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SBMの数字の不思議


  • Posted by: F&F
  • 2009年2月 6日 10:38

決算発表会では様々な数値が公表された。
端末の継続利用年数は3年(39ヶ月)を超えていると発表されたが、vodafoneがSBMになって3年である。
しかもこの継続利用年数は最大値ではなく平均値だという。

SBM加入者の多くはSBMになって以来一度も端末を買い換えたことがないと言うことなのか。
確かに通話とちょっとしたメールだけが出来ればいいと言う思いでSBMを選んだ人は少なくないはずで、だとすれば新機種を選ぶ理由は希薄だが故障による買換などは当然あるはずだ。

解約率と不正契約者数の関係も謎のままである。
今回の発表時にも不正契約を抑止しようとすると純増数に影響が出るような発言があったし、前回はもっと具体的に不正契約も純増には寄与した的に言っている。
不正契約者数が加入者数に(一時的にでも)カウントされたとするならば、それが解約(逃げられた)時には契約者数が減じられなければならない。
もしも解約扱いが起きれば解約率は増加するはずだが、そうはなっていない。
このつじつまを合わせるには休止回線扱いが便利なのだが果たして。
多い時だと月間平均30億円分以上の損失だというのだから、月に数万契約分が宙に浮いている計算になる。

決算発表会のプレゼン資料に面白いものがあったので触れておこう。
15ページにある営業利益差異分析とされるもので、連結ベースだとモバイル事業の売り上げは減っているがSBM側から見れば減ってないぞと言う数字だ。
これはまあ解りやすく言うと、俺が将来的に死なないとすれば人間の中で最も長生きできると言っているような感じ。
つまり償却しなければならないものを償却しないことにすれば増えてますよと、まあよく考えるものだと思う。

むしろこの数字の中で見るべき所は償却資産額の減少ではないだろうか。
償却資産が減っていると言うことは設備投資などが進んでないことを意味するし、資産額が減少している訳だ。
現金を残したいが為に設備投資を凍結した結果が良く表れていると思う。

SBMな人は口癖のように「3年分の設備投資を前倒しした」と言っている。
本当か?
vodafoneの直近の設備投資額はおよそ2.4千億円、この3年分だと7.2千億円にもなるがSBMでもっとも投資額の多かった年でも約3.9千億円しかない。
つまりはウソなのである。
逆に基準を変えてSBMが3年分だと思っている金額を一気に突っ込んだとするとどうだろうか。
3.9千億円の1/3は1.3千億円であり、これも数字が合わない。

ちなみに設備投資額の最も多かった2006年度から、翌年には約25%減少の2.9千億円に、2008年度には2.8千億円を予想、更に2009年度はぐっと減って2.2千億円を見込むという。
この理由として孫さんはエリア構築の終了をあげているが、高トラフィックサービスだインターネットマシンだと言っているのにインフラは大丈夫なのかと質問が出るなど不信感が大きい。

ARPUに関しても独自理論が展開されたが、世間に認められていないのは当然だ。
http://it.nikkei.co.jp/business/column/data.aspx?n=MMITaj000004072008
ARPUに割賦代金を加えないのは頭の悪いアンチだけと言ったところで、世間全てがアンチだと言うことになってしまう。

モバイル事業が苦しいのは周知だが、Yahooなどインターネットカルチャー部門も減収になっていた。
結果としてソフトバンク全体としても減収になったわけだ。
モバイル部門での借金返済が順調であると強調しているが、実はソフトバンクとしては借金を増やしていて、その額は約700億円でありモバイル事業での借金返済額よりわずかに多い。

   

Comments:10

こたつねこ 2009年2月 6日 12:40

http://k-tai.impress.co.jp/cda/parts/image_for_link/211243-43940-4-2.html

スライドの左下に端末継続利用年数の計算方法が書いてあります。
今のペースだと39ヶ月くらい使ってくれるだろう、という期待値みたいなものでしょうか。

YASU 2009年2月 6日 16:48

計算式は
端末平均利用期間=1/(買換率+解約率)
となってますね。
この計算式で時間が計算できるんでしょうか?
胡散臭いな...

Key 2009年2月 7日 08:03

ボーダフォンの時の3年間の設備計画を前倒しして4.6万の基地局を建設すると公言したのはソフトバンクですから、それを特定の人の非難の口実にするのはいかがなものかと思いますよ。それと、その3年分の計画というのは直前の期の金額との比較で3倍とソフトバンクが言ったんですか。常識的には、2006年以降の3年間でボーダフォンフォンが計画していた基地局の数なり予算なりが4.6万の基地局に相当する分だったのを、前倒しにして建設するという意味でしょう。

端末の継続利用年数については、微分積分的な話になりますが、端末の買換え率と解約率が、その値で変化しなければそこに示された利用年数になります。そのグラフを見ると、毎年、買換え率と解約率は変化しているので、その年度での平均利用期間は、07年度28ヶ月,08年度(Q1~Q3)は39ヶ月という具合に変化します。その年度の瞬間風速みたいなものです。 それと前回の決算の発言でも、純増合戦で不正契約が上乗せされているという場面があったかもしれないと述べていますが、純増を取りたいが為にチェックが甘くなってしまい不正契約が上乗せされている意味でしょう。これを不正契約で純増が上乗せされていると言う意味にとるのは変です。不正契約が解約率に含まれると考えておかしい数字ではありません。前のblog風で紹介されていた記事でも、割賦販売が始まって最初の方の2007年の解約率は1.42%と他社の1%程度と比べると高いとかいてあります。一時期、四半期で100億に達した不正契約による損害も、直近の四半期は出来過ぎといってますが3億に減少したそうです。不正契約による損害が、基本料や通話料の未納を含むのか、割賦の未納分だけの金額なのか不明ですが、仮に割賦のみと考えて、8万円で計算すると、100億で12万5千台。その四半期の解約率を0.2%ほど押し上げた計算になります。通話料などの未納を含むと考えると、この半分程度かそれ以下の数字をピークで押し上げたものと思われます。以前に起きた不正契約の事件では1000台で3億円の損害、一台あたり30万円の損害になっていました。

a&d 2009年2月 7日 08:24

先日の会見で孫さんは、SBグループで来期FCF800億円目標(うちモバイルは600億円)に向上させる発言をされていました。
内訳については、コンテンツ利用拡大による収支改善を見込んでいるとのことでしたね。

で、こちら
・2008年度の設備投資予算(見込)2800億円
・2009年度の設備投資予算(見込)2200億円

  2800-2200=600億円

なんだまたそういうからくりか(笑)

a&d 2009年2月 7日 08:28

「普通」だと端末利用期間(年数)って、機種変更したユーザが以前の機種を利用していた期間を指しますよね?

何なんだこの結果ありきの数字は(笑)

a&d 2009年2月 7日 08:35

↑↑FCFでなく増益でした。。m(__)m

Key 2009年2月 7日 12:28

何をもって普通というのかは難しいですけど、この件は誤解を招きかねような気もするので、例えばGNPの期ごとの数字を年率に換算して表示するように、平均利用年数換算値とでも言った方が良かったかもしれないですね。

dell 2009年2月 7日 19:10

端末債権のデフォルトが極端に少なくなっているのは、貸し倒れが多くて機関投資家が買ってくれなかったので、その対策としてでしょうかねえ?

Key 2009年2月 7日 19:44

割賦の不正契約が多かったのは携帯での初めての割賦販売を始めてから日が浅い2007年のあたり。2008年になってからは偽造が多かった住基カードでの本人確認廃止、ヤフオクへの半年出品禁止、個人審査をクレジットカード並みに厳しくしたなどの結果、減少に向かいましたので、機関投資家がどうこう言われる前から対策に取り組んではいます。遅すぎたような気もしますが、企業としては、不正契約を減らすように努力するのは、まあ当たり前の話です。こういうのは、純増合戦に浮かれていないで、2007年のもっと最初の頃から取り組んで欲しかった。

Key 2009年2月 8日 14:24

アナリシスト向け説明会で、3億に劇的に減ったからくりが説明されてますね。
http://www.softbank.co.jp/ja/irinfo/shared/data/presentation/analyst/2009/analyst_20090206_001.pdf
79ページ短期解約数の推移 ,80ページ貸倒引当金・損失額(P/L計上額)

短期解約数は、かなりの割賦不正契約が含まれていたと思われますが、2007年度Q2,Q3が解約数のピークで10万ちょい。Q4からは減少に向かいましたが、貸倒引当金・損失額は時差があって2007年度Q4がピークで101億円。直近の2008年度Q3は、発生貸倒費用19億に対してQ2以前の発生貸倒費用戻入が-16億で、差し引き3億円ということだそうです。19億でも一時期に比べればかなりの減少ですが、Q3が3億になったのは、それ以前の引当金の使われずに戻入の金額が16億あったと言う事だそうです。ということは、今後は四半期19億程度で安定するのかも知れません。

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