やめたそうです(1)

眼鏡っ子（いや、そんな萌え系の若い人ではないですが）の吉岡綾乃 Business Media 誠 編集長、iPhoneをやめたと。
内容的にはケータイになれなかったスマートフォンという感じかも知れない。

吉岡編集長→　http://newlife.yahoo.co.jp/internet/taidan/index.html

普通のスマートフォンよりはずっとケータイチックなのだが、やはりケータイではない。
PCサイトは普通のケータイでも見られるがケータイサイトはiPhoneでは見られない。
あの小さなケータイの画面のボロブラウザで何が見られるのかと言われそうだが、iPhoneはFlashにも対応していないし解像度が低くて字がつぶれる（これはアンチエイリアスによる影響も大きい）ので広範囲を一度には見られないのだ。
PCサイトを見るならPCを使えばいいし、ビューワとしての動きは良いのだが不満も多い。
中途半端と言ってしまうのはどうかとは思うのだが、それはメール関係にも言える。

ケータイはプッシュ配信ですぐにメールが見られるのが魅力で、iPhoneもSMSを使ったメール通知はある。
しかし通知してからメーラを立ち上げて受信するというのは何ともダルい。
MMSではHTMLメールもダメ、HTMLメールを作るためにはアプリを立ち上げてと、何とも手間がかかる機械なのである。
吉岡さんはiPhone3Gだとの事なので、アプリの立ち上げもブラウザの立ち上げも、何もかもが遅い。
これがiPhone3GSになればかなり改善されていると思うのだが、とにかくダルい動きなのだ。

後は常識的な不満なのだが一点のみ私と感覚が違うところがある。
ナビに関してなのだが、精度が悪いのではなくGPS感度がものすごく悪いというのが私の見解だ。
ケータイが難なく測位する高速道路下などでもiPhoneは測位できない。
これが不便だと思う部分だ。
解像度の関係で地図が見にくいというのもあるし、SBMネットワークなので時に地図がなかなかダウンロードできないこともあった。
ドコモの地図も（コイツはGPS測位が遅い、iPhoneはGPS測位は速い）立ち上がりまでがダルいと思うわけで、これがiPhoneだとさらに、なのだ。

片手で使えない、キーがないなどは誰もが感じる不満点だろう。
Felicaも私にとっては重要なので、これも吉岡さんの感覚同様である。
私の場合は1ヶ月も使っていなかったが、使っている時は毎日持ち歩いていた。
アプリがあれば何でも出来ると宣伝しているが、一体アプリで何をするのかと思ったものだ。
そもそもiPhone自体に機能がないのに、アプリで何とかしろとは何事なのかと。
確かにゲームマシンだと思えばいいのかも知れないが、だったらDSやPSPじゃダメなの？
DS-iのブラウザは結構使いやすい。

ケータイは日本人に合わせて独自に進化してきたものだ。
そのケータイにすら不満があるというのに、スマートフォンでOKとは行かないのは当然である。
それこそ全てがそろったスイートルームからビジネスホテルの一室に移ったようなものだ。
ビジネスホテルの支配人はこういう「1Fにコンビニがありますから、必要なものは全てそろうはずです」と。
しかし部屋には空調機もTVもない。
コンビニには様々な品物が並んでいるが、その部屋にない機能をコンビニの棚のものでまかなえと言っても無理がある。

更にビジネスホテルの支配人はこう言うかも知れない。
不要なものまでゴテゴテ部屋に置いてあって、あなたはその全てを使うのですか？
仕事で疲れて部屋に戻って、それから更にホームシアターで映画を観ますか？
これが無いものを正当化する時の常套句だ。
あるものを使わないのはこちらの勝手だが、無いことを正当化して押しつけられてはたまらない。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0912/24/news101.html

いかにも的な反論もある。
http://blogs.itmedia.co.jp/closebox/2009/12/iphone-65b7.html
遅延連絡ならアプリで出来るぞと。
いや、吉岡さんが言っているのは一つの例だと思う。
遅延連絡のみなら定型文を送信するアプリで良いことは誰でも解るし、遅れそうだと思ったらメールを作っておいてそれをタイミングを見て送り出しても良い。
そう言う話じゃないんですよ、松尾さん。
そのアプリを立ち上げるのに画面を見る、立ち止まる必要があるでしょ？
そんな無理矢理的なことを強いられるのが嫌なんですよ、吉岡さんは。

ビジネスホテルの支配人はこう付け加える。
空調装置、そんなものは不要なんです。
コンビニで氷を買ってきて部屋を冷やした方がずっと自然で体に良い。
ほらね、コンビニがあれば何でも出来るでしょ？と。

PCを持ち歩かないでiPhoneだけにするって？
本当にそれが可能ならばいいけれど、ビジネス文書の編集は？
おそらくビジネスシーンでのPCの必要度の違いで、PC何か要らないiPhoneで十分だ論は出てくるのだろう。
私は普段はmobile2pcなりiRemoteでPCを遠隔操作するが、まさかビジネスシーンでそれは出来ない。
何しろ文字が打てないではないか。
議事録をどうやって取れと言うのか。
プロジェクタにどうやって接続しろと言うのか。

iPhoneに出来てケータイに出来ない事って何だろう？
逆はすぐに思いつくのだが。
続く…