- 2012年4月30日 12:01
本題である。
中心電極を0.4φまで細くしたデンソーのイリジウムプラグは放電要求電圧が低くなり、その分ワイドギャップ化してある。
中心電極が細い事もワイドギャップ化も電極による消炎作用が減少するので火炎核が育ちやすい。
つまり着火性に優れたプラグと言う事になる。
しかしシグナスにもスカイウエイブにも合わない。
理屈からすれば良いプラグの筈ではないか。
では欠点はないのか。
中心電極が細いと汚れに対する耐力が減少する。
同じ量の物質が付着しても細い電極は全てが汚れてしまう。
ただし単純な汚濁というかかぶりの場合は、細い電極の方がそれを突破しやすくなる。
しかし複合的な汚れ、厚い汚れなどだとダメだ。
汚れたプラグに大気中で火花を飛ばしてみると、汚膜の薄い所を狙うようにして火が飛ぶ。
火が飛ぶと周囲の汚れは吹き飛んで中心電極は綺麗になっていく。
イリジウムの場合は火さえ飛べば電極が細いので先っぽはキレイさっぱりになる。
ただし火が飛ばなければそれまでで、太い電極のプラグのように汚れの薄い部分を狙って火が飛ぶ余裕はない。
2接地電極プラグは更に火花の飛ぶ方向が広くなり、汚れに強い。
究極的には沿面放電プラグで、パワー空燃比を常用するエンジンなどではこれが使われる。
CDIは誘導放電に比較して素早く電圧(放電が始まれば電圧は一定なので、電流が増えることになる)が立ち上がるのでかぶりに強い。
これでデンソーイリジウムプラグも2接地電極プラグをノーマル状態で使ったのと同じ程度の性能になった。
しかしCDIで2接地電極プラグを使った方が更に調子が良い。
デンソーイリジウムも理論空燃比や希薄燃焼状態なら良いのだろう。
そうでない場合は3電極タイプのイリジウム(デンソーではGDIやD4エンジン用には3接地電極型を使えと言っている)でないとダメだと思う。
二輪車の場合はパワー空燃比も使えばキャブ車もある訳で、デンソーのイリジウムプラグには合わない。
シグナスなどはこの違いが顕著に表れ、アイドリング状態から急にアクセルを開けた時などデンソーのイリジウムプラグではモロに失火してしまう。
急に燃料が濃くなったり、或いは薄くなったりする変化に極めて弱いのだ。
写真は大気中でCDIによる放電をさせてみたものだ。
電極が細いので極めて狭い範囲で火が飛んでいる。
2電極プラグは左右電極や太い中心電極の周りなどかなり広範囲で火花が飛ぶし、NGKのイリジウムもデンソー製に比較すれば火花範囲が広い。
中心電極が細いのでその一点を絶縁破壊するパワーは大きいが、その一点で火花が飛べないとどうにもならない。
- Newer: CDI(32)
- Older: 堂平天文台に行く(5)
コメント投稿には JavaScript が必要です。ブラウザのJavaScript 機能を有効にしてください。
サインインしなくてもコメントの投稿は出来ます。
サインインしている場合はお名前などを入力せずに、そのまま投稿できます。
登録は簡単&それによって何かが起きるわけではないのでお気軽にどうぞ。
登録ページ書き込み→確認メール送信→確認メールのURLクリックで承認、の手順です。
確認メールに書かれたURLにアクセスしないと登録は完了せず、正しいログイン状態に移行できません。
コメント投稿完了までには少し時間がかかります。
二重投稿にご注意下さい。