- 2009年2月 9日 17:03
SBMのMNVOの件は様々な議論があちこちで展開されている。
その中に20MHz幅で割り当てられていながら15MHz幅しか使わないのは何故か?と思っている方も多いようだ。
2GHz帯の割り当ては、一番下のバンドがauで15MHz幅が使え、その上がドコモで20MHz幅、一番上がSBMで20MHz幅を使える。
auのバンド幅が狭いのはPHSに隣接しているためガードバンドが必要になるからだ。
同一通信方式であってもガードバンドは必要ではあるが、写真のようにW-CDMAの場合は5MHz内にOBW4.2MHz程度のキャリアを立てるので残りの部分がガードチャネルとなる。
同一通信事業者の場合にはこの部分も設計できるので良いのだが、異事業者の場合は既存の無線設備に妨害を与えないよう十分注意しなければならない。
ちなみに2GHz帯でセンターから4MHz迄は通し5MHz以上を減衰させるようなフィルタは相当大がかりなものになる。
基地局の構成は、それぞれのバンドごとのベースバンド及びIF処理系とPA/LNAを持ったものを合成した上でアンテナと接続するタイプと、20MHz幅での送受信が可能な一台のPA/LNA/IFにベースバンド処理をくっつけたものがある。
20MHz幅のトランシーバは高速A/Dコンバータや低歪みのD/Aコンバータが必要となり従来はこれの実現が難しかった。
実際にはこれらのトランシーバがセクタ分×ダイバシティ分必要になるのでかなり大がかりなものになる。
免許が割り当てられているのだからSBMもさっさと20MHz幅に拡張し、そこをHSDPA化してPC定額に使えば良いという話を聞く。
しかし上記のように1バンド増やすのはそれなりにカネがかかる。
特にvodafone時代の古い基地局が沢山残っているSBMの場合、そっくり新型に入れ替える必要も出てくるだろう。
それは耐用年数の問題や特性的な問題、或いは設置に必要なスペースや電源利用効率の問題もある。
SBMは多数の中継局やホームアンテナを利用しているが、前述の通りガードチャネル内でエネルギを減衰させるフィルタがホームアンテナに内蔵できるとは思えない。
するとドコモに隣接したバンドは実質的には使えないのではないだろうか。
もしそこを使おうとすればホームアンテナはドコモに割り当てられた帯域を今以上に増幅してしまう。
逆にホームアンテナを使わないとすると屋内圏外が解消できないばかりか、その帯域はホームアンテナが想定していなかった部分であるので設計外の利用となる。
結局の所ホームアンテナや中継局を何とかしないとバンド拡張が難しいのではないかと思う。
低コストでエリアを拡張できる画期的な方式と自慢して見せた中継器作戦も、長期的に見れば無駄な投資でしかないわけだ。
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