- 2009年4月 4日 10:48
ドコモのGPSケータイが海外で使えないという記事、何故使えないのだろうか。
F-01Aは記事によると単独測位だそうで、これならばネットワークに関係なく測位可能なはずだ。
その前にGPSの衛星補足はどのような手順で行われるのかを知る必要がある。
GPS衛星の信号はCDMA方式になっているので拡散されている。
つまり、この拡散コードを知らなければ信号を復調することが出来ないわけだ。
一旦信号を受信して拡散コードの同期が取れてしまえば良いのだが、受信開始時などは同期に多くの時間がかかる。
GPS機能付きレーダ探知機を利用されている方なら分かると思うが、しばらく車を使わなかった後などはGPS衛星補足までに結構時間がかかる。
マニュアルなどを見ると最長数十分と書かれている。
CDMA方式携帯電話において拡散コード補足に時間がかかっては携帯電話として役に立たないので、ここはロジックの量と速さとパワーで高速同期を目指している。
しかしGPSレシーバの場合はそこまでする必要がないので、逐次比較などを行いながらゆっくり同期させる事も出来る。
一旦同期した後はGPS信号を受信している限り同期は外れないし、短時間であればGPS受信機内部の基準発振器の周波数精度で同期が保たれる。
では携帯電話内蔵GPSレシーバはどうか。
普段は測位していないわけで、しかし測位したら直ぐに位置情報を得たい。
そこでA-GPS方式が使われる。
これはネットワーク側から同期補足に必要な初期情報を貰うと共に、D-GPSのような誤差情報も合わせて通知して貰うことによって測位精度と速度の両方を改善しているわけだ。
携帯電話で測位を開始すると、ネットワーク側から得られる情報を元にGPS衛星を補足する訳だ。
しかしこれが海外だとすると、そもそも海外のその場所で見えているはずの衛星が分からないのだから情報が得られない。
すると時間内に同期が取れずに測位不能になると思われる。
ただこれはネットワーク側の改善によって世界各地でも問題なく使えるように出来るのではないか。
一方でスタンドアロンで動作する方式の場合は海外でも問題はないように思われるが、実はこの場合も拡散コードの同期情報はネットワークを頼りにしている。
そうでなければ通常の測位に時間がかかってしまって実用的ではないからだ。
従って海外でこの情報が得られないか、或いは誤った情報が受信されるとGPS受信機は混乱する。
時間をかければ同期すると思うのだが、大抵の携帯電話は同期を待たずにタイムアウトするだろう。
ではiPhoneなどはどうなっているかというと、GPSレシーバを間欠動作させながら同期が大きくずれないようにしている。
これによって初期補足時間を短くし、間欠動作によって消費電力を抑える仕組みだ。
ただ国内の通常の携帯電話は、こうした間欠動作による消費電力すら削りたいと考えるのでA-GPSが主流になっている。
余談になるが不在着信表示のLEDを点灯させるだけで連続待ち受け時間に大きなインパクトがあると言えば、いかに低消費電力化が難しいかお解り頂けるはず。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0904/03/news012.html
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