動画も食う

iPadの発売時期が迫っている。
Appleはより多くのアプリやコンテンツを揃えようと必死である反面、下品なアプリが増えすぎた点の修正も行っている。

ゲームなどのアプリに関して、おそらく日本以外の各国ではそこそこの需要があるのではないかと思う。
iPhoneやTouchによる有料アプリのダウンロード本数も月間数本とのデータがある。
一方で日本人はどうかというと、月間数本もアプリを買う人は多くいないだろう。
千円近くになれば「衝動買いする値段じゃない」と言われ、ようするに他の日本製ケータイの無料アプリと比較されているわけだ。

国産ケータイがそうであるように、ゲームアプリは限界がある。
ウルトラヒット作でも出来れば別だが、それはゲーム用に作られたゲームマシンに任せよう。
CPUパワーも描画パワーも限定的なモバイル機器で、最新ゲームマシンと戦うには無理がある。

だからと言う事ではないと思うが、Appleは動画配信などにも力を入れていくそうだ。
奇しくもドコモやauの流れを追ったSBMの、その又後をAppleが追いかけてくる。
TV番組などを流すというのも国内事業者と同じ発想だが、果たして成功するのだろうか。

確かに英語圏で考えてみると、通常ではどう頑張っても見る事の出来ない番組をiPhoneで見られれば面白いかも知れない。
東京にいて地方局のローカル番組を見るようなもので、それはそれで新鮮味はあるだろう。

ビジネス的にも動画売りは利益を得やすい。
音楽ダウンロードなどに慣れた人々が、面白そうな動画を買うパターンだ。
所がこれはAppleが儲かるだけでSBMは帯域を消費されるだけになる。

そこで他人のふんどしではないが、SBMはFON導入を叫びはじめた。
FONとは他人の無線ネットワークに接続出来るシステムのようなもので、ルータを買う事によって他人のネットワークに接続出来る権利が得られる。
つまり、自分のネットワークも公開するからキミのも使わせてねと言う感じなのだ。
http://www.fon.ne.jp/sbm/index.html

他社のネットワーク帯域はどんどん使いましょう、でもソフトバンク系は使ってくれるなと言う事でYBBではFONの利用を規約で禁じている。
確かにそれはそうだ。
3GのトラフィックがYBBに来たのでは何も変わらない。
3Gのトラフィックを他のISPに逃がせてこそメリットがあるというものだ。

SBMのネットワークの厳しさは解らなくはない。
年々増加するトラフィックに、ドコモもauも設備投資をやめるわけにはいかなくなっているのだ。
しかしSBMの場合は設備投資はしたくない。
だったら他人の回線にタダ乗りするか、何と言ってもタダ友のSBMなんだし。