- 2013年4月 1日 13:04
2010年4月にルイジアナ州メキシコ湾沖合で石油掘削施設が爆発、海底油田から大量の原油がメキシコ湾全体に流出した。
今もなお被害は残ると言われているが、ロチェスター大学などの研究者によればプロテオバクテリアは5ヶ月で20万トンもの原油を分解したそうだ。
これはバイオレメディエーションへの応用が可能だという事でその後も研究が続けられている。
土壌に元々居るバクテリアが環境を改善するバイオスティミュレーションを一歩進めた、分解のためのバクテリアを供給するバイオオーグメンテーションに分類される。
分解バクテリアは酸素と栄養塩などで活動しながら炭化水素を分解していく。
研究者は水中の溶存酸素量よりも酸素の豊富な大気中で活動させる事が出来ないかと考えた。
栄養塩としては窒素やその化合物を使う。
幸いにして大気中には汚染物質や有機物などバクテリアの活動エネルギ源となるものが多く含まれている。
研究者はバクテリアの構造そのものを変化させたり、エネルギ照射によってSelective breeding(品種改良?)したと記されている。
大気中で活動するバクテリアは作れたものの、その寿命が数時間より延ばせなかった。
そこで研究者は、寿命を延ばす事を諦めて増殖率を高める方向での研究を行った。
悲劇は知らぬ間に襲ってきた。
ある朝研究者が実験室に行くと、そこは一面紫色の悪臭を放つ物質で覆われていた。
観察してみるとそれはバクテリアの死骸で、研究室内のありとあらゆるプラスチック類を分解したあげくバクテリアの質量が10万倍にもなったものだった。
炭化水素分解バクテリアの研究は成功したものの、その日の夕方までに研究棟の殆どの部屋のプラスチック類はバクテリアに分解されてしまった。
机の引き出しに入れられた電卓も、ロッカーの中の化繊のカーディガンも、全てだ。
人体に全く害のないバクテリアながら、その色と悪臭は耐え難いものだった。
研究棟は緊急封鎖されたが、何も知らない職員が衣服に付けて自宅にバクテリアを持ち帰った事からローレンス・バークリー国立研究所周辺では混乱が広がっている。
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