冬モデル

そろそろ生産が始まる冬モデル、携帯電話が売れなくなり新機種に対する期待なども以前ほどではないと思う。
機能的にもデザイン的にも目新しさを求めようとすると奇抜路線に近づいたりして、作る側も大変である。

ドコモは富士通が回転２軸端末でゴルフ云々のデモを行っていたが、このほかに2モデルほどが出るようだ。
NECは1200万画素のCMOS（たぶん）センサを使ったフラグシップに加え、従来からの800万画素撮像素子を使った薄型2モデル、その他1〜2モデルが冬から春にかけての製品か。
PMCはそろそろWオープン以外の路線も考え始める頃なのかも知れないが詳細は不明。
安価なモデルも出してくるという話もあるが、SBM向けの830P的存在になるのだろうか。
シャープは従来のSBM路線からドコモに軸足を移したという話もある。
1200万画素CCDセンサ搭載機など2〜3モデルに加えて、PMC同様安価モデル路線の選択もあるようだがこのあたりどのようなマーケティングになるのか今ひとつ分からない。

というのも90xシリーズに対して安価誘導を狙った70xシリーズが従来はあったのだが、結局の所あまり価格も変わらず売れなかった。
ドコモの場合は少なくとも従来はハイエンドがよく売れるという、SBMとは全く反対だったからだ。
ただ端末価格の上昇と機能的飽和の時代にあってはSTYLEシリーズの売り上げも上がってきたと言い、もしも思い切った価格設定の可能な端末が出ればマーケットは開けるのかも知れない。

SBM向けはカシオ／NEC組から1〜2機種発表されそうだが、実際に発売されるか否かは不明。
シャープは3〜4モデル供給の予定と聞くが外観違いの中身共通化モデルがあるかも知れない。
PMCは安価モデルは従来モデルの焼き直し、さらに1.5GHz帯対応モデルとおぼしきものが技適を通っている。
SBMは予定では今年末から1.5GHz帯でのHSPA+系サービスを開始するとしており、対応端末は必須だ。
中継器などで汚されていない1.5GHz帯は、同社のネットワーク混雑解消やパフォーマンスアップに貢献してくれるはずだ。
ただしPDCとW-CDMAではセル設計が違ってくる（LTEの方がまだ近い）ので、その当たりのつじつま合わせとチューニングが肝かも知れない。
対応機種が少なければ利用者数も少ないわけで、地上系さえ何とかすれば理論値に近いパフォーマンスが出る可能性も秘めている。
HSPA+は次世代とは言えないが、EMに追いつくという点で展開的には面白い。

ドコモは予定通りフェムトセル対応を謳ってくるのだろう。
従来機でもフェムトセルは使えるはずだが独自サービスへの対応は冬モデル以降になる。
SBMもここに来て従来機を（ドコモ同様）対応させることが出来ると言い始めたが、これって制御側の変更でどうにでもなる筈なんだけどなぁ。
結局の所ドコモのやり方を見て、それと同じ仕組みをベンダに組ませたという感じかも知れない。
ドコモはホームUでIMSを実現して見せたがAPはmoperaへの接続だ。
SBMは従来はYBBのADSLにつなぎたいとしていたのだが、遅延などのパフォーマンスが保証できない（音声を通そうとすると結構うるさい基準がある）などの問題に直面した。
そんな事もあってフレッツ組に入ったのだと思うが、これならマルチセッションが張れるのでドコモ的な設定や設置が可能だ。
ドコモはSON的(自立的基地局間協調制御）機能の実装も行っており、SBMもこれを使えばセルの乱れを最小限に抑える事が出来る。
現状のSBMネットワーク、中継器やホームアンテナで手が付けられない状態に陥ってしまったそれを回復させるにはSON的機能内蔵のフェムトセルへの入れ替えを行うか、あるいはフェムトセル自体も1.5GHz帯で展開するかだ。

ドコモもSBMも無線LAN搭載機を出してくる（ドコモは既に数機種出しているが）のは、企業向け内線対応の意味も大きいはずだ。
まあ使う側からすると（特に海外で）無線LANでフルブラウザが使えるのは有り難いが、実装にはコストもスペースも重量も必要である。
SBMの無線LAN対応は夏モデル発表時にアナウンスされていたものの未だ対応機種は発売されていない。
冬モデルで発表があったとして、それが発売されてサービスが開始されてみないと何も分からないというのが現状だろう。
これはドコモのHSDPA開始が後れに遅れたようなものか。