- 2009年2月10日 11:12
通信事業者は未来を語るのが好きである。
泳ぎ続けなければならないマグロのように、通信事業者は常に走り続ける必要がある。
周りのみんなが走っているから、走るのをやめただけで取り残されてしまう。
そんな中でもSBMは異質だった。
当初こそSBMになったら携帯電話はこうなる、いや、こうしないとダメですねみたいな話はあったが、その後は次世代などを語るわけでもなくなっていた。
ドコモを超える基地局数にする宣言が夢となり、POP-iが消え、フェムトセルが暗礁に乗り上げ、端末の種類や色数での自慢も出来なくなった現状では何を語ってもインパクトは限定的だと悟ったのだろう。
しかし3Q決算は違った。
さすがに減収減益の現状を語るのは都合が悪いと見え、先のことだけを延々と語って見せた。
この手法は孫さん得意とするところであり、投資CFが上向けばそれを自慢するがFCFは語らない。
投資が落ち込んでいるときにはFCFを自慢の種に使うといった具合だ。
SBMな人によれば将来のSBMネットワークは素晴らしいものになるらしいが、トラフィック対策が必要なのはいつ訪れるか分からない未来ではなく今である。
その今が実現できないからMVNO事業者に成り下がるしかなかった。
中継局ばらまき当時は、もしかしたら加入者が増えると思っていなかったのではないだろうか。
加入者が増えないのであれば中継局をばらまいても、まあ耐えられると踏んだのだろう。
しかし幸か不幸か加入者は増えた。
それに加えて自社ネットワークキャパシティを顧みずにインターネットマシン(!)構想をぶち上げてしまった。
もしも加入者増や高トラフィックを予測できたならば、電波利用効率を下げるような中継局配りは(いくらカネがなかったとはいえ)やらなかったと思う。
結局は行き当たりばったりなのだが、これが料金プランなどではなくインフラ部分で起きたのが悲劇の始まりだった。
綻びが最初に見えたのがHSDPA化だったと思う。
当初発表していた基地局数より大幅に少なくなって、とりあえずやってみました的なスタートだった。
その後多少はエリアを増やしたのかも知れないが、SBMのページに記載されるエリアは変わっていない。
エリアマップもご存じの通り公開できていないまま時だけが流れていった。
夏前にもエリアカバレッジ95%に達するというEMに対し、SBMのそれは7割にも満たないのではないだろうか。
これもSBMな人に言わせればエリア増強中らしいが、たぶん夢の中の出来事なのだろう。
今のペースが維持できれば今後も加入者数は増えると思う。
10年でトップになると言った孫宣言が実を結ぶ可能性は低くはなったがゼロではない。
果たして加入者増にSBMはどう対処するのか。
EMとの端末共同開発の噂などもあり、高トラフィック(高ARPU)ユーザをEMネットワークに負担させ、SBMは低ARPU客だけをカバーする方針だろうか?
もしも加入者増加率が低迷するようなことがあったら、孫さんはこう言うだろう。
「低ARPUなトランシーバユースな客が入ってこないことは経営的に大きなメリットだ」と。
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