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TDDレピータ


  • Posted by: F&F
  • 2009年2月27日 11:51

WiMAXの屋内への電波浸透性が問題となっているが、これは当初から予想されたものだ。
では屋内のエリア化に何が有効になるのだろうか?

もっとも単純に発想できるのがレピータ、ホームアンテナと言われるものだろう。
SBMも使っているし現行PHS用もある。
WiMAXにもこれら同じ仕組みが使えないのか。

SBM用は単にアンテナ間にアンプとフィルタが入っているだけの構造だ。
アンテナから受けた2.1GHz帯はアンプを通って室内に再放射、室内の2GHz帯はこれもアンプで増幅した後屋外に放射される。
このタイプは安価に製品化が出来るが、フィルタの特性によっては他の事業者のバンドに妨害を与えてしまい問題にもなっている。
また周辺雑音も一緒に増幅してしまうのでS/Nを改善しようと思うと屋外のアンテナ性能(ゲインや設置場所など)などに頼る以外にない。

PHSの場合はTDDなのでアンプ単体というわけにはいかない。
TDDは時間ごとに区切りながら送受信(上り/下り)を同一周波数で行っている。
従って単に双方向にアンプを入れただけでは(周波数が同じなので)発振する。
発振させないためにはアンテナのアイソレーションを高めるなどの工夫も必要なのだがなかなか安定動作には至らない。

そこでPHSのホームアンテナでは、基地局の信号を受信した後にタイミングを取り直して再送信を行っている。
PHS端末はホームアンテナを基地局として動作するわけだ。
基地局から見ればホームアンテナは端末に見え、端末から見るとホームアンテナが基地局動作をしている。
ようするにフェムトセルの無線インタフェース版とでも言えばいいだろうか。
ホームアンテナは基地局の信号を受けて動作し、一方で端末とも通信している。
基地局がW-OAM対応でもホームアンテナが対応していなければW-OAMにならないのはこのためである。

WiMAXもPHS同様TDDシステムなので単純な増幅器ではうまく行かない。
UQでは屋外の10MHz×2と屋内用に10MHzバンドを空けているようだが、屋外の信号を周波数変換した後に屋内にタイミングを取って再放射すれば理屈の上では出来ないことはない。
しかし2.5GHzに対する10MHzはきわめて接近したバンドであり、これをフィルタで分割するのは大変というか現実的ではない。
位相ミキサなどを使ってイメージを打ち消すようなヘテロダインを何度かくり返す手もあるのだが、その度に信号劣化が起きてしまう。

もっとも単純かつ確実な方法はPHS同様に一旦基地局の信号を受けた後に信号処理やタイミング生成を行い、別バンドで送信する手だ。
これならば安定性も確保できるし、それなりの部品を使えばそれなりの品質の電波が再送信できる。
ただし内部には2組のトランシーバとベースバンド処理回路が必要になるのでコストは嵩む。

   

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