- 2012年1月 6日 12:03
58km飛ぶトランシーバなんて広告があった。
周波数帯が書かれているが462MHz帯なので日本仕様ではない。
販売者は屋号は付いているが会社ではない。
特商法による表示が正しいとすれば、埼玉県の個人宅に見える。
誰でも使えるのかという質問に対して、どなたでもご購入頂けますと回答している。
日本の法律では違法な商品でも売るのは勝手、使えば電波法違反になる。
電池は単三を4本だ。
実用的には1A流すのがせいぜいだろうからPAの入力電力として5W程度、出力は3Wくらいかな。
これで58kmの到達距離があるのかと言われると何とも。
ちなみに自由空間での伝搬損失で計算すると3W出力に2.14dBiのアンテナで58km離れると、その電界強度は約-82dBmになる。
この程度の電界があれば通話は可能なので、理論値で書いてある感じか。
計算ついでにW-CDMA移動機の出力を200mWとして、10km離れた場所の電界を求めてみよう。
850MHzだと約-84dBm、2.1GHzだと約-92dBmとなるのでその差は8dBだ。
これは基地局側のアンテナゲインで埋め合わせの出来る差でもあるし、そもそも移動機側のアンテナ効率の差が3dB以上はあると思う。
自由空間ではなく奥村カーブを用いた計算もしてみる。
移動機の出力は200mWでアンテナ地上高は1m、基地局までの距離は5kmとして中都市部をシミュレートする。
周波数と基地局アンテナの高さを変化させて受信端の電力を計算したのが下の数字だ。
2.1GHz帯、40m高のアンテナ:約-47dBm
2.1GHz帯、10m高のアンテナ:約-135dBm
850MHz帯、40m高のアンテナ:約-53dBm
850MHz帯、10m高のアンテナ:約-129dBm
900MHz帯を欲しがるより基地局アンテナの地上高を上げた方が得なんじゃないのとSBMに言いたくなるような結果である。
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