過去の雑記置き場
VC
遅効性フラッシング剤の効果(3/12)
◆ バーダルの遅効性エンジンフラッシング剤の効果を検証しているページがあり、ほぼ効果がなかったと結論づけていた。バーダルリングイーズを投入してから3,000km程度走行し、カムカバーとオイルパンを外してエンジン内部を観察していた。
◆ 別の動画でもほぼ同じテストが行われていて、そちらではワコーズのeクリーンプラスよりもバーダルリングイーズの方が多少効果があるとなっていたが、目立った効果はないとの事だった。
◆ バーダルリングイーズのテストをした方が、その後ワコーズのeクリーンプラスのテストも同様に行っていた。eクリーンプラスを投入して3,000km走行し、カムカバーとオイルパンを外してチェックしている。
◆ 結果は他の動画同様でエンジン内部の汚れを落とす効果は認められなかった。遅効性のエンジン内部洗浄剤は、エンジンオイルに含まれているのと同様な清浄成分を含んでいるのだが、だったら新しいエンジンオイルを入れれば汚れが落ちるみたいなものだ。強力な清浄剤を入れると潤滑性が落ちるので、遅効性洗浄剤として成立しなくなってしまう。
◆ eクリーンプラスを検証した動画は他にいくつもあるが、いずれも効果は認められなかったとしている。カムカバーを開けて詳細な写真で比較したりしているが、全くと言って良いほど(スラッジなどの様子は)変化していない。
◆ ものすごくスラッジの多いエンジンであれば効き目が分かる可能性もあるが、複数のテストでいずれも効果無しとされているので、普通のエンジンには効果がないのだろう。即効性フラッシング剤にはカーボンを溶かす効果はあるが、固着したスラッジやオイル焼けが落とせるわけではない。
◆ スラッジが溜まると落とすのは大変なのと、オイル管理が悪いとシール類からのオイル漏れの原因にもなる。スラッジが多い場合はそれが落ちてオイルストレーナを詰まらせる事がある。マツダのディーセル車も年式によってはストレーナが詰まる事がある。ストレーナが詰まるとオイルを吸い上げられなくなるので、油幕切れによってエンジンが焼き付く場合がある。
◆ ディーゼル車はオイルが汚れるので早めの交換が推奨されているが、オイル交換を怠ったりするとスラッジが溜まる。それが剥がれ落ちてストレーナに引っかかり、油圧が低下して警告灯が点灯する。マツダ車はストレーナの面積を広げるなどで対策が講じられていたと思う。
◆ ガソリンエンジン車の場合は余程管理が酷くない限りストレーナが詰まる事はないが、新車から3年間オイルを換えずに乗りっぱなしだった車などは、年式が新しくてもエンジン内部は汚い。これでオイルが吸い上げられなくなる事は殆どないが、HLAの動作不良だとかVVTの動作不良が引き起こされたりする。
◆ いずれも修理にはコストがかかるし部品単価も高く、4気筒エンジンで16個のHLA交換だと10万円は超えるんじゃないのかな。エンジン内を綺麗に保っていれば普通は故障しない部品なので、中古車を購入するときにはオイルフィラーキャップから中を覗いてみた方が良い。
◆ 即効性のフラッシング剤はトルエンと灯油の混合物みたいなもので、スラッジを溶かす効果は ある。ただスラッジが多いと洗浄液が飽和してしまうので効果が限定的になる。シンナーと灯油でフラッシング液を作って、エンジンクリーナでブシュッと吹き付けた方が手っ取り早い。
怪しいオイルじゃなくてオイル屋(3/11)
◆ オイル自体は怪しくないのだが、売っている企業や人間が怪しいと感じる事がある。以前にはPENNZOILの話を書いたのだが、ROYALPURPLEもオイル自体は良いと思うのだが絶賛しているショップが何かねぇ。
◆ エンジンオイルとしてのROYALPURPLEは特に悪いものではないし、普通に使える良いオイルだと思う。チムケンテストはそのテストを行っている人によって結果が違うのだが、最高と評している人もいれば標準的と言っている人もいる。
◆ オイルを絶賛しているショップは整備工場として怪しいわけではないのだが、車検の時にはワコーズの添加剤を入れているとか、オリジナルのセラミック添加剤を売っている(でも客のエンジンに入れるのはワコーズ)訳で、別にその添加剤が云々という話ではないのだが、宣伝文句に嘘くささを感じるというか、理屈的にどうなの?と思うとか、そんな感じなのだ。
◆ オイルはテストの方法が一定ではないので、何を以て良いと言っているか?異なる試験方法でも評価されているのかどうかを見ていかないと、よく分からない。そのオイルに特化したような試験方法で良好な成績だったとしても、試験方法が変わって結果が悪くなるのでは特性がピーキーという事になる。
◆ ROYALPURPLEが使いにくいのは他のオイルと混ざりにくい場合があるからだ。どのオイルと混ぜてはいけないのかはよく分からないのだが、上手く混ざらずに白濁するケースがある。ROYALPURPLEを使い始めるときには、一度ROYALPURPLEを使って古いオイルを洗い流した方が良い。
◆ 現在はMOTUL8100を使っている。今年中には使い切る計算なので、次のオイルを買う事になる。MOTUL8100に何の不満もないので、またMOTUL8100を買うかも知れない。今のところ他に使ってみたいのはMobile1やShell HELIX ULTRA位かな。
◆ 各国向けの同銘柄のオイルをテストしているものがあるが、仕向地というか販売地によって結構特性が異なっている。粘度も微妙に異なっているので、販売する国の気候や自動車メーカの要求によって成分を換えているのは明らかだ。Mobile1でも販売先によってGroupIVだったりGroupIIIだったりする(した)。
◆ BMW純正オイルは現在はShellが供給している。GTLテクノロジなのでHELIX ULTRA同等だと、テスト結果からも分かる。純正オイルが最善というわけではないが、天然ガスベースのものも良いのかな?と思っている。精製が楽(元々不純物が少ない)くなのでコストが抑えやすい。Mobile1は様々なテストでいつも好成績グループにいる訳だが、価格が高いので手が出しにくかった事がある。ただMOTULが何度かの値上げで、今や20リットル3万円近い価格になった。何年か前は20リットルが2万円以下で買えたと思うんだけど。Mobile1も20リットルが3万円弱なので、価格レンジとしては同じ程度になっている。HELIX ULTRAは少し安くて2万円ちょっとの価格なので、MOTULやMobile1と比較すると随分安く感じてしまう。
◆ 固いオイルを入れるとタペット音などが変化する(静かになる)のが分かるが、それ以外でオイルによる違いは、普通に走る分には分からない。このオイルは走り始めからエンジンのパワー感が凄いとか、アイドリング回転時のなめらかさが明らかに違うみたいなレポートをしている人がいるが、私にはそんな敏感さはない。
見慣れれば良く感じるのかな?(3/10)
◆ 新トヨタ共通デザインの金槌頭がアクアにも波及した。これは主にフロント部分を金槌頭デザインに入れ替えたもので、他は大きくは変わっていない。これで小型版プリウスが出来るはずだったのかも知れないが、何かちょっと違う。
◆ 元々のツリ目デザインはそれに合わせた造形だったわけで、フロントマスクだけを金槌頭にしたらバランスが崩れたような気がしないでもない。これも見慣れれば普通になるのかも知れないが、ボンネットからフロントガラス、ルーフにかけてのデザインとフロント部分は(当たり前ながら)マッチングが必要だ。
◆ 金槌頭デザインはプリウスで始まったわけだが、プリウスやクラウンは金槌頭に合わせた全体のデザインになっているので違和感はない。まあアクアもあと半年か1年もすればそれが町中で見られるのだから、普通にアクアのスタイルとして捉えられるのだろうな。
◆ レクサスはスピンドルグリルの廃止とロゴの小変更が行われた。スピンドルグリルは確かに目立つのだが、今となってみれば古くさく感じる。ツリ目デザインも古くさい筈なのだが、見かける機会が多いからか?余り古さを感じない。もしかしたら古さを感じさせない良いデザインなのかも。
◆ レクサスのスピンドルグリルは何度か変更されている。下部の曲線が壺型になったり漏斗型になったり。どこまでの変化を許すのかだが、いわゆるスピンドルグリル的なものはダイハツの軽自動車にも使われている。造形一つで特徴を出すのが如何に難しいかで、BMWのキドニーグリルとか、アルファロメオのスクデットとか、独自性のあるものは別として中々個性を出せない。
◆ 無理矢理個性的にすると、無理矢理感の方が突出してくるので綺麗なデザインではなくなってしまう。デザインは好みの問題でもあるので何が良くて何がダメという話でもないが、その車らしさを作り上げるというのは苦労もあるのだろう。
◆ デザインの話ではないのだが、カローラが良く出来ていると褒めている記事があった。カローラは(昔は特に)販売台数が多かったので、開発費に金がかけられる車だった。大きな開発費をかけても台数あたりにすれば小さな額になるからで、まさに販売台数がものを言った。勿論今でも売れているわけで、それなりの開発費がかけられている。
◆ 細かな部分のカローラらしさなんて言われても、カローラに乗った事がないので分からないが、カローラを知る人には嬉しいものなのだろう。運動性能やブレーキ性能など、多くは他車と共通の制御だとは思うのだが、微妙に他車に勝っているのもカローラらしさなのかな。
◆ 特別な運動性能や安全性能を求める車ではないにしても、データを取ってみると平均値以上になっているのがカローラなのだそうだ。売れ行きからすればヤリスの方が上なので、開発費はヤリスの方がかけられそうだけれど、ヤリスで稼いだカネはGRの開発に回っちゃったかな。
◆ GRヤリスも凄いがGRカローラも凄い。だけれどGRハイエースは凄くない。GRカローラは1.6リッターエンジンから300馬力以上を絞り出す。WLTCの市街地モード燃費が6.7km/lと言うところにハイパフォーマンスが見える気がする。カローラと言ってもGRヤリスと共通シャーシだったかな。
◆ シャーシは共通でもエンジンチューニングは微妙に違っていて、ヤリスよりも高回転域でのトルクの落ち込みを抑制し、ピークパワーは1割以上増やしている。
EVへの課税(3/9)
◆ EVへの課税として走行距離課税論がある。欧州では走行距離に応じた課税を開始しているところもあり、イギリスでは1km換算で4円弱の税金を設定するのだとか。この1kmあたり4円前後は、現在の日本における自動車関連税額に近い。
◆ 日本でも同様の課税を行うとすると、自動車税も重量税も燃料関係税も廃止すれば、今と同じくらいの税額となる。勿論燃費の善し悪しもあるだろうし車重や排気量によっても税額は異なっている。しかし走行距離課税とすると(全額走行距離課税なら)そうした違いはなくなる。
◆ EVは車重があるのでそれに応じた重量税を設定する案もある。これはこれで良いのではないかと思うが、EV派は当然反対するだろう。現時点でEVは自動車税が最低額しかかかっておらず、重量税も免除されている。だから多少はお得に乗れるわけで、これが通常のガソリン車並みに戻ったらEV派は瞬時にして反EV派を名乗り始めるかも知れない。
◆ 燃料税課税の場合は走行距離に応じた金額となっている。それに対して自動車税や重量税は定額なので、EV重量税が定額で良いのかという議論もある。こうした事を考えると走行距離課税が適切かなとも思う。ただ日本でこれをやると自動車税や重量税の他に走行距離でも税金を取りますよとか、ガソリンの税率は変えませんよみたいな話になりかねない。
◆ EV重量税が新設されればICEの重量税より高額になるのだろうが、そうするとトヨタはハイブリッド電気自動車(HEV)を再びハイブリッド車(HV)に名前を変えたりして。元々HVとしていたが、トヨタは世界一のEV生産メーカだと、訳の分からない事を叫ぶためにHVをHEVにすり替えた。トヨタに言わせればバッテリーとモータが付いていれば、それは電気自動車だという。
◆ ちなみに諸外国では主要エネルギ源が何であるかによって分類していて、ハイブリッド車は充電ポートがなくガソリンのみなのでガソリン車の仲間、プラグインハイブリッド車は(短距離ではあるが)ガソリンなしでも走れるのでEVの仲間、みたいな感じだ。
◆ 日本の場合はエコカー減税だって自動車メーカの言うがままみたいな、相対燃費が良ければ実燃費が例え 6km/lでもエコカーになってしまう。エコカーはガソリン消費量が少ないのでその分が減税になるわけだから、あえて他の税金を下げなくても良いのに。エコカー減税による税収減は1兆円内外で、これの穴埋めに古い車の重課税が行われ始めたのが安倍政権時代である。
◆ EVに課税するとEV販売量は更に鈍化するだろうが、EVの普及にはインフラ整備も必要なのでその財源も欲しい。現状の配電に関する法律のままでは急速充電器のコストが上がりすぎたり管理者の問題が出てくる。これには法律の変更も必要だし、大電力送電網のコストは一般の電気料金に跳ね返ってきてしまう。受益者負担というのであれば一般家庭の電力料金に影響を及ぼさない柵を考えるべきだ。
◆ 充電電力問題は以前にも書いたが、簡単には解決出来ない。簡単に解決出来ないという事は解決するまでに時間と金がかかるという事だ。EVは充電電力をカウントしているので、電力量課税も出来ない事はない。こうすると現在のガソリン関連税と同じ扱いになる。これを毎日1回通信回線で報告し、クレジットカードから引き落とす仕組みなどは現実的なのではないだろうか。
ゴミは持ち帰るもの?(3/8)
◆ ゴミは嫌われ者である。観光地の多くにはゴミを持ち帰るようにとの掲示がある。ゴミはどこに持っていくのが正しいのか?観光地で買った品物の包装紙は、観光地に捨てるのが正しいのではないのか。
◆ 渋谷区ではコンビニエンスストアにゴミ箱の設置を求めた。コンビニでものを販売し、ゴミ箱を置かないから街が汚れるとの理由からだ。だったら渋谷区がゴミ箱を置けば良さそうなもので、各事業者は渋谷区にも税金を払っている。しかし渋谷区としては、あくまでも品物を売った業者がゴミを処分すべきだとする。なおゴミをゴミ箱以外に捨てると2千円の罰金が科される。
◆ 目黒区のゴミ箱撤去も話題になった。公衆トイレの汚物入れが撤去され、使用済みの生理用品や紙おむつの捨て場所がなくなった。これに対して目黒区は、ゴミ箱を置くとゴミを捨てられてしまうとして今後もゴミ箱は置かない方針だとか。
◆ サニタリーボックスだけでも置いたらどうかという点に関しては、置けばゴミを捨てられると反論、生理用品だけが入れられるボックスもあるという意見に対しては、無理矢理入れれば何でも入ってしまう、サニタリーボックスが壊れるからダメだとした。
◆ 捨て場がないと(持ち帰る事が事実上不可能な)生理用品が散乱して不衛生になる、無理にトイレに流してしまい配管が詰まる恐れがあるとの反論もあったが、道路公園サービス事務所長は要求を拒否した。
◆ 最近では男性トイレにもサニタリーボックスの設置が進んでいるのは、男性でも尿漏れパッドを使う人が一定数いる事や男性がオムツ交換をする場合もあるからだそうだ。目黒区の道路公園サービス事務所長って、どこかでハンターに失礼な事を良い、熊退治に影響を来したあの人みたいな感じなのかな。
◆ 目黒区では非常時に備えてマンホール型トイレを作ったとかトイレカーを作ったとかと言っているのだが、非常時云々よりも毎日の生活に気を配るべきではないだろうか。福祉に金がかかるとか高齢化が云々と言いながら税金を上げていくわけだが、それで福祉が良くなったためしがない。
◆ 昭和の時代には機能していた、住民税は住民の暮らしと健康のために使われるというヤツは、今はどうなってしまったのか。ちなみに目黒区の個人住民税の平均支払額は23区の中で5番目に高く、住人1人あたり年間20万円弱(200は誤りとご指摘頂訂正)だ。だからこうした部分は税収に関係しているわけではない。税収が少ないから出来ないとか、金がかかるから出来ない(目黒区もそう言っている)なんて事はなくて、全ては担当者の馬鹿さ加減によって決められていると言える。
◆ こういう爺さん、いや爺さんかどうかは知らないのだが、とにかくこういう人がいる限り安心とか便利という環境からは慣れていく。公園に子供を遊びに連れて行けばゴミが出る事もある。子供が転んで怪我をすればティッシュも使う訳で、まあその程度であれば持ち帰るのだが、でも公園にゴミ箱があったら楽である。
◆ 昔は普通にゴミ箱があったのだがΩ事件がきっかけで公共の場所からゴミ箱が消えたのかな。自治体にしてみればΩ様々かも知れない。今はゴミ回収が有料化されているから、公園にゴミ箱を置いたらそこにみんなが捨てに来るからダメという理屈を言うかも知れないが、だったらゴミの有料化をやめれば良いと言う方向に何故行かないのだろう。
樹脂に使えるグリス(3/7)
◆ プラスチックやゴムなどに影響を与えないものとしてシリコン系の潤滑剤がある。シリコンオイルやシリコングリスなどで、車両の整備にも使われる。シリコングリスは化学的に安定していて劣化はしにくいのだが、金属の潤滑性能が低い。要するに極圧性能というか、高荷重の部分には不適当という事だ。
◆ プラスチック製のギアと金属製のギアが使われている場所はどんなグリスを使うのか?プラスチック類に対して攻撃性のあるグリスを使用すると、プラスチックが脆くなって割れてしまう事がある。
◆ こうした場所には耐樹脂製グリスを使う。ベースはリチウムグリスが多いのだが、ウレアグリスでも使えるものがある。自動車のタイロッドエンドなどボールジョイント部分にはゴムブーツがかぶせてあるのだが、そこに塗るグリスが耐ゴム製のもので指定されている場合がある。
◆ グリスは様々な種類や粘度があるし、成分によって特性も異なる。高荷重部分にはモリブデングリスとか、大量に使う部分はシャーシグリスとか、いったい何を使えば良いのかと迷う事もある。
◆ グリスを大量に使った部分としてジムニーのナックル部分がある。片側で500ml位入れるのだが、ギリギリいっぱいまで入れると1リットル近く入るかも。沢山入れるとキングピンベアリングが錆びにくいかなと思ったのだが、熱で膨張してグリスが出てきてしまう。グリスの粘度も、余り柔らかいものだとこれもシールの隙間から出てくる。
◆ 経験的には固めのグリスを入れた方が良いと思うが、分解したときにグリスが柔らかいと感じたらデフ側のオイルシールをチェックした方が良い。デフオイルが漏れてグリスが希釈されてしまっているかも知れない。ナックル部のシールは対策品が出ているので、これに交換すると多少は漏れにくくなるかも。
◆ 新車時にはナックル部分が塗装されているのでシールが密着するらしいのだが、塗装は剥げてしまい、細かな傷が付き、シールとの密着性が悪化してグリスが出てきてしまう。これは構造的に仕方がないのかな。硬質クロムメッキとか硬質塗装をすれば良いのだろうが、ノーマルでは数年すると塗装が剥げてグリスが漏れ出す。
◆ キングピンベアリングは結露などで水分が入って錆びてしまう。ここも組み立てる時にグリスを塗りたくるのだが、その甲斐もむなしく錆びてしまう。キングピンをナックルに固定する部分に液状ガスケットを塗ってみたりしたのだが、ナックルのシール性の悪化で水分が入り込み、それが気化してベアリング部分で結露し、ベアリングが錆びるみたいなのだ。
◆ シリコングリスは水にも強いのだが、荷重がかかる部分には使えないのでキングピンベアリングには使えない。なおここはモリブデングリスでも非モリブデンのウレアグリスでも変わらなかったので、グリスそのものの耐水性には余り影響は受けないようだ。
◆ 最近の車は樹脂部品が増えていて、ミニのアンチロールスタビライザのリンクボールジョイント部分の外側はプラスチックで出来ている。こういう場所には耐樹脂製のグリスが必要なのかも。スタビライザリンクはそこそこ力が加わると思う。テスラはサスペンションアーム類が樹脂のものもあるし、(グリスは付けないだろうけれど)樹脂製オイルパンの車も増えてきている。
意外に荷物の積めない新幹線(3/6)
◆ JR東日本は新幹線車両から座席を外して貨物専用とした7両編成の列車を走らせる。東京盛岡間を従来より早く輸送する事が出来るのだが、列車に搭載出来る貨物の量は約17トンだそうだ。人間の乗車定員数からすれば、重さ的にはもっと積めそうな感じがする。JRは1000箱積める、120サイズの箱を20kgに換算すると言っているので、荷室の広さの制限か。
◆ 軽量貨物専用という事になるとライバルは航空輸送になる。航空輸送にしても鉄道輸送にしても空港や駅から荷物を運び出すのに時間がかかり、だったらトラックでも良いと言うのがこれまでの流れだ。
◆ トラックの場合は東京から盛岡まで8時間〜9時間くらい、新幹線の場合は2〜3時間に短縮出来る。高速輸送が必要な荷物に関してはメリットがあるのだが、高速輸送の必要な荷物がどの程度あるのか。
◆ Amazonの即日配達が盛岡まで拡大!みたいな事も考えられなくはないのだが、一方で配達を遅くして良いのなら料金を割引しますみたいなサービスもあって、一定の需要があるそうだ。
◆ 鉄道輸送の場合は列車の発車時刻までに積み込みが完了していなければならないのと、仕分けセンタから駅まで運ばなければいけない。仕分けセンタから先の個別配送はトラック輸送でも鉄道輸送でも変わらない。
◆ 鉄道輸送の直近のピークは2015年で200億トンキロだったそうだ。と言う記事を見てトンキロって何だ?重さだったらキロトンの間違い?と思ったのだが、これってトンが貨物重量でキロはkmの事なのかな?
◆ 鉄道輸送はコストの安さがメリットになるが、積み卸しを考えると長距離輸送でないと配送時間の点でメリットが失われる。国土交通省「全国貨物流動調査(物流センサス)2021によれば輸送距離が501km〜1,000kmで鉄道輸送のシェアが3.9%、同1,001km以上で10.5%となっている。
◆ 輸送コストの安さは従来型貨物列車の場合で、1編成あたり600t〜700tを運ぶ事が出来る。一方で新幹線輸送だと17tしか運べないので、それなりに輸送料金は上がるはずだ。ちなみに航空便の場合はB767Fで50t、B777Fで100tの積載量となっている。
◆ 運行コストは航空会社によって異なるが、B777Fの場合で$10/km程度だそうだ。新幹線の運行コストは編成あたり20万円以上/km位なので、輸送量が増えないとかなり高い。人間を運ぶ場合は編成あたり1600人以上が乗車出来る。B777の場合は500席くらいなのだが貨物の場合は逆転する。
◆ コストの計算で難しいのは機体や車体の減価償却費を含めるかどうかとか、整備費用を距離で割って加えるかどうか、人件費をどう考えるかにもよる。新幹線の場合は減価償却費や人件費(保守を含む)が結構高いので、こうした部分の考え方によって貨物輸送のコストには差が出てくる。トラック輸送の場合は100円〜300円/km位と言われるので、やはりトラック輸送が安いという事か。
◆ 海外ではトラックごと列車に乗せてしまうような方法もあって、積み卸しの手間を省けるので時間とコストが節約出来る。ドライバーはトラックから降りる事は出来ず、トラック内で仮眠を取るなりして過ごすのだそうだ。乗用車でも人が乗った自動車ごと積んで運ぶ列車があったような。短区間のトンネルみたいな所だったかな。
LPG車は汚れない(3/5)
◆ ディーゼルエンジンのオイルがすぐに真っ黒になるのは燃焼で発生するPMがオイルに溶けるからで、エンジンによっては複数個のオイルフィルタを備えていたりする。ガソリンエンジンでは筒内直噴だとPMが多い傾向ではあるが、ディーゼルエンジンのオイルの汚れ方とは全く違う。
◆ LPGエンジンでは更にオイルが汚れにくく、スラッジの発生も少ない。勿論オイルが汚れないからと言ってオイルが劣化しないわけではなく、燃焼温度の上昇などによる劣化はガソリンエンジン車よりもあると言われる。
◆ LNGからベースオイルを精製したエンジンオイルは不純物が少なくて精製コストが安く、品質が高いと言われる。現在はShellが製造していて、PENNZOILも同様の製法のベースオイルを元に作られている。原油には多く含まれる硫黄分などが、LNGには殆ど含まれていない。
◆ こうした燃料としてのクリンさや水素分が多い事もあって燃焼時のPMがガソリンエンジンよりも少ない。炭素分が少し少ないので燃焼エネルギはガソリンよりも少ないのだが、燃料単価が安いともあってタクシーではよく使われている。
◆ 燃料単価は安いのだがLPGエンジンは燃費効率改善が余り行われておらず、燃料コストとしてはガソリン車と余り変わらないなどとも言われる。エンジンオイルも汚れにくいから交換時期が延ばせるわけではないのだが、長く使っても粘度変化などは少ないというタクシー会社(の、整備部門)もある。
◆ タクシーはかなりの距離を走るのだが、エンジン整備などでカムカバーを開けても綺麗なものだそうだ。スラッジなどが少なく、オイル焼けも余り無い。同じエンジンで同じようなオイルを使いながら、燃料でこんなに差が出るのかと初めて見た人は驚くという。
◆ エンジンオイルはLPG車専用と謳われているものがある。20リットルで6千円くらいだとの事なのでかなり安価だ。清浄分散剤などが少なくて済むから安いとか?専用品と謳われているのだから何か違いがあるのだろう。交換サイクルは5,000km位との事なので、いわゆるロングライフのオイルというわけではない。
◆ LPG車はガスを入れるタンクが付いているのだが、これは定期的に検査を受ける必要があって費用がかかる。検査は6年ごとだと思うのだが、車検のタイミングと合わないという話を聞いたので車の使用開始(登録年月日)ではなくて、タンクの製造(最初の検査年月日)からになるのか。
◆ LPGタンクは常識的な検査費用と、整備工場での脱着費用(結構工数がかかるらしい)だが、水素車となるとタンクの寿命がその自動車の寿命になってしまう。まあ水素自動車が沢山街を走る時代などやってこない可能性の方が高いからどうでも良いのだが、そこにものすごい額の金を突っ込んでいるのだから無駄である。
◆ 水素よりLPGの方が現実的だし、多少は炭酸ガス排出量が減るので良いんじゃないのかな。今は灯油価格が上がったのでLPGを暖房に使ってもコスト的にはさほど変わらない。都市ガスは高いので都市ガス暖房は使いにくいと思うのだが、LPGなら良いんじゃないのかな。
◆ 以前にも書いたようにファミレスや飲食店が(都市ガスのエリアにもかかわらず)LPGを使うのは、コストが安いからだ。一々トラックで運ぶので輸送コストが上がりそうだが、日本においてはガスにしても水道や電気にしても、配管や配線が凄くコスト高なので運んだ方が安くなる。
分解動画(3/4)
◆ エンジンの分解動画はたまに観ている。ミニに搭載されているBMWのB型エンジンの分解動画もあって色々と参考になる。分解動画で面白いというか興味があるのは、どこが壊れたかだ。そのエンジンのどこが壊れやすいのかも分かるし、場合によっては整備の不良で壊れる場合もある。
◆ 分解動画ではエンジンをバラしながら、ここのガスケットが塗り直されているとか、このエンジンはメーカの指定通りのオイル交換サイクルだったと思う(だから汚れている)とか、コメントしている。
◆ ロータリエンジンの分解の動画もあったが、状態の悪いエンジンだった。ハウジングにはチャッタマーク的な縞々が見られた。ノーマルで使われていたのかチューニングされていたのかは分からないが、過酷な使われ方をしたのだろう。サイドポート排気だったのでRX-8なのかな。
◆ ロータリエンジンで状態が悪いと殆ど使える部分がない。エンジン本体だと(傷がなければ)エキセントリックシャフトは使えるが、サイドハウジングやインターミディエイトハウジングの多くは傷や摩耗で再使用が出来ず、ロータハウジングも摩耗で使えない場合が多い。
◆ ロータリエンジンのリビルド品なりオーバホール代が高いのは、新品に交換するパーツが多いからだ。レシプロエンジンで言えばピストンもピストンリングもシリンダもシリンダヘッドも新品にするみたいな感じになる。その代わりオーバホールすればほぼ新品のエンジンが出来上がる。
◆ ロータリエンジンで、コンプレッションが下がってくると始動性が悪化する。始動してしまえばあとは余り問題なく乗れるのは、回転数が上がるとアペックスシールが遠心力で押されて密着性が良くなるのか?それとも圧縮が多少抜けても回るからなのかな。
◆ コンプレッションの低下はアペックスシールの動きが悪くなって起きる場合もある。それ以外にもアペックスシールが熱で変形したり割れたりもするのだが、そうなると簡単には直せない。そうではなくアペックスシールとロータの溝にカーボンが溜まって動きが悪い場合は、キャブクリーナを吹きかけて改善する場合がある。
◆ マツダ純正カーボンクリーナ(RECSみたいなもの)もあるのだが、プラグホールからダイレクトにキャブクリーナを入れて洗浄した方が効果が高い。シールは前後ロータに120度ずつ6本あるので、エキセントリックシャフトを60度回してはキャブクリーナを吹き付け、30分位待って又60度回してと面倒だけれど綺麗にはなる。
◆ 一度で回復しなかったらこれを何度もやってみて、それでもダメならオーバホールしかないかな。かからないエンジンは本当にかからなくて、マニュアルミッションなら押しがけという手もあるがATだと不可能だ。
◆ 今やロータリエンジン搭載車は貴重な存在で、程度の良い中古車などとても買える価格ではない。殆どジャンクみたいな車両でさえも結構な値段なのだ。
◆ そうそう、エンジンのカーボンを吹き飛ばすには高回転まで回せば良いと言われるが、ターボ車やロータリエンジンでは高回転域で空燃比が濃くなるのでカーボンは飛ばせない。マフラーに詰まったカーボンは飛ばせるが、エンジン内を綺麗にしようとするのならば中速回転域の低負荷走行を行った方が良い。
小型電気自動車(3/3)
◆ 欧州がE-car規格を作るとの事で、日本の軽自動車が欧州に輸出されると書いたメディアもあった。実際の規格化はまだ先になる見込みなので、E-car=軽自動車と決めつける事は出来ない。
◆ 欧州では小型車需要が一定数あるので、特別感なく受け入れられると思う。BMWになる前のオースチン/ローバーミニを軽自動車登録してしまうショップがあったり、Fiat500(申請に苦労するらしい)やFiat125(空冷エンジン版なら650ccなので可能)を軽自動車登録するショップもある。
◆ 軽自動車登録する事によるメリットは税制面くらいなので、むしろウチはここまで出来るんだよと言う部分を見せる的なトライだったとも言える。いずれにしても車両サイズは軽自動車枠内外なので、こうしたサイズの車両が日本独自かと言えばそうではないのだ。
◆ 日米自動車摩擦などでも日本独自の軽自動車規格が云々とマスコミは書くが、法的な軽自動車とサイズ的な軽自動車を一緒にしてしまっている。軽自動車関連では排気量制限が1リッターになるとか、乗車定員が5人になるとかとタイトルを付けた動画などもあるが、単なるタイトル詐欺である。
◆ 田舎を中心に軽自動車は人気なのだが、何故人気なのかはよく分からない。都市部を除くと登録が楽(車庫証明が要らない)なので買いやすいのは事実だし、税金なども安いが車両本体価格は高い。以前は軽自動車は燃費が良くなかったが、今は改善されてハイブリッド車をも凌ぐ燃費を叩き出せるようになった。
◆ 軽自動車枠はこれまで何度か変更を受けている。衝突安全性などを確保するためや、高速道路走行の増加に対応するためなどがその理由だ。最初に軽自動車規格が出来たのは1949年で、この時には150ccの排気量と全長2.8m、全幅1mというから1人乗りを想定した車両だったのだろう。これは翌年に改定されて全長3m/全幅1.3m/排気量350ccとなる。
◆ その後1951年に360cc時代となった。360cc時代は22年間続き、現在の660cc時代に次ぐ期間になる。360ccと660ccの間には550ccの期間が14年間存在している。他に4ストロークエンジンと2ストロークエンジンで排気量制限の差があったり、農耕作業用車というジャンルが軽自動車の分類中にあったりで、結構ややこしい。
◆ 軽自動車はコスト的にEV化が出来ないなどと言われていたが、バッテリーコストの低下などによって十分可能になってきている。EV化のメリットは動力部の小型化で、エンジン+トランスミッションよりもモータの方がずっと小さい。これいよって車室内を広くする事や、クラッシャブルゾーンの再設計が可能になる。
◆ バッテリーを床下に置くとフロアが高くなるのだが、軽自動車の全高制限は2mあるのと、いわゆるハイトワゴンに人気があるのでバッテリースペースとしては余り問題はないと思う。バッテリー容量20kWくらいであれば自宅充電も可能になり、実航続距離として100km以上は走れるので現実的ではないだろうか。ただしセカンドカーや近所の買い物専用車であって、航続距離的に遠くまで行ける自動車ではない。
◆ 欧州の小型車規格が出来ると、日本の軽自動車メーカがこぞって輸出するはずだと書く人もいるのだが、このあたりはどうだろうか。規格にもよるのだが軽自動車がそのまま輸出出来るわけではないと思うし、欧州の排ガス規制がクリア出来るかどうかも問題だ。
リニア工事と水涸れ問題(3/2)
◆ 2024年に問題化した岐阜県の地下水位低下問題は未だに解決の目処が立っていない。この件は過去にも書いているのだが、リニア新幹線のトンエル工事で地下水位が下がり、井戸がれや地盤沈下が起きている。
◆ JRは当初はトンネル工事による地下水の流出はないとしていた。周辺は花崗岩に覆われていて地下水は花崗岩で遮断されていると考えたそうだ。しかし実際には花崗岩は一つの固まりではなく、枝分かれするように亀裂が入って地下水が通っていた。
◆ そこを掘削したので地下水がトンネル内に流れ込んだ。ここで工事を中止すれば被害は少なかったのだが、JRによると"軟弱地盤のため工事を中止するとトンネルが崩壊する恐れがある"として工事を続行した。この時点で花崗岩盤説はどこかに行ってしまい、軟弱地盤化している事が分かったわけだ。
◆ 工事が進むと急激に湧水量が増え、付近の井戸涸れや地盤沈下が顕著になった。それから約3ヶ月してJRは住民への説明を行った。詳しい調査には金がかかるので調査は行わない事、水は代替井戸などで何とかするから他の件に関しては我慢して欲しいというような事だった。
◆ JRはトンネル周囲への防水剤やコンクリートの注入を検討したようだが、成功率が低い事や大量の湧水でトンネルが壊れる恐れがあるとして中止した。もしも湧水が減少すると、本来流れるべき湧水が他の場所に集中してトンネル内に流れ込む恐れがある。また湧水を減少させると地下水位が上昇し、トンネルにかかる圧力が上がる。いずれもトンネルを守る為には住民に泣いて貰うしかないと言う事だ。
◆ 岐阜県環境影響評価審査会がJRに対して地下水位の回復はどう考えているのかと質問したのに対して、静岡県の大井川の例のように地下水をくみ上げて元に戻す事や地下に遮水壁を接地する案もあったと言うが、いずれも技術的難易度が高く現実的ではないとされたという。
◆ 住民は「JRは一時金を渡して済ませようとしているが、事の本質の解決にはならない」として反発している。井戸涸れは現在も何も変わっていない状態で、地下水位は工事前より60m程下がっているそうだ。岐阜県環境影響評価審査会は、地下水位が下がるのは早いが回復には相当な時間がかかるという。おそらく工事が中止されたと仮定しても、地下水位回復までには10年単位の時間がかかるのだとか。
◆ 地盤沈下は10cmほどで現在はさほど変化していないそうだ。変化の激しいところでは1ヶ月で平均1cmほど地盤が下がったという。これは地下水位が安定したので地盤沈下が収まったと見られ、工事が再開されれば又地盤は低下する可能性がある。JRは当然ながら工事を中止するとは言っていない。工事が中止されて地下水位が上がると地盤も上がる(浮く)可能性がある。
◆ リニア工事に関してはコースありき、ルートありきで地盤調査などは工事の可能性を最大化するようにデータがメイクされたのではないだろうか。地下水位や地下水量などは調査で分かる訳なので、当然トンネル工事前には湧水が多いであろう事は分かっていたと思う。しかしそれを言ってしまうと工事に反対されるので、問題が発覚するまでは問題がない事にして掘ってしまおう的な、乱暴な工事だったのではないのかな。作業員の犠牲も厭わないみたいな昭和の工事の延長線みたいな。
電力利用効率を上げていく(3/1)
◆ UPSに関して何度か書いているが、UPS自身も当然電力を消費している。ウチではUPSを増設していった関係で複数台のUPSを使っているのだが、電力利用効率としては余り良くない。500VAのUPSの内部消費電力が20Wだったとして、では1.5kVAのUPSが60W食うかというとそんな事はない。同じような方式であれば内部消費電力も同等になる。
◆ UPSの内部消費電力は仕様に明示されている事が多いが、家庭用のUPSでは書かれていないものもある。業務用だとUPSの消費電力も計算に入れた電源設計や熱設計が必要なので、仕様に無いと困ってしまう。APCでは同じ品番のUPSでも家庭用向けの仕様には書かれておらず、事業所用の仕様書には書かれているみたいなものもある。
◆ サーバや電源類は発熱するので、サーバルームの冷房は結構大変だ。最近は大型計算機は液冷になっているので部屋全体の空調は楽になったが、空冷時代は冷房電力が相当必要だった。携帯電話基地局も今は自然空冷で動作するシステムが増えたが、PDCの頃は相当な熱を発生していた。
◆ 冷房と言えばエアコンの2027年問題と言われ、効率の低いエアコンの販売が制限される。家電店などでは2027年になると安価なエアコンがなくなるので早く買い換えましょうと煽る。買い換えないと法律に違反して、最大100万円以下の反則金を取られると嘘を書く通販店もある。罰金が科されるのは基準に適さないエアコンを製造販売したメーカであって、それを使用する個人ではない。
◆ 2027年になると高効率エアコンがお得ですと言って売り始めるに違いない。今までよりこれだけ効率が上がって、これだけ電気代が節約出来るのに、価格は今までと余り変わりませんと。まあ実際には付加価値分の値上げはあると思うのだが、販売店や怪しげサイトが書くように価格が3倍とか4倍になる理由はない。
◆ 効率化を低コストで行うには制御の見直しだ。基準はAPF(Annual Performance Factor)、通年電気消費量なので、制御の見直しで効率化が出来る。これは製造コストは余り変わらないが開発費がかかる。制御以外ではコンプレッサやインバータの効率化だとか、熱交換器の最適化がある。これには製造コストや部材コストが絡むのでコストに影響する。
◆ ではそのコストが2倍にも3倍にもなるのかと言えばそれは又別に話だ。高価格帯のエアコンは付加機能があるから価格が高くなるわけで、逆に高く売るためには付加機能が必要になる。効率が良いだけでは消費者が買ってくれないのは、効率改善分の電気代で高価格エアコンが買えないからだ。
◆ 10年前のエアコンと今のエアコンでは年間の電気代が1万円違いますと言われたところで、その高効率エアコンが20万円したのでは得にならない。このあたり、ハイブリッド車で燃費が良いと喜んでいる人と、電気代を計算する主婦の感覚の違いだ。勿論ハイブリッド車にしてもエアコンにしても付加機能だとか目新しさだとかがあるので、ランニングコストが全てではないよと言って売ろうとするわけで、車にしてもエアコンにしても買い換え時期に合致すればそれを選べば良い。
◆ ただ無理に買い換える事もないし、ましてや2027年以前に急いで買い換えましょうというセールストークに乗る必要もない。価格競争が起きて高効率エアコンの値段も安定してくる筈なのと、より高性能化が進む事になる。
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