- 2010年3月 6日 12:04
WiMAXのUQが700MHz/900MHz帯を使うにはどうすればいいのか。
WiMAXは元々TDD(TimeDivisionDuplex)、つまり同一周波数を上りに使う時間と下りに使う時間に分割して双方向通信を行う方式だ。
オモチャのトランシーバはシンプレックスで、AさんとBさんが通信する場合にAさんが話しているときはBさんは聞き手に回る。
Bさんが話しているときにはAさんは聞いているわけで、これがシンプレックス通話だ。
政治家にテレビで討論させると他人の話を聞かずに無秩序に発言を開始する。
なのでシンプレックスなトランシーバを政治家に渡せば良いと思う。
という話ではなく、ではそのトランシーバの送信と受信をものすごい速さで切り替えたらどうなるだろうか。
音声は途切れはするが、途切れた隙間に相手の音声が聞こえるはずだ。
通話品質は劣化するが冗長度がそれをカバーして、そこそこ双方向な通話になるかも。
それを更に一歩進めて、送受を切り替えても通話が途切れないように音声を最低2倍にまで圧縮して伝送しようというのがTDDなのである。
自分の持ち(伝送)時間が1/2になるので、伝送レートを2倍にして伝送し、再生時にそれを引き延ばせばいい。
携帯電話などが使っているのはFDD(FrequencyDivisionDuplex)、これは送信用の周波数と受信用の周波数が別にあって、送受両方の動作を同時に行っているのでシンプルだ。
そのFDDバンドの中にTDDを入れると、普通は帯域利用効率が半分になる。
上り用の周波数は上りタイミングの間だけ使い、下り用の周波数は下りのタイミングだけしか使わないからだ。
でもそんな無駄な使い方は許されない。
そこで、TDDタイミングを2つのグループに分ける。
グループ1は通常と同じタイミングで動作するのだが、グループ2の端末は本来下り信号を受信しているタイミングで上り信号を送信する。
まあ無理矢理な方法なのだが、TDD用の通信をFDDで使うためには仕方がないだろう。
ところが、WiMAXは上りと下りが対象ではない(対象にも出来る)。
XGPの場合は5mSのフレームを2.5mSごとに送受に分割して使うが、WiMAXは下り速度を上げるために下りに割り当てる時間を長くしているわけだ。
すると、グループ1とグループ2では上りと下りのパフォーマンスが逆転してしまう。
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