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焦りなのか


  • Posted by: F&F
  • 2010年3月 5日 12:05

AppleがHTCを訴えたのはAndroid牽制ではないかという。
この手の裁判は決着までに時間がかかり、その頃には当該製品が売れなくなっていて利害関係がハッキリしなくなるみたいな事も起こりうる。

ケースは同じではないが、PC9800と互換機の戦争も似たような感じだとは言えなかっただろうか。
セイコーエプソンのPC-286はPC9800シリーズとの互換性を保ちながらより高性能、そして安価な製品を目指した。
しかしN88Basicの著作権問題、周辺機器のNEC独占的インタフェース問題などで苦戦する事になる。
苦肉の策としてBasicのROMを実装しないで出荷するなどを行うが、今度は互換性の点で問題が生じる。

その後DOS/V機と呼ばれるPCがマーケットを拡大しはじめた頃になって、NECはセイコーエプソンと共同戦略を取ろうとする。
PC9800アーキテクチャのマシンを広く普及させる事がDOS-V機にマーケットを奪われない最善の方法であると。
だが時は遅かった。
PC9800の時代は既に終焉に向かっていたからだった。
この終わりの臭いをいち早くかぎつけたエプソンは互換機路線から撤退、NECは砂漠に放り出されたのだった。

まだAppleの元気があった頃、パイオニアは短期間ながらMacintosh互換機を作っていた。
ただしアップルのシェア自体が小さかったので余り商売にはならなかったと思う。
当時Appleはシェア拡大のために互換機生産メーカにライセンスしていたのだが、どの企業も成功には至らなかった。
その後の1997年にスティーブ・ジョブズがAppleに復帰したのをきっかけに互換機ビジネスは終了、互換機メーカの中にはAppleに買収されたところもあった。

こうした流れを見てきているAppleだけに、独自ハードウエアに独自OSを乗せて独自のアプリを動かす事の危険さを感じているのではないだろうか。
シェアを独占出来れば天国だが、そのユーザがそっぽを向けばいきなり過去の悪夢と同じ世界に陥ってしまう。
Apple][は成功した、成功はしたが偽物が大量に出回った。
Macintoshは成功せず、Appleは暗黒時代へと突入する事になる。

iPod,iPhoneは成功したと言えるだろう。
しかしひとつの時代はそう長くは続かない。
数ヶ月後には発表されるであろう2010年版iPhoneが失敗すれば、この数年間に獲得したiPhoneユーザの多くを失う事になるかも知れない。
デュアルコアのARM、500万画素のカメラ、マルチタスクへの対応などと噂は絶えないが果たして。

iPhoneを取り巻く環境も確実に変化してきている。
Androidはまさしく過去のDOS/V機のごとく氾濫を始めたのだ。
多くのメーカが様々な製品を開発すれば、よりよい製品へと発展は急速になってくる。
iPhoneは企画/設計時点の新しいAndroidと真っ向から勝負が出来るのか?
明らかなるアドバンテージと新鮮さをアピール出来るのか、それが問題だと思う。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/03/03/apple_htc/?rt=na

   

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