷な時期である。
だがボディーの様子は1.5ヶ月目と余り変わらない。
それももっともだろう。
変化は日付を対数で取った場合に直線になるのだと思うから。
次に傷埋め効果を確認するためにボディーに反射した太陽を撮ってみた。
まずはイオンコート側
次に太陽ポリマー側
変わらない..
最初の塗布から3ヶ月が経過した。
手前半分に塗られている太陽ポリマーの効果はさほど衰えていないようだ。
向こう側にはイオンコートとザイモールが塗ってあるが、こちらはそろそろ撥水性が弱くなってきた。
では太陽ポリマーの状態が塗布初期と全く同じかというとそうではない。
水の流れ具合が明らかに異なって来始めている。
この分だと半年経過程度で効果は失われそうである。
と言っても半年持てば立派だ。
しかしこの水の流れ状態とは別に、明らかな特性変化も見つけた。
それは汚れの付着である。
汚れを拭くんだ雨がそのまま乾いてしまったときに、その水滴の周りに汚れが溜まったようになる事は良くある。
これが撥水性のあるイオンコートやザイモール側だと水洗いでキレイに取れてしまうのだが、太陽ポリマー側は水洗い程度では取れないほど強固に汚れが固着しているのだ。
虫の死骸や樹液と思われる付着物も明らかに太陽ポリマー側には多い。
この汚れを取るためにザイモールで拭いてみたがダメだった。
油性の汚れ(虫の死骸など)は取れるが、この水垢的汚れは取れない。
そこでポリラックの出番だ。
水性のポリラックはこの手の汚れが良く取れる。
結局汚れ落とし効果に期待するなら2〜3ヶ月で太陽ポリマーを塗り直した方が良いと言うことになる。
水の流れの点だけを評価するなら半年は保つだろう。
意外なのはザイモールの耐久性で、2ヶ月経過しても撥水性が失われないのだから驚くほか無い。
もちろん初期状態よりは撥水性が悪くなっているが、今でも立派に水をはじいているではないか。