純増数に思う

移動体通信事業者の競争とは純増者数の争いなのか？
確かに純増数はその事業者の人気を語っているとも言えるのだが、昨年のauのプリペばらまきに見られるような競争に意味があるのかとも思う。

今月は一年の中で最も新規加入者数を稼げる時とあって、移動体通信各社も販売合戦に力を入れている。
ドコモは905i/705i(ほとんど在庫無し)のゼロ円、906i/706i(未だ在庫あり)の条件付きゼロ円、Aシリーズの条件付き値引き販売などが盛んだ。
auもほぼ同じようにゼロ円や条件付きゼロ円で売る。
この場合の条件とは2年縛り契約やオプション契約など、後で外せるものもあれば外しにくい（2年縛りなど)ものもあるので注意したい。

SBMはスマート一括ゼロ円、スパボ一括4,800円〜9,800円あたりで売っている。
iPhoneのスパボ一括もあるようだが一括価格は余り下がってはいないので分割の実質ゼロ円の方が気が楽かも知れない。
他にYBBとの抱き合わせ、EMネットワークの抱き合わせにはPCが付いてきますみたいな売り方もやっている。
モバイルはPCではなくインターネットマシンだ！と叫んだ事は無かった事にしよう、そんな感じ。

新規加入者優遇策にたいして既存加入者は虐(しいた)げられている。
ドコモにしてもauにしても、新規加入優遇でゼロ円端末を買い→即解約して1万円の罰金を払った方がトータルとしては安い。
短期解約は利用の意志がないのに契約を行う事になり、以降の契約が出来なくなる場合がありますとauは脅す。
しかしだ、新規契約時に「分離プラン」を選び、更に短期解約の「違約金」まで払っているのだからそう言われる筋合いはない。
※本件はドコモとauに見解を聞いている。

ドコモだと買い増し価格が4.5万円、新規ならゼロ円が珍しくはない。
一方で違約金と新規加入料を合わせても1.4万円にも満たないのだから、やっぱり新規で買って解約が良い。
そして購入時には必ず分離プランを選ぶ事が重要で、インセンティブプランを選ぶと難癖付けられても文句が言えない。

SBMは分離プランが存在しないのが痛い所なので、番号を捨てて（解約して）新規で買う以外にはない。
番号に未練があるならドコモかauに一旦MNPし、それを持って帰ってくる手もあるがカネがかかる。
新規契約やMNPでの加入ならばスパボ一括で8円ケータイになるが、買い増しだとイニシャルコストが少々多く必要だ。
果たしてMNP往復分である4千円を安いとみるか高いと見るか。
もっともSBMからドコモなりauにMNPした時点で端末が手に入り、それを売ればMNP費用の補填にはなるか。

こうした純増競争には多くの費用がかかる。
インセンティブをばらまかなければいけないわけで、しかしドコモもauも加入者増加数が減った事によって販管費が減少し結果として利益を押し上げたというのが皮肉だ。
一方のSBMはとにかく金をばらまかなければ加入者が集まらないのだから仕方がないというか、加入者は増えども収益は上がらずみたいな事になっている。
確かに純増数は事業者の元気度を表しているのかも知れないのだが、それに固執するばかりに利益確保すら出来ない状態が正常なのだろうか？
人口普及率が一定数に達し、プライマリケータイとしての需要はさほど伸びる余地がないと思う。
あとは2台目や3台目需要になるワケだが、SBMの8円ケータイを見て解るように収益につながらないケースもある。