- 2010年4月28日 10:44
ソフトバンク決算演説会、リアルタイムで見る事は出来なかったが録画を早送りしながら見た。
Ustreamは伝送レートが低いのか、画像も音声も従来の中継よりかなり劣って見える。
ソフトバンク決算の見所は毎回書いているように、孫さんがサラッと短く飛ばして過ぎたところや触れなかった部分、或いは視点を無理に変えて協調する部分だ。
ARPUは再び下落に転じている。
一旦上がったARPUが減少に転じたと見るべきなのか、それとも下落の中の一時的な回復に過ぎなかったのか。
ARPUを何とか回復させるべくパケット代のフラット定額制などを推進した訳で、確かにデータARPUは上昇したが音声ARPUの減少は埋められなかった。
しかしものは言いようで、音声ARPUの2倍以上のデータARPUがあるのはSBMだけだと吠えて見せた。
(EMやWillcomはどうなのだろう)
前年比で上昇に転じたのは世界でもSBMだけみたいな言い方をしたが、音声ARPUはauの65%、データARPUも同約9割しかない。
S-1などの有料メールを送りつけた割にデータARPUは上がらなかったと言える。
音声/データ比率が大きいのは単に音声ARPUが低いだ。
自網内は定額で、他社宛は高いから使わないだけ。
今後はパケット契約プランによって端末の実質価格を変えるという、分離プランならぬ密結合プランを採用してARPU向上を目指す。
低い満足度でも顧客をやめさせないように縛りも強化する。
これが旅人のコートを無理矢理剥がそうとする北風作戦なのだが、北風の吹くSBMの解約率と太陽降り注ぐドコモの解約率の差に孫さんは気づいているのだろうか。
満足度はエリアの広さにも当然関係している。
現状では屋内圏外も多いし通話・通信品質も決して言い良いとは言えない。
これの言い訳として孫さんは800MHz帯が無いからだと言い、この先割り当てられるであろう700MHz/900MHz帯を狙っている。
狙ってはいるのだが、以前とは少々ニュアンスが異なっていると思う。
従来であれば国際協調云々よりも、少しでも早い時期に割り当てを受けたいとしていた。
独自のバンドプランまで考えてみたり、総務省を訴えてみたりと、滅茶苦茶な事までやった。
しかし昨日の話を聞くと国際協調が大切なのだと方向が変わった。
何故なのか。
国際協調と言ったって、各国それぞれの都合がある。
現状でもIMTの全てのバンドが国際バンドではないし、今後も世界中が利用周波数帯域をそろえる事は出来ないだろう。
SBMはおそらく設備投資のカネがないのではないか。
700MHz/900MHz帯が割り当てられればその周波数帯を使ってエリア構築を行わなければならない。
しかしそれには莫大なカネがかかる。
2GHz帯より設備は大きくなり、しかも日本独自バンドであるから出来合いの基地局を買ってくると言う訳にも行かない。
当初は800MHz帯は基地局数が少なくて良いからとか、移動機側にしてもマルチバンドにカネはかからないと言っていた。
それに対してドコモは、800MHz帯の整備にカネがかからないと思ったら大間違いだと言った。
そして700MHz/900MHz帯の割り当てが現実的になった今、ドコモの言うとおりだと気づいたからかも知れない。
手に入らないものであればゴネたり訴えたりして騒ぎ立てる事が出来る。
しかし騒いだら手に入ってしまう事態になると、それはそれで困る。
800MHz帯が無いから出来ないと毎度のように言う泣き言が通じなくなってしまうからだ。
そして、800MHz帯があるから狡いと他社批判も出来なくなる。
これでは困ってしまう。
フェムトの宣伝もしていた。
これまでは「他社がやらない画期的方式」だと自画自賛した中継局でマクロセル化を推進してきたSBMだが、今度は180度発言内容を変えてマイクロセルこそ時代の要求だと始まった。
そんなこと、ドコモはPDCの頃からやっている。
DC-HSPAの話も出ていたが、サービス開始は来年春以降の様子だ。
端末の対応は数ヶ月後と言うが、これに対して鋭い質問が追い打ちをかける。
42Mbpsのサービスを来春以降には始めるのかと。
するとエリア内に1加入者だけなら良いが実際にはそうではない、速度は理論値で保証はしないと、矛先をそらそうとする。
つい少し前にはドコモの37.5Mbps/5MHzに対して42Mbps/10MHzだぞコノヤロウと自慢していたのに。
(実は周波数利用効率が約半分だと言う事に孫さんは気づいておらず、数字が大きい方が偉いと認識しているようだ)
Skypeは使えないのかとの質問もあった。
これに対してBBフォンがあるではないかと言った。
質問者は「カレーライスが食いたいが売る気はあるのか」と言ったのだが、孫さんは「ウチにはカツ丼がある」と答えたようなものだ。
他に設備投資額を増やすなどもあったが、これまでが低迷政策だったので普通になったと言う事かも知れない。
ただし毎年やるとは限らないと釘も刺していた。
バックボーンIP化はずっと前から言っていて、SBMな人も盛んに言っていた時期があったが未だに…
これもUHF帯と同じく、やらないうちは(やるやると)夢を語れるという事か。
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