オークションは得か

周波数帯域の使用権をオークション方式で売買するのは得なのか損なのか。
オークション方式は事業者に高額な負担を強いることになるが、国は儲かる。

その高額な買い取り料金は電話代に転嫁されて加入者が支払うことになる。
孫さんはオークション方式に賛成だそうで、しかしそうするに当たっては現在持っている帯域を全て回収した上でゼロから始めるべきだとか何とか。
すると現在の携帯電話からラジオ、テレビ放送、衛星放送もアマチュア無線も全てが使えなくなると言うことか。
まさか自分たちの使っている2GHz帯を除く周波数帯だけをオークションにかけるべきだとか言い出さないだろうな。

というか、オークションならカネが全てなのでドコモが全帯域を独占する可能性がある。
ドコモが独占した上で各事業者にMVNOで帯域を貸す。
競争は沈静化して価格は高止まりという図式だ。

シェアを取って価格を上げるのは孫さん得意の商法なのだが、残念ながらカネがない。
資金調達力にしてもドコモやKDDIを敵に回せるだけのものがないばかりか、今や借金まみれなのだ。

行政は新規事業者や弱小事業者に対して有利になるような仕組みを作ってきていると思う。
これは脱落者を防止するためで、今までにもCRPやマリネットなど消えていった事業者は数多くある。
オークション方式は自由競争にゆだねる方式であり、巨大事業者ほど有利になる。

ではオークションに様々な制約を設けて、例えば電波帯域を持っていない事業者は有利にするなども考えられなくはないが、すると訳も分からぬ帯域確保会社が乱立して細切れな帯域が出来てしまうかも知れない。
欧州などではこうしたオークション費用があまりに高額になったために、事業者が次世代投資に消極的になった事情もある。
まあSBMは次世代投資に消極的なので同じかも知れないが…
私はオークション方式に全く反対というわけではないのだが、それのコントロールは非常にシビアになると思う。