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持ち運びが困難な水晶振動子


  • Posted by: F&F
  • 2019年4月 8日 13:07

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普通の人は水晶振動子など知らないだろう。
水晶振動子を知らないのだから、その形状だって知るはずがない。

こちらの記事では「従来は持ち運びが困難なほど大きかったこの水晶振動子を、音叉型と呼ばれる新たな構造で小型化し、腕時計の中に世界で初めて収めたのが、1969年12月に諏訪精工舎(現在のセイコーエプソン)から発売された「セイコー クオーツアストロン 35Q」でした。」とある。https://japanese.engadget.com/2019/03/22/1/

1950年代、或いは1960年代の主流はHC-6/u型のパッケージではなかったかと思う。
それ以前にはFT243があった。
FT243はベークライトのケースにバナナプラグみたいな端子が付いたもの。
25mm×40mm×10mmくらいの大きさなので、持ち運びは容易だ。
ポケットの中に入れれば50個くらいのFT243型水晶振動子を持ち運ぶことが出来る。

時計用の水晶振動子は32.768kHzのものが多い。
ATカットは厚み滑り振動で、水晶振動子1mm厚辺り約1.67MHzの共振周波数になる。
したがって32KHzの水晶を作るとすると厚さ5cmというとんでもないものになる。
というか、当然CIが大きくなりすぎて発振しない。
ATカットでの時計用水晶振動子は4.194304MHzが使われるのはその為だが、発振周波数が高いと発振回路や分周回路の消費電力が増える。
この記事に於ける腕時計ではこの2倍の周波数である8.388608MHzの水晶振動子を使ったとある。
消費電力と水晶振動子の大きさのバランスでこうなったと言うことか。

音叉型の水晶振動子は発振モードが異なるので小型化が可能だが、通常の板状の水晶振動子よりも電極の蒸着などが難しい。
音叉型水晶振動子の共振周波数は、音叉の厚みの700倍を音叉のフォーク部の長さの二乗で除したものになる。

持ち運びが不可能なほどの大きさとはどのくらいだろう。
灯油ファンヒーターは持ち運べる。
クーラーの室外機くらいだと持って歩きたくないなぁ。
まあ、装飾品の水晶でもそんな巨大なものは中々ない。

   

Comments:1

ak2 2019年4月 9日 12:36

1969年12月セイコー クオーツアストロン 35SQ
https://www.epson.jp/ms/1969_12.htm

こちらの記事の「まず持ち運べるサイズの水晶時計の開発に注力。」を読んで筆者が勘違いしてるのでは無いでしょうか。

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