- 2009年3月 8日 13:59
先日、回線混雑と音声の圧縮度合いの話を書いた。
PDC時代の音声圧縮方法と言えば、高圧縮化の走りのような感もあって余り上等とは言えなかった。
PDCのV-SELPはCELP(符号励振線型予測)系のものでありモトローラが開発した。
当時NTTも高圧縮符号化を研究していたが、評価テストでモトローラに負けたのである。
では勝ったモトローラのV-SELPが優れていたかと言えばそうでもなく、結果は皆様ご存じの通りだ。
当時ドコモは「ディジタルだから音が良い」と宣伝していたがウソだ。
正しくは「ディジタルだから可聴域のノイズが少ない」程度で、決して聞きやすいものではなかった。
cdma2000やW-CDMAでは可変レート音声圧縮(V-SELPは固定レートで音声データ部6.7kbps+冗長部4.5kbps)を採用し、無線区間の混雑具合によって圧縮レートを可変している。
このため回線混雑が深刻化していたauでは、PDCのハーフレート以下の音質だと言われるほど音声品質が悪くなっていた。
つまり規格化された圧縮レートが全て使えるというものでもなく、会話が成立する最低限度がある訳だ。
同じ事はW-CDMAにも言えて、最高圧縮レートを使うと「かなり聞きづらい」事になる。
それもあってSBMは最高圧縮レートの一つ手前をデフォルトとして設定しているのだが、それでも帯域が苦しくなってくると最高圧縮レートを使わざるを得なくなる。
そうすると「会話が成立するかしないか微妙なところ」にまで明瞭度が低下する。
では明瞭度を低下させない程度に圧縮を抑えるとどうなるかと言えば、そのセルのキャパシティをオーバする事になるので新規の発呼が出来なくなったりハンドオーバしてくることが出来なくなる。
無線・有線の帯域が不足している以上、高圧縮レートを使うか新たな接続を拒否するかの選択肢しかない。
FDMA方式のPDCの場合はチャネルが不足するとハンドオーバしてくることが出来なくなり、否応なしに切断が起きた。
これは都内などで顕著で、通信状態は悪くはないのにブチッと切れる。
これに対するクレーム回避のためにドコモはマイクロセル化を急速に進めていき、ついにはハーフレートを使わなくて済む程度にまで無線区間容量を改善した。
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