- 2012年4月 5日 13:01
CDIによる鋭い二次電圧の立ち上がりと高電圧、誘導放電による長い火花持続時間を両立させる複合点火イグナイタの回路だ。
CDIのマルチ放電は所詮マルチ放電であり、1発目で火が付かなかった時に2発目が放電してもイグニションタイミングが遅すぎる。
このCDIと誘導放電の組み合わせは最近の半導体技術の進化によって回路を単純化出来る。
CDI部分はコンデンサに蓄えた電荷をSCRで放電するのではなく、高圧電源からコイルに必要時間だけ電圧を供給する方式にする。
もっとも電源部の平滑コンデンサの容量(C6,C7,C8の直列容量)までの電荷しか放出は出来ない。
誘導放電部分は一般的なイグナイタと同じで、コイルのマイナス側をFETでスイッチしている。
ノーマルイグナイタをそのまま使わないのは、ノーマルイグナイタのFETの耐圧が不明だからだ。
IGBTドライバにしてもFETドライバにしてもトーテムポール型のちゃんとしたドライバを使うべきだが、自動車用としてはスイッチ速度の遅延量は余り気にならないから良いか。
デバイスの発熱には関係するけれど。
CDIによる電荷供給時間は555のワンショット時間で決まる。
CDIによる放電部分はプラグギャップの絶縁破壊が目的なので放電時間は短くても良い。
一旦絶縁が破壊されればあとは誘導放電が続いてくれる。
ならCDI部は放電時間よりも放電電圧重視でも良い。
IGBTとFETの耐圧、さらにはイグニションコイルの耐圧まではCDI電源部の電圧を上げる事が出来る。
IGBTを高圧制御に用いるのは珍しい話ではなく、市販品でも永井電子の一部モデルはIGBTでスイッチしている。
詳しくは解らないのだが、通常SCRでコンデンサをGNDに落とすとL/Cの並列共振回路が構成されて一次電圧は減衰振動的な波形を描く。
永井電子的にはこの波形が気に入らない?らしく、放電後にコンデンサを切り離してしまうような回路構成ではないのだろうか。
IGBTはゲート制御が少し面倒なのだが、前回書いたダブルスパークCDIも放電用コンデンサ1個とIGBT制御にも出来る。
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