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CDI(18)


  • Posted by: F&F
  • 2012年4月12日 12:02

1204121201_400x300.JPG
少し前にスカイウエイブのイグニションコイルを机上で誘導放電させて放電時間を測った。
だが放電時間が短すぎて今ひとつ納得出来なかった。

http://www.fnf.jp/blog/2012/03/fnfblog5985.html
自動車用のコイルだと1mS以上の放電時間はあるはずだ。
それが高々200μSはおかしい。

考えられる原因はコイル電流の不足かドエル時間の不足だ。
そこで実際のスカイウエイブ用のイグナイタ(ECU)を使用して放電させてみた。
ドエル時間の最適値は約7.5mSと前回の実験に比較してずっと長いのは、駆動用トランジスタの能力が前回は不足していたためだった。
この状態で二次側を短絡(実際にはプラグキャップに10kΩの抵抗あり)すると、放電時間は約1.2mSとなった。
これなら納得出来る。
ただし誘導放電の場合は出力インピーダンスを上げると(放電にエネルギを食われるので)放電時間が短くなる。

波形は黄色が二次電流で水色が一次電圧だ。
電圧のピークは380V程度で制限されている。
(トランジスタの耐圧)

エンジン回転数とドエル時間と放電時間を考えると、その時間をフルに使ったとしても約7千回転でドエル時間が不足してくる。
ドエル時間が不足すると火花が弱くなる訳で、高回転高負荷域での失火が増える。
これの対策としてはインダクタンスの小さなコイルにしてドエル時間を減らし、その分電流を流してコイルに蓄えられるエネルギを増大させる。
どんなコイルが良いかは、仕様が公開されていない以上測ってみなければ解らない。
ダイレクトイグニション全盛だが、ダイレクトイグニションの場合はドエル時間が多く取れるのでインダクタンスが大きくても問題はない。
もちろん、だからと言ってインダクタンスが大きいとは限らないけど。

コイルを交換せずに行うならば、コイルの+側の12Vを昇圧してしまうのも良いだろう。
この場合はドエル時間が不足してもコイルへのチャージエネルギを増やす事が出来る。
ただし定電流制御されていないイグナイタではコイルが早々に飽和して発熱する。

スカイウエイブの純正ECUのイグナイタ部のトランジスタはMN638Sで、Vceoが380±50VでIcがDCで6A、Pulseで10Aとなっている。
このサンケン製のトランジスタはイグナイタ用として開発されたパワーダーリントンだ。

コイルに加える電圧を上げても、放電開始電圧が上がる訳ではない。
これはトランジスタのVceoに支配されるからだ。

イグニションコイルの一次抵抗は電流の目安にはなるが絶対ではない。
例えば一次コイルの直流抵抗が0.1Ωでインダクタンスが10mHのコイルと、直流抵抗が10Ωでインダクタンスが0.1mHのコイルに2mS通電したとすると後者の方が多くの電流が流れる。

   

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