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対向ピストン


  • Posted by: F&F
  • 2011年6月14日 12:03

対向ピストンエンジンというものがある。
と言っても実用化はされていないと思うのだが、2つのエンジンのヘッドをくっつけたようなものだ。

勿論ヘッドというものは存在せずにピストン同士が向かい合っている。
当然ながらクランクは双方のピストンに存在するので2つある。
これがギアで連結されているわけで、水平対向エンジンをひっくり返したようなものだ。

これをもう一声進めたらどうなるだろうかと考えてみる。
ピストンは2個でも3個でも4個でも良いのだが、ドーナツ状のシリンダの中にそれが入っている。
クランクは存在しない。
ピストンは一方方向に動きながら圧縮と爆発を繰り返す。
吸排気と点火は決められた場所で起こるようにしないと、ピストン経由でそれを行わなければならなくなる。
吸気場所と排気場所が異なるので、ロータリエンジン風にバルブレス構造に出来るだろう。

コンロッドはドーナッツ状シリンダの内側から出るのでシーリングが問題になる。
直接円運動が得られるが、それがデメリットを打ち消すほどのメリットになり得るかどうかは不明だ。

   

Comments:4

kaz3 Author Profile Page 2011年6月14日 17:02

対抗ピストンエンジンの実用品は大戦中のユンカース製航空用ディーゼルエンジンが有名ですね。
調子に乗ってシリンダを口の字に組んだ化け物(クランクが四隅に有る)を計画したものの、ダメでしたけど。

円周にピストンはフリーピストンエンジンというかコンプレッサーが有るようです。動力の取り出しは無理みたいですね。ビル・ガンストンの本に載ってました。

Lear Author Profile Page 2011年6月14日 19:10

多忙にてすっかりご無沙汰状態です

kaz3さんが既にかかれてますが、唯一実用/量産成功した航空用ディーゼルエンジンとして技術史、エンジン史的には知られております。
Jumo 204,205,207と開発されました。
1940年にユンカースJu86のエンジンを換装し、排気タービン過給器とインタークーラーを装備し、長大な主翼と与圧室を備えたJu86 P/R高高度偵察機に搭載されました。
当時の連合国戦闘機が飛行できなかった高度12,000m以上での作戦行動が可能でしたが、ユンカース博士が過去に反ナチス側の政治姿勢をとっていたた事に目を付けられ開発が尻つぼみとなった悲運のエンジンです。

あとはネイピアデルティックという3クランクシャフト対向ピストンエンジンという化け物も存在しました。
英海軍の高速魚雷艇と英国鉄のClass55ディーゼル機関車に採用されましたが後者はトラブルが多かったようです。

「20世紀のエンジン史―スリーブバルブと航空ディーゼルの興亡」が詳しいです。

F&F Author Profile Page 2011年6月14日 19:15

なるほど、実用化されていたんですね。
知らなかった…
今度又調べてみようと思います。

CF Author Profile Page 2011年6月14日 21:22

日産ディーゼルは大昔から少し変わったエンジンが好きだったのか
ユニフロー掃気方式を導入する前に採用していますね。

日産ディーゼルネタと言えば大昔はカネボウの子会社だった時期があったようです。
今はUDトラックスと言うべきなんでしょうが。


それにしてもネイピアデルティックは何が狙いであんなモノを作ってみたのだろう?

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