- 2012年4月30日 13:01
放電用コンデンサはどこまで大きくできるのかと質問を頂いた。
少なくともスカイウエイブ用イグニションコイルでは4.7μF以上にすると放電時間の伸びが悪くなってくる。
放電用コンデンサと放電時間の関係を以下に示す。
括弧内は2.2μFの時を基準として、容量と放電時間が比例すると仮定した場合の推定値だ。
2.2μF:350μS
4.7μF:600μS(748μS)
6.8μF:700μS(1081μS)
画像は6.8μFまで容量を増やして実験してものだが、放電時間は700μS程度だ。
インダクタンスの大きなコイルであれば大容量コンデンサも活かせると思うのだが、スカイウエイブのコイルでは4.7μFでも大きいくらいである。
スカイウエイブよりもインダクタンスの小さなシグナス用は更に最適容量は小さくなる。
容量を増やしても放電時間が伸びないとなると、そのエネルギはどこに行ってしまうのか。
コイルが消費して発熱する分も勿論あるが、放電電流の最大値が増える方向でエネルギが使われる。
画像の6.8μF時などは実に350mAもの放電電流が流れており、これはノーマルイグニションシステムの7倍にもなる。
2.2μFの場合は約220mA程度だ。
ピーク電流のみではなく電流波形があるので単純積算は出来ないが、
2.2μF:350(μS)×0.22(A)÷2.2(μF)=35
6.8μF:700(μS)×0.35(A)÷6.8(μF)=36.03
何となく似たような数字になる。
自動車用の市販CDIだと、コンデンサ容量が0.22μFとか0.47μFのものも多い。
これはダイレクトイグニションでない車で6気筒ともなればコンデンサのチャージ時間が厳しくなってくるからである。
今回製作したものは2.2μFのコンデンサ容量であれば、360度点火サイクルのエンジン回転数で2万回転くらいまでは性能が低下しない。
720度点火換算だと4万回転まで行ける事になる。
これを例えば4ストローク6気筒エンジンで使ったとすると、点火間隔が120度なので6700回転程度までしか対応出来なくなるのだ。
ダイレクトイグニションの場合はどうなっているかというと、DC-DCコンバータ1個に放電用のコンデンサとサイリスタが必要分くっついているような構造が多い。
ようするにマルチ放電タイプと同じような感じで、ただし同じコイルに対して多回路を使うのではなくコイルが沢山あると考えればいい。
同時点火の場合は更に簡単で、4気筒でもコンデンサとSCRは2組あれば良い。
勿論大容量放電で高回転までを狙うならばDC-DCコンバータの容量を大きくする必要がある。
HIDのトランスを流用するならばDC-DCコンバータ部も2組用意する必要がある。
ドライブトランジスタ1個で2個のコイルをパラでドライブしても良いとは思うけど。
- Newer: トップページが更新されました
- Older: スカイウエイブ(131)
コメント投稿には JavaScript が必要です。ブラウザのJavaScript 機能を有効にしてください。
サインインしなくてもコメントの投稿は出来ます。
サインインしている場合はお名前などを入力せずに、そのまま投稿できます。
登録は簡単&それによって何かが起きるわけではないのでお気軽にどうぞ。
登録ページ書き込み→確認メール送信→確認メールのURLクリックで承認、の手順です。
確認メールに書かれたURLにアクセスしないと登録は完了せず、正しいログイン状態に移行できません。
コメント投稿完了までには少し時間がかかります。
二重投稿にご注意下さい。