- 2012年5月14日 13:03
以前はインダクタンスの大きなイグニションコイルが多かったのだが、閉磁路型になった事もあって最近のコイルはインダクタンスが小さい。
インダクタンスが小さいと言うことは一次巻き線数が少ないので低抵抗型になる。
開磁路コイル全盛の頃では15mHとか20mHのインダクタンスだったが、今では5mH前後のコイルが多い。
コイルに蓄えられるエネルギはインダクタンスの1/2に電流の2乗を掛けたものだ。
従ってインダクタンスが小さくてもそこに流す電流が多ければイグニションパワーは稼げる。
放電時間は短くなるが、結局の所長時間放電よりも放電電流重視の設計になったのかも知れない。
巻き数比も小さめになっている。
昔は100:1がスタンダードみたいな所があったのだが、これは駆動側の耐圧が低かったことにもよる。
ポイント式では火花問題があるので論外として、トランジスタ式でも耐圧や耐電流の問題で一次電圧を高く設計するのが難しかった。
一次電圧が低ければ巻き線比を多くしないと十分な二次電圧が確保出来なくなる。
その後高耐圧バイポーラ、高耐圧FET、今ではIGBTが主流になり一次側の耐圧も600V程度は取れる。
すると巻き線比を大きくすることなく二次電圧が確保出来ることになり、いたずらに電圧を上げるよりはインピーダンスを下げて電流を流す方がお得となる。
インダクタンスの小さなコイルはチャージが速いので高回転時の追従性が良い。
しかしポイント式やドエル時間制御のないトランジスタ点火では、早々に飽和電流に達してしまうので使えない。
低抵抗で低インダクタンスのイグニションコイルは的確な制御下でのみ使えると言っても良いだろう。
ドエル時間はCPU制御なら何と言うことはないが、ハードロジックで自律制御しようとすると面倒だ。
定電流ドライバで良いのだがアナログ制御だと発熱する。
従ってイグニションコイルがトランスとして動作しない程度の高周波のPWM制御を行う。
FI車ならばそれにイグニション制御を行わせればいいが、そうでない場合はドエル時間制御の要らないCDIの方が楽かも知れない。
DC-DC方式ではなくイグナイタ用の巻き線を持ったオルタネータを持った単車などなら部品は整流器とSCRとCRが少々で良い。
高回転時にはCDIの方が火花は強く出来るというか弱まらないように出来るので、そんな事情もあって二輪車にCDI方式採用車が多かったのだろう。
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