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TDD


  • Posted by: F&F
  • 2012年7月11日 12:03

WiMAXやXGPなどはTDD方式になっている。
TDDとは時分割二重の事で、送信と受信(上りと下り)を同一周波数でタイミングを取りながら行う方式だ。

FDD(周波数分割二重)が2車線道路で上りと下り車線が別れていると例えれば、TDDは一車線を交互通行させているような感じになる。
FDDが上りと下りで10MHzの合計20MHz幅を使うとすると、TDDでは上り下り同一周波数帯の20MHzが相当する。
FDDでは上り下りが各1車線、TDDでじゃ2車線道路を交互通行という訳だ。

FDDでは上り車線と下り車線をペアで使う必要がある。
TDDは同じ車線を交互に使うのでペアである必要は無い。

FDDでは上りも下りも(普通は)車線幅が同じなので帯域幅(通信速度、但し変調方式にもよる)も同じだ。
TDDは交互通行の上りの時間と下りの時間をコントロールすると実質帯域を可変出来る。

じゃあTDDの方が良いじゃないかとなりそうだが欠点もある。
上りと下りが衝突しないように、その間には隙間が必要だ。
上りの車が全部道路から出た後に、少し時間を置いてから下りの車を流す。
片側通行路の、両側に付けられた信号機が両方とも赤になっている時間だと思えば良い。
これがガードタイムだ。

電波の速さは有限である。
なので距離が長くなると到達に時間がかかる。
基地局から送信した電波が端末で受信され、端末は受信が終わったら送信を行う。

基地局が地球にあり、移動機が月にあったとしよう。
地球から月までは38万kmあるので電波が到達するまでに1.3秒ほどかかる。
そこでTDDのタイミングを、送信10秒、受信10秒に設定する。
地球局が0時0分0秒に送信を開始すると、月でそれが受信されるのは0時0分1.3秒で受信完了が0時0分11.3秒になる。
そこから10秒間信号を受信して、すぐに送り返す。
そしてその信号が地球で受信され始めるのは0時0分12.6秒になる。

本来であれば地球局の次の送信は0時0分20秒から行われるはずなのだが、月からの信号の受信終了が0時0分22.6秒までかかるので送信出来ない。
この場合、送信と受信のガードタイムを2.6秒以上秒取れば通信は成立するようになる。
さらにそのガードタイムを詰める事も可能で、地球局は月局に対してガードタイムを短縮しろと指示(タイムアライメント)する。
すると月局は予定よりも早く送信してくれるのでロス時間を短縮する事が出来る。
ただし受信が完了しないうちに送信をスタートする事は出来ない。

さらに月局と静止衛星局、周回衛星局など距離の異なる局が混在すると更に話がややこしくなる。
基地局から移動局まで電波が到達する時間が異なり、移動局からの送信タイミングもそれに比例して異なってくるので基地局の受信タイミングが移動局毎に違ってくる訳だ。
これはスロット分割(TDMA:時分割多重)した場合に混信が起きる事を意味する。
勿論これを防ぐためにタイムアライメントを取るのだが、難しさもある。

そしてSBMの好きな中継機が使いにくい点もデメリットになるかも知れない。
同じ周波数で送受信が行われるので中継機が発振しやすい。
一旦ベースバンドに落としてタイミング処理をしようとすると1フレーム以上の遅延が出て誤り訂正等々に影響が出る。

   

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