- 2009年12月 3日 11:08
1万回転のタコメータ、レースをやっている人間がレース中のエンジン回転数を知りたいという。
データロガーなど高価なものは買えないというので、だったらオルタネータノイズをテープレコーダに録音してきてねと。
それをF/Vコンバータで電圧に変換し、このメータを振らせる仕組みを作った。
ステレオカセットレコーダで1chは車内音を録っておけばだいたいの状況も分かる。
F/Vコンバータの仕組みは簡単で、入力波形でワンショットを叩き一定のパルス幅を出力する。
すると周期がデューティになるので、これを積分すれば電圧が出てくるというわけだ。
レブリミッタをカットするのが大変だった覚えがある。
一定の回転数になるとECUは燃料供給を停止してしまう。
なので、そこから先の燃料供給を外付けパーツで行う訳なのだがつなぎ目が出る。
燃料カットに至迄のインジェクションパルス幅をモニタしてつなぎ目がないように頑張るのだが、パーシャルスロットルの時が難しい。
全開の時は少々A/Fが狂ったって回っていってしまうので余り気にならない。
他にラップタイム測り機も作った。
車両側に変調赤外線投光器を設置し、それをピット側で受ける。
投光側の指向性は緩く、受光側はモデルガンのライフルの照準器を使って狭い範囲でしか検知しないようにした。
あとはカウンタを動かすだけ。
最高速測定器も作ったっけ。
これは某雑誌での計測用だったのだが、当時は半導体レーザの入手が難しかったのでHe-Neレーザを使った。
変調がかけられないのでS/N確保に苦労はしたが、コース幅の両端に設置してタイヤが光線を切る事でカウンタを動かした。
今なら半導体レーザと無線LANでも使うところだが、当時は測定距離間の電線を引っ張る事しかできなかった。
無線といえば車両情報をピットに送るヤツがあった。
車両側もピット側もPC9800を積んで、そのシリアル信号を無線伝送した。
回転数や車速その他をグラフ表示して監視する。
目の前の直線をすさまじい風切り音を残しながら車両が通過し東側のバンクに消えていく。
裏のストレートを通る排気音が小さくなり、西のバンクに達する頃にはあたりは静寂だ。
PCの画面を見ていた人間が、「あれ?」と言ったまま固まる。
エンジン回転数がすとんと落ちて車速も降下中だ。
少しするとバンクの下の方をこちらに静かに向かってくる車両が。
既にエンジンの音はせず、そのまま慣性で停車位置に移動。
セルは回ったがエンジンは自力回転を拒否していた。
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