- 2009年5月13日 10:40
SBMは新しい中継局を使うそうだ。
これは周波数変換型だとの事なのだが、従来のマイクロ中継とどう違うのだろうか。
KDDIなどは早くからマイクロ波による中継を行っており、阪神大震災の時にも地上系の不通に影響を受けにくかったとされた。
これと同じようなものであればわざわざ宣伝することもないのだが、ではどう言ったものなのか。
考えられるのは既存の免許を受けたバンド内だけで中継伝送を行うもの。
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2009/20090512_01/index.html
リリース情報によると同一周波数では回り込み(発振)が問題になるとされている。
これも当たり前の話で同一周波数で増幅するのだから何もしなければ発振する。
これに対して韓国製のリピータは干渉防止装置が付いているから大丈夫なのだとしていた人もいた。
しかし干渉防止回路は干渉波のみならず信号波も劣化させてしまう。
それでもなお干渉防止装置があるから良いのだとしていたのが、実際にはダメだったと言うことだ。
もしもバンド内で周波数変換しようとすると設備は結構大がかりになる。
SBMに割り当てられたバンドは5MHz×4の20MHz幅であり、その中の使っていない5MHzを伝送用に使い他の5MHz幅をサービス用に使うとどうなるか。
実際の免許周波数で表すとややこしくなるので、概念的に2000MHzと2005MHzを使うと考えてみよう。
中継波は2000MHzで基地局からの信号を受信する。
中継器内部の周波数変換器の局発に5MHzのものを用意する。
2000MHzと5MHzを混ぜると、1995MHzと2005MHzが生成される。
この中から2005MHzの成分だけを取りだしてサービス用の周波数にする。
と、言うのは簡単だが2000MHzに対しての5MHzなんてもの凄く接近しているわけで、通常のフィルタでは分離できない。
じゃあどうするか。
受信した2000MHzと1500MHzを混合して3500MHzと500MHzを作り、これをフィルタで分離して500MHzを取り出す。
次に500MHzに1905MHzを混合して1405MHzと2005MHzを作り出し、フィルタで2005MHzを取り出す。
もちろんIFで行わずにベースバンドに落としてからでも良いのだが、いずれにしても回路には工夫が必要だ。
そしてお隣のバンドはドコモが使っているわけで、500MHzのIFフィルタはそこそこ特性の良いものを使わないとドコモ波も増幅してしまう。
だったら苦労しないでマイクロ中継を使えば良いではないかとなるのだが、孫さんは以前に電波利用料が高いのが気に入らないと発言していた。
マイクロ中継を行うためにはそれようの帯域が必要で、当然電波利用料を取られる。
これを嫌ったのではないだろうか。
なおこの周波数変換型のレピータは新技術というわけでも目新しいものでもない。
WiMAXのUQも周波数変換型レピータが使えるバンド構成になっているはずだ。
しかし周波数変換が複数回ありフィルタも通過させなければならないので信号劣化が問題になる。
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