- 2009年10月 2日 10:37
パケット制限、食べ放題だけれど食べ過ぎは許さないみたいな矛盾した事だと思う。
食べ放題だけれどご飯を3膳食べたら4杯目からはすぐには配膳しませんよみたいな感じだ。
私が厳しいなと思うのはauのアプリからの通信量制限だ。
おそらく現在もこの規制は行われていると思うのだが、1.5Mバイト(約1.1万パケット)で規制されて通信できなくなってしまう。
ドコモなどだとアプリを利用した動画のストリーミング再生なども可能なのだが、この手のものが事実上使えないというわけだ。
月間パケット使用量に関してもauは厳しめの300万パケットである。
こでも動画などを見ていると到達可能なパケット量だ。
SBMも制限は厳しい。
auを見習ったのか月間300万パケットが規制ラインだが、おそらく孫さんはもっと低いところで規制したかったのではないかと思う。
厳しいのはケータイのみではなくスマートフォン(iPhone)も規制されるところだ。
制限量が1千万パケットとはいえ、同じく月間300万パケットで規制されるauはスマートフォンには規制はかけていない。
このあたりにSBMのネットワーク事情が見えてくるのだが、なぜそんなに厳しい状態に陥ったのか。
PC定額もEM頼みで、ドコモやauより余程トラフィック的には楽なはずなのに。
理由は簡単で、周波数利用効率が低いからである。
セクタ制御されていない基地局や中継局の乱立はセル面積を増やし、セル内のトラフィック増を招く。
対策としてはセクタ構成を変えるか基地局を増やすか中継局を外すかなのだが、たとえば3セクタ局を6セクタにするのは大変である。
3セクタ用のBTSを6セクタ用に入れ替えるのは金の問題だけなのだが、アンテナ増設は強度の再計算を伴う。
また実際にセクタ構成を変えると周りの基地局にも当然影響が及ぶのでセルの再設計が起きる。
制御側の負荷も高くなるのでむやみやたらにセクタ数を増やすわけにはいかない。
従ってマイクロセル局やSON機能付きフェムトセルを置くのとは訳が違うほど手間と金と時間のかかる作業になるのだ。
このように考えると、セクタ構成を変えてセル設計をやり直すことは余程のことがない限り行われないと思う。
(すぐ出来るなら既に行われているはず)
中継局外しは簡単にできるが圏外が増える。
そこでフェムトセルや張り出し局に換装となるが、当然これにもカネがかかる。
ただ宮内さんも中継器で汚れたネットワークは何とかしなければならないという認識らしいので、改善の意志はあるのだろう。
問題はコストだ。
買って設置してしまった中継器はまだ消却期限が来ていないではないかと孫さんは頭から湯気を出すかも知れない。
そうでなくても設備の消却年数を長くして資産価値の水増しをしているのに、消却期限が来ていない設備を廃棄するとは何事だと。
SBMの通話品質の悪さは誰もが知っていると思うが、これは音声の圧縮率を上げているからだ。
ここでも、出来るだけ帯域を食わないように、音が少々悪くても話が通じればいいだろうのギリギリの線で設定している。
基本的には可変レートなのだが、その上限をBS側から指示すればMSはその通りに動作する。
とは言っても音声が使う帯域は10kbps程度だ。
長話をされると帯域×時間の値は大きくはなるのと回線交換なので連続してべったりとそこを使われてしまうことは確かだが、データ通信に比較すれば負荷は軽いだろう。
SBMは割り当てられた帯域の中の15MHz幅しか使っていないエリアが多いが、これを20MHz幅で使う手もある。
だが基本的に周波数利用効率を下げたまま帯域を消費していくことは許されず、利用には一定の基準があるので勝手には使えない。
中継局乱立やセクタ制御なしで、安いけれど周波数利用効率の悪い使い方は駄目よと釘を刺されているわけだ。
これは昨今の周波数の利用効率重視な流れにも通じるもので、それこそ無駄に帯域を使って良いのならマクロセル設計をした上に、さらに中継局をくっつければ安くエリア構築が出来る。
って、SBMはそのまんまなんだけど。
しかし、これで帯域が不足したから新たな周波数を使わせろと言い始めたらキリがない。
そこには何らかの基準が必要になるわけだ。
ドコモのようにマイクロセル局を増やすのはメリットが大きい。
中継器などをマイクロセルやフェムトセルに変えればいいのだが、これは上記の通り金の問題が立ちはだかる。
マイクロセル局新設はスローペースながら行っているとは思うのだが、結局中継器が干渉を呼ぶのであまりうまく働かないかも知れない。
マイクロセル局はそもそも出力が小さいわけで、しかしそれが既設中継局の近くに立てばその電波まで増幅して再放射してしまうのでマイクロセルにならなくなる。
残るは1.5GHz帯の開拓だ。
だがこれにも金がかかる。
しかもDC-HSPAは周波数利用効率が上がるものではない。
HSPA+にしても多値変調を使うと周波数利用効率は上がるが、要求S/Nは大きくなりセル半径が小さくなる。
すると基地局を増やす必要が出てくるが、既存の1.5GHz帯局をそのまま使おうとすると色々な無理が出てくる。
PDCとCDMAという通信方式の違いもクリアしなければいけないし、収容加入者数によるセル半径の変化もある。
この部分がLTEに比較して面倒なところなのだが、しかしSBMは金がないからLTEは先送りだという。
なんか安物買いの銭失いみたいになっている気がする。
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