何故息切れしたのか

何故iPhoneは志半ばで倒れたのか。
いや、そう言ったら身も蓋もないか。
一般的な日本製ケータイは海外製と違って各種機能てんこ盛りが普通だ。

アプリや音楽、動画など機能とサービスを一緒に売らなければ市場が立ち上がらない。
そのため、例えばドコモの冬モデルのアプリ開発は夏前から行われていたわけであり、新機種発表と同時に幾つかの専用タイトルが登場する。
これはゲーム機市場でも同じだし、ゲームのみならず着メロや着うたなども専用のデータを各CPが作る。

ところがiPhoneの場合は事前に何も公表されていなかったためCPは身動きが取れなかった。
ソフトウエア市場を独占したいとするアップルの思惑もあったのだろうが、日本語系ソフトは日本のCPの方が遥かに得意である。
日本特化ケータイをガラパゴスなどと呼ぶが、そのガラパゴスの力がなければ「つまらない」ものになってしまう。

通信事業者とコンテンツ業者が独立分離している世界の多くの市場とは異なり、日本の場合はゲーム機メーカとソフト開発企業の関係に似たビジネススタイルが浸透している。
まさしく共存共栄に近いその関係から脱したiPhoneは、需要一巡と共に失速した。
もしも事業者の息のかかった？CPがiPhone用ソフト開発に躍起になり、事業者が開発費の幾ばくかを負担するようなスタイルが採れればブームがもう少し長く続いたかも知れない。
OSのバージョンアップやソフトの追加などで様々な機能を演出してくれるiPhoneだが、しかしその点のみを考えればWindowsMobileマシンの方が上になる。