騙されないように

豊島区の無職の女性K(34)による結婚詐欺事件が頻繁に報道されている。
事件の解明には未だ時間がかかるだろうし、容疑者が女性の場合はなかなか自供に導けない苦しさもあるだろう。

金額から言えばトリカブト事件を思い出させるものでもある。
私はこの報道を見てある人を思い出さずにはいられなかった。

仮にA子さんとしておこう。
疎遠になって久しいがもう40歳を過ぎたあたりのお年頃、少なくとも30代前半の頃は細身で男性受けの良い感じの顔立ちだった。
特別美人と言うほどではないし細身なのでスタイルが良いと言うことでもないが、普通っぽさと話のうまさが男性を引きつけたのだろう。

彼女は30代の頃から働いてはいない。
いや、働いていると言えば働いているのだが、勤め人ではなかったというべきか。
それでもそこそこの暮らしを維持していた。
暮らしを支える資金は男性が提供していて、絶頂期には数人のスポンサーが付いていたと思う。
彼女の口癖は「金にならないセックスはしない」だった。

そんな彼女なのでトラブルもあった。
警察沙汰になったり裁判沙汰になったりしたが、その都度切り抜けてきた。
そうしたトラブルがあると自由な時間が無くなるのでお客さん（彼女はスポンサーのことをこう呼んだ）が減ってしまう。
だがmixiなどでのオフ会やコミュニティを通じて次のお客さんを見つけるのは簡単だったという。

ねらい目はそこそこ金がある見栄っ張りの男性だそうだ。
見栄を張りたいので気前よく金を出す。
金がなくなったら別れればいい話なので、どんどん金を出してくれる人が良いお客さんだ。
金を引き出す理由はどうでも良い。
子供の進学費用、親が病気になったとか、家電製品がが壊れたとか。
こうして相手の懐具合を探りながら援助額をコントロールする。

時には「あなた以外ともおつきあいしないと暮らしていけない」などという手法も使うそうだ。
相手がA子さんに惚れていれば、自分だけと付き合ってくれと財布から札束を引っ張り出す。

豊島区の無職の女性、仮にKとするが、彼女が得た金額は1億円以上にもなるという。
これは凄い額なのか。
以前はヤフオク詐欺などで稼いでいたようだが、そのときには百数十万円だったという。
A子さんはこの10年間で、おそらく1億円くらいは稼いでいると思う。
彼女もヤフオクで稼いでいたが詐欺はしていない（はず）。
金額ベースで見るとKもA子さんも大きな違いはないが、唯一違うのはA子さんは広く浅くである点だ。
浅くといっても数百万円は当たり前、1千万円を超える出資(!)をさせたケースもあるとの事だがでもその程度。
一方のKは7千万円以上を出資(!)させたというから結構手口は違う。

A子さんのお客さんは独身ばかりではない。
むしろ既婚者の方がトラブルになりにくいのと、金銭面が奥さんにばれるのを嫌うので事件になりにくいから有り難いのだそうだ。
いずれにしても彼女からすればお客さんを見つけるのは簡単で、そのお客さんに出資して貰うのも簡単だという。
皆様もお気をつけあれ。

A子さんの場合は結婚詐欺はしないようだが、以前は結婚詐欺といえば女性が騙されるものだったと思う。
御曹司だ、外交官だ、パイロットだ医師だと行って女性に近づくというアレだ。
今やコントでもそんなものは使われないみたいな感じで、最近では男性が騙されるケースが多いのだろうか。