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日産のVCエンジンは凄いのか?


  • Posted by: F&F
  • 2019年10月26日 12:11

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日産が古くから開発を続けていた可変ストローク・可変圧縮比エンジンは未だ新鮮なのか?
北米向けのインフィニティ新型QX50に搭載されている。

可変圧縮比エンジンのアイディアが出た当時は、過給器付きエンジンは低圧縮比でしか運転出来ないというのが常識だった。
今でこそ圧縮比10:1のターボエンジンは普通に存在するが、当時はデトネーションコントロールなどが上手く出来ていなかった。
その為に過給器付きエンジン搭載車は圧縮比を下げるしかなく、過給が開始されるまでのトルクが細く燃費も悪かった。
そこで日産は考えた。
非過給時には圧縮比を上げ、過給状況に応じて圧縮比を下げれば良いと。

日産の可変圧縮比2リッター4気筒エンジンは、圧縮比を8〜14まで変化させることが出来る。
日産のエンジニアによれば、この圧縮比はBENZのM133エンジンからマツダのSKYACTIV-Gまでを網羅するという。
可変機構はクランクシャフト下部に付けられたレバーで行うのだが、これはバランスシャフト的な役割も担う。
可変圧縮比とターボチャージャーによって最大出力は200kW 最大トルクは279N・mを絞り出す。

WRX STIタイプRA-Rは台数限定の特別仕様車である。
圧縮比は8.0、最大出力242kW 最大トルク431N・mだ。

RA-Rより圧縮比を上げながら高出力を絞り出すエンジンにBENZのM133型がある。
圧縮比は8.6、最大出力280kW 最大トルク475N・mだ。

ホンダシビックタイプRのエンジンは2リッターターボ最強とも言われる。
圧縮比は9.8と高く、最大出力は235kW 最大トルク400N・mだ。

レクサスRC200tも高圧縮比エンジンだ。
圧縮比10、最大出力180kW 最大トルク350N・mだ。

圧縮比が10を超えるターボエンジンにBENZのM260型がある。
圧縮比は10.5、最大出力165kW 最大トルク350N・mだ。

これを見れば分かるように、圧縮比の上昇は出力の低下になっている。
過給圧を上げにくいなど制約があるからだ。
そんな中でもシビックタイプRのエンジンは、圧縮比を9.8迄高めながら235kWもの高出力だ。

可変圧縮機構を組み込んで無過給時に高圧縮比にしているのだが、燃費はCityモードで10.5km/lとさほど良くはない。
M133エンジン搭載のAクラスのカタログ燃費が12.6km/l、シビックタイプRのカタログ燃費が12.8km/lなので、見劣りするとは言わないが複雑な機構を有するメリットは何なのか。
燃費やトルク特性ではなく、ピストンの首振り低減効果が大きいというのは本末転倒みたいな気がする。
QX50のインプレッションを見ると、ターボが効き始めるまでの領域でトルクが細いと書かれていた。
ターボが効き始める過渡期に於ける圧縮比制御が適切ではないのか、過給圧の上昇と圧縮比の最適化にタイムラグがあるのだろうか。



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