東電OL(2)

エリートだからエリートらしく生きなければならない事はない。
度々ニュースになるように、エリート官僚が痴漢行為で捕まったとか大学教授がセクハラで捕まったという話もある。

優れた能力や才能を持っている人が、一般人の常識に縛られる生活を送っているとは限らない。
良く言われるのは抑圧だ。
世間的には真面目でマトモで人の上に立つ人間でいなければならない重圧を、どこかで発散しなければならない説だ。
それがスポーツなどの、あるいは特殊な趣味だったとしても非犯罪的行為でならば咎められる事はない。
しかし特殊な趣味と紙一重みたいな方向で犯罪行為に走れば捕まる。

渡辺泰子さんは生活のために体を売っていたわけではない。
たかだか数千円の金で、しかも自ら1日4人お客を取るなどと言うノルマを課す理由は年収1千万円のOLに相応しくない。

彼女が出向を命じられた翌年に、渋谷のクラブに籍を置くようになったと報じられる。
もしかしたらクラブ勤めと、その頃から始まったと言われる売春は金銭を得るよりも充足感を彼女にもたらしたのではないのか。

拒食症にもなり、彼女の生活は家族も東電側も知っていたとされる。
その行動などを壮絶と形容する報道もあるが、苦痛の生活であったとも思えないのだ。

ライバル同士がしのぎを削る出世競争に中で、女性管理職ともなれば難しい面もあるだろう。
しかし一方でクラブ勤めでは男性にちやほやされる、いじられる事がまさに別世界だったに違いない。

本職のホステスさんにしてみれば、そこにも競争は存在する。
しかし彼女の場合はあくまでもアルバイトであり、目的はカネ稼ぎではない。
売春にしても同じく、金を払ってまで自分を求めてくれる男がいる事自体に喜びを感じたのではないだろうか。

続く…