エスティマ(3)

ブレーキは違和感がある。
2代目プリウスよりはマシだが踏力と減速度が比例しないしウーンみたいな音もする。

ペダルは凄く軽い。
トヨタ車の常で踏力を増していかないと一定の減速Gが得られない。
かっくんブレーキを回避するための味付け？？
最初にソアラに乗った時に、Z31と同じようにブレーキを踏んだら停止線をオーバした。

これって(BENZ)のSBCみたいなシステムのものなのかなぁ。
プリウスはそうなのだがエスティマも同じなのだろうか。
それにしては剛性感がない。
SLのSBCはかなり自然で強力かつ高剛性なフィールだったし、CLSの油圧/電気ブレーキだってカッチリしている。

回生ブレーキの不自然さは常にあるが、それとは別に減速Gが減衰してしまうトヨタ癖も存在する訳だ。
但しこれは乗っていれば慣れる。
人間の感覚が減速Gを一定にするように足を制御するからなのだが、回生ブレーキの不自然さを人間がカバーするのは不可能だ。

プリウスで問題になったABS動作不具合はエスティマでも起こるらしい。
ちなみにリコールは行われていないようで、試す機会もなかったので実際の動作がどんなものかは不明だ。

サスペンションは綺麗な路面を走っている時には何事も起きないが、荒れた路面や段差などでは破綻する。
ノイズもバイブレーションもハーシュネスもオデッセイに及ばない。
http://www.fnf.jp/blog/2011/08/fnfblog5091.html

ボディのよじれをサスペンションとして利用し、入力点を増やして静粛性を上げる設計の限界なのだろうか。
サスペンションがばたつく風でもないし、フロアがブルブルする風でもないのだがノイズ侵入が多い。
それもサスが大きく動いた時だけなのが惜しい。
例えばCLSだと低速時でも路面の状況が解る程度のノイズがあるが、速度が上がってもそれがどうなるでもない。
エスティマの場合は綺麗な路面を走る限りは静なのだが、乱れた路面では急に騒音レベルが上がる。

乗っていて最後まで慣れなかったのはギアかモータか駆動系のノイズだ。
プリウスの場合は全体的に騒音レベルが高いので気にならなかっただけかも知れないが、もしかして同じようなノイズが出る？？
その他細かい部分としてはオーディオの音が悪いとも思った。
スピーカ部の剛性や設計などで、同じ部品を使ったとしても音質は大きく変わる。
エスティマは決して安くないのだが「この車を買う奴らはこの程度の音で良いんだよ」とトヨタに言われているようで気分が悪い。
不況のせいなのかどうなのか、作りの雑さが露呈している。

ステアリングもブレーキもアクセルペダルも軽い。
老眼対応メータパネルと相まって高齢者には優しい。
加速や減速Gで重さを感じる事もあるが、姿勢変化でそれを感じる事の方が多い。
同乗者を縦揺れさせないようにするにはゆっくり加速とゆっくり減速が必須だ。
もっとも加速に関してはフルスロットルを与えたとしてもたいしたことはない。

インパネに「電気」のインジケータがある。
何かなぁ、電気って。
そう思っていたのだが、これは電流計だと解った。
バッテリの残量インジケータかと思ったのだが違った。

スタイルは好みもあるのだが、個人的には無骨で厳ついアルファード路線よりも好ましいと思う。
若者を取り込みたいからなのか、大型もそうだし中型ワンボックスにしてもガンダムチックなデザインである。
厳つさを出すためには仕方ないのかも知れないが、大人が乗るとなると抵抗あるなぁ。
自分では見えないから良いか。

おそらくは対人衝突安全性も、グリルの小さなエスティマの方が良好だろう。
巨大グリルがそびえ立つスタイルでは、子供に当たった時などの安全性が心配である。

最近のトヨタ車には久しぶりに乗ったのだが、プラスチックの質感ってこんなに安っぽかったかなぁ。
ちょっとトヨタらしくないなと思った。
車内騒音や走行性能が価格に見合ったものかどうか微妙である。
ハイブリッド代がかかっているんだなとは思うし燃費が良いのも事実なのだが、オデッセイより100万円以上高いのだから。

続く…