- 2010年2月 6日 12:02
iPhone効果もあってSBMは最高益を得たという。
確かに孫さんは常にiPhoneの宣伝を忘れなかったし、投げ売りも行った。
ではもしiPhoneをドコモが売ったら大量に売れたのだろうか。
おそらくSBMの販売台数に負けるのではないかと思う。
理由はいくつかある。
まず販売価格で、Appleから8万円前後で仕入れたiPhoneを市場に2万円前後で出せと言うのが同社の要求だ。
このためには6万円ものインセンを積まなければならず、もしドコモがそれをやったら国内メーカや株主の反発を食らうこと必至だ。
さらにゼロ円投げ売りとなればインセン額は8万円以上にもなり、株主から訴えられるかも知れない。
iモード網囲いが崩れてAppStore支配になることもドコモには耐え難いことではないだろうか。
保証問題や電池交換、修理対応など全てがドコモ基準から外れている。
では何故SBMには出来たのか。
オーナ会社のワンマン経営のなせるワザだ。
そしてそのワザは鋭い輝きを放っている。
これは孫さんだから出来たことで、ドコモには出来ない。
ではSBMには失ったものがないのかといえばそうでもない。
下がらない解約率、誰もが口にするエリア不満、事業者中もっとも厳しいパケット制限などで満足度は低い。
それでも良いのだ。
2年縛っておけばいい。
2年後に客でなくなったとしても、新たな客を集めればいい。
そんな割り切りが出来るのもSBMだからであり、同じ事をドコモがやれば不満度は更に高まる。
つまり「ドコモのくせに」と言われるからで、SBMの場合は「SBMだから仕方ないね」で済まされる安楽さがある。
これにはイメージ戦略が大きく関係している。
SBMは安い・安っぽいというイメージを植え付け、多少の不満は「安いのだから仕方がない」と思わせる。
安くはない価格だったとしても、イメージが先立つので錯覚を起こす。
自社のブランドイメージを「安い・安っぽい」とするには勇気が要るだろうが、しかし孫さんはこれをやってのけた。
これと全く逆なのがトヨタの作ったレクサスイメージだろうか。
高級なイメージを作ろうとしたが、そのイメージ作りすら成功したとは言えない気がする。
商売とは何であるか、どうやって金を稼ぐか、いかにして加入者を増やすかのみを考えた経営が孫さんの底力だろう。
今やADSL事業は斜陽で売り上げも減少に転じている。
こんなものはさっさと捨ててケータイにシフトしようとしたその考えも正しい。
日本の企業は企業イメージや顧客を大切にすることが善だという考え方がある。
Panasonicなどは明確にその路線を歩んでいると言えるのだが、孫さんはもっとずっとドライだ。
企業や顧客はカネを儲けるための道具に過ぎず、よりよい道具があればそれに買い換える。
道具が古くなれば捨てるか売り払う。
古道具屋から安値で買ったトンカチのサビを落としてペンキを塗って高値で売り払って利益を上げる。
顧客にしても同様に、付加価値を付けて債権を売り払う。
確かに通信事業者としては業界三位、三流かも知れないが商売力(あえて、経営力ではなく)は一流だと思う。
稲森さんも凄いかも知れないが、孫さんだって負けてないぞと言うことで。
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