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CDI(1)


  • Posted by: F&F
  • 2012年3月17日 13:02

点火装置のCDIの話である。
原理は簡単で、コンデンサに蓄えた電荷をイグニションコイルに流して二次電圧を得るというもの。

通常はコイルにバッテリ電圧を加え、それを遮断した時の逆起電力を使う。
この場合は電圧はイグニションコイルの巻き数比に比例するが、巻き数を増やすとインダクタンスが増えて応答性が悪化する。
これの対策としてダイレクトイグニションがあり、コイルを気筒数分或いは気筒数の半分分用意する事で十分なドエル角を得ようとするものだ。

イグニションプラグに直接コイルを付けたような構造のイグナイタある。
ハイテンションコードによるロスが云々などとも言われるが、ロスという点で見ればハイテンションコードよりも抵抗入りプラグの方が余程大きい。
もっともインピーダンスマッチングの話もあるので抵抗値が低い方必ずしも良いというわけでもない。
自動車メーカ的にはイグニションノイズの低減にこそ効果を認める所だろう。

CDIであればドエル時間は存在しないので高速動作が可能になる。
イグニションコイルは単にパルストランスとして動作するだけだ。
応答時間を制限するのはコンデンサへのチャージ時間であり、これは高圧電源の容量に依存する。
高回転高出力型のエンジンにCDIが使われるのがこの理由で、逆にCDIは誘導放電方式よりも放電時間が短いので低回転時の着火性が悪い。

着火性の改善としてマルチスパークなどもある。
2mSごとに2回とか3回放電させますよと言うアレだ。
例えばエンジンが1500回転で回っているとする。
1秒間に25回転だ。
1回転は40mSなので2mSはクランク角の18度に相当する。
18度も遅れた位置で点火して一体何が起こるというのだろうか。

誘導放電方式による火花持続時間は1mS前後だ。
最初に高電圧(10kV〜30kV程度)でプラグ電極間の絶縁が破壊され、その後は1kV以下で放電が持続する。

では放電開始時にイグニションコイル外から1kVを供給すれば放電は継続するのか。
答えはYesだ。
これを商用車に使ったものに日産のサニーがある。
放電時間を長くする事で低回転時の着火性を向上させて排ガスレベルを下げようとしたものだ。
これは一定の成果をもたらしたがディストリビュータやプラグの電極摩耗が問題となり、やがて消え去る事になる。

続く…

   

Comments:3

waity Author Profile Page 2012年3月18日 01:04

小型バイクのCDIって上死点以外にもスパークしている物が以前は多く
プラグメーカーで車に比べて著しく短命にしているのは このケースを考慮の上だそうです
スズキはタイミングコイルもイグナイタコイルに兼ねさせているのが特徴だったからなぁ
インジェクション付きのECU配下では改善されているのでしょうか・・・

F&F Author Profile Page 2012年3月18日 06:36

車の同時点火と同じで圧縮上死点で火が飛んでいると思いますから、2回に1回は無駄な放電になりますね。
同じく燃料噴射も吸入工程と膨張行程は区別が出来ないので、その両方で吹いているはず。

waity Author Profile Page 2012年3月19日 01:27

あ、そうか
4ストでは排気-吸入行程でも上死点有るのですよね
やはりタイミングコイル外周配置以上の改善は無いのですか・・・
インジェクションは兎も角 CPUで進角制御と共に無駄スパーク無くせれば
その分大容量コンデンサに電荷蓄えスパーク時間の伸張を図れる~
回転数に応じてコンデンサ・ラダー切り離していくCDIなんてのも何か面白そうです


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