- 2012年4月28日 12:04
何故デンソーのイリジウムプラグは着火性が悪いのか。
その前に、何故中心電極を細くしたいのか。
イリジウムプラグはイリジウムを沢山使いたくないから細くしたのだというのは誤りである。
細くしたいが為にイリジウムに行き着いた。
電極を細くすると電極から逃げる熱を少なくできる。
プラグに火が飛ぶとそこに火炎の核が出来るのだが、電極から熱が逃げると火炎の成長が妨げられる。
電極を細くする事によって熱が逃げにくくなるので火炎核の成長が阻害されない。
また細い電極は放電要求電圧を下げる効果がある。
容量放電、すなわちプラグに火が飛び始める最初の放電時の要求電圧が下がればプラグに火が飛びやすくなる。
そして誘導放電、通常の誘導放電方式の放電に移行したあとも要求電圧が低ければ放電時間を稼げる。
長時間の放電は火炎核の成長を促す。
点火後200μS程度で火炎核は数ミリメートルくらいの大きさになり、500μS後には数センチの大きさになるそうだ。
火炎核の熱を奪うのは中心電極ばかりではない。
接地電極も同じように熱を奪う。
そこで接地電極にもイリジウムのピンのようなものを立てたものがある。
これによって接地電極の熱容量を中心電極同様に小さくできる。
接地電極をアキシャル方向に付けるのかラジアルから出すかによる差異もあり、軸方向から出した方が良いとデンソーは言っている。
ただしその理由は微妙(デンソーテクニカルビュー Vol.8 No.2 2003)だ。
デンソーはどうか解らないがNGKからはラジアルタイプ、アキシャルタイプ共に製品化されている。
電極の影響を減らすためにはワイドギャップ化もある。
電極の位置が離れれば熱を奪われにくくなる。
またギャップ内に多くの混合気が存在する事になり、それは火種を作りやすくなる。
長くなったので、続く…
- Newer: CDI(31)
- Older: 堂平天文台に行く(3)
コメント投稿には JavaScript が必要です。ブラウザのJavaScript 機能を有効にしてください。
サインインしなくてもコメントの投稿は出来ます。
サインインしている場合はお名前などを入力せずに、そのまま投稿できます。
登録は簡単&それによって何かが起きるわけではないのでお気軽にどうぞ。
登録ページ書き込み→確認メール送信→確認メールのURLクリックで承認、の手順です。
確認メールに書かれたURLにアクセスしないと登録は完了せず、正しいログイン状態に移行できません。
コメント投稿完了までには少し時間がかかります。
二重投稿にご注意下さい。