- 2017年12月29日 12:07
ハンマーオイルから潤滑油の話になってしまった。
モリブデンは広く使われている。
金属加工の分野でも普通に使われているが、金属表面にモリブデン膜が形成されて色が変わるそうだ。
ハンマオイルに含まれているのは二硫化モリブデン(MoS2)で黒色だ。
二硫化モリブデンよりも化学安定性の高い、黄色の有機モリブデン(MoDTC)もある。
そう言われてみるとモリブデングリスで黄色のパッケージのものがある。
有機モリブデンは二硫化モリブデンに変化しながら被膜を形成するのだとか。
なので潤滑効果が出るまでに多少の時間がかかるのと、内燃機で使用した場合は腐食の可能性があるとの事だ。
二硫化モリブデンと似た添加物としてポリマーがある。
高分子ポリマーが金属表面のデコボコに絡みつくように付着して膜を形成する。
モリブデンが金属表面に膜を作るのと同じ感じだ。
日産のトロコイドCVTでは極めて面圧の高い金属接触が行われるので、ポリマー系添加剤を含んだオイルを使っている。
通常の鉱物油の2〜3倍の潤滑性能があるそうだ。
ギアやトロコイドなどの潤滑には使えるが、狭い場所には入り込みにくいようなので用途が限定される。
メタル軸受けなどには向かないのかも知れない。
メタル軸受け表面はミクロなデコボコになっていて、へこんだ部分にオイルが溜まる。
エステル系のオイルがある。
これはイオン吸着的に金属表面にくっつくらしい。
潤滑性能は優秀ながら不純物に弱い。
なので清浄分散作用が必要なエンジンオイルには合わない。
自動車用としては殆ど使われなくなった添加剤としてPTFEがある。
PTFE含有のオイルも市販されているがエンジンオイルにはこれも適合しない。
PTFE粉末は安価なのでハンマオイルやチェーンソーのオイル、コンプレッサオイルに添加して性能向上が見込める。
ただし微細粉末とは言え沈殿や凝固があるのでフィルタに詰まったりオイルラインそのものに詰まったりする。
極圧性能は余り見込めないので軽負荷で摺動抵抗を減らしたい用途に向いている。
コンプレッサオイルに使用した場合は密閉性能が上がるのでコンプレッサ効率の上昇が見込めるそうだ。
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