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スカイウエイブ(96)


  • Posted by: F&F
  • 2012年3月 3日 11:01

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前回組んだエンジンはポート研磨などは行わなかったのだが、せっかくだからやってみようと考える方もいるだろう。
ポートの鏡面仕上げなどはいくつも見てきたが、↓のサイトのものは気合いが入っている。

http://homepage2.nifty.com/mas-i/engine/port03.html
ポート研磨に関しては様々な考え方がある。
ポート燃料噴射の場合は壁面流も考慮する必要があり、ある程度ザラザラで渦があった方が霧化が促進されるという考え方もある。
しかしインジェクタというか設計によってはインテークバルブめがけて燃料を噴射するものもあり、この場合は壁面流は少なくなる。
スカイウエイブの場合はインジェクタからバルブまでの距離が長いので、バルブの傘で気化させるような考え方ではない。
勿論吸気抵抗低減という意味ではツルツルにした方が良いが、気流剥離なども考えてポートの一部分だけを梨地にする方法もある。

壁面流と霧化に苦しんだのはロータリエンジンで、吸気ポートがハウジング直前で90度向きを変えている事もあって難しかったようだ。
エアを導入して乱流を起こしたりと様々な工夫がなされた。
インジェクタの噴射パターンは以下のページにある。
http://www.stayh.com/asnutop.html

エンジン設計の現場などではフローメータや渦を可視化する装置などを使ってポート形状を決める。
そこからの研磨にしても、これら計測器を使いながら削っていく。
職人のウデによる研磨から、数値とデータによる研磨に時代は変わったわけだ。

ポート全体ではなくポートの分岐部分やバルブガイド周辺、シートリングの部分などは修正した方が良いと思う。
机の上でヘッドを眺めれば、ここはもう少しこうした方が良いだろうななどと思えてくる。
最も失敗の少ない方法は徐々に通路面積を絞っていくやり方だ。
ガイドの周りを(ガイドの分だけ)広げる手法もあるのだが、急に広げるとそこで渦が発生して抵抗が増大する。

写真は400cc版のヘッドで入り口の段付と型の痕?みたいな所を削った状態だ。
削りすぎてへこんだ部分もある。
この後サンドペーパなどを使いながら表面を整えて完成とした。
なおポートの中間くらいまでは砂目を取ったが、バルブに近い側はいじっていない。

私はポートを削るのは初めてである。
しかしポート研磨の様子や出来上がったポートは何度も見ている。
ホンダのレーシングエンジンを削っていた人間がいて、彼の作業はかなり見たのだ。

   

Comments:1

Num Author Profile Page 2012年3月 3日 18:45

CK43(4st)のポート加工はロータリや2stの様に劇的な変化(パワーUP)は望めませんが
その反面、ロータリや2stほどポート形状等にシビアにならなくて良いので安心して加工出来ますね。
(ポート加工後は確実に高回転域での伸びが違います)

個人的には燃焼室とバルブの鏡面化&重量合わせもオススメです。
(タペットロックナットのチタン化もオススメです)
カーボンが付き難くなるのと、高回転での『もうひと伸び』が違ってきます。


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